【第39話】 それはちゅんちゅん1
おはようございます。
水道管、凍りました。
朝刊です。
諸事情(主に路面凍結)により、ちょっと早い投稿になりました。
「エノンは上空だ、そろそろ帰ってくる」
「えのん、鳥さん?」
「みたい!みたい!」
キラキラした目で、はしゃぐ、ちびちゃんズ。
(エノン、見たいらしいが、どうする?)
(……うう、わかった団長、うち、そこに降りるね)
(奴等はいたか?)
(後方、魔力感知外に二人、ガモの手下だ)
(間違いないか?)
(助け出されたうちに、汚れたゴミといったヤツだ、忘れないよ)
(あいつらか、よく我慢したな)
(団長が許可したら、消すけど?)
(無闇に消すな、約束しただろう?)
(……許可無しに、消さないよ)
(同じ獣人、俺達の強さは知っているはずだ、それなのに挑むとは?答えろエノン)
(勝算がある、ということ。なにかを手に入れたかな?)
(新月が近い、条件は彼奴らも同じだが、注意しとけ)
(了解)
どんよりした空に黒い点が微かに見える。
あれがエノンだろうな。
夜明け前、辺りは明るくなり始めた。
先程の念話は、私以外、誰も聞こえなかったみたい。
物騒な会話だったな。
これは、奇襲があるな。おそらく新月期だろう。
新月期に最大出力の獣人もいるだろうけど、基本はやはり満月。
獣人族を奇襲するのは難しいと思う。まず匂いで判断、相手のフェロモンで判断、魔力感知で判断する。これら全てをすり抜けて奇襲?襲撃?
匂いを打ち消し、フェロモンを中和して、魔力感知を妨害する。
これは難しいのでは?
ゴブリンの時みたいに、オーラ感知出来ればいいけれど、獣人ではうまくできないんだよねぇ、やはりパワー系、魄系、物理よりだからだろうか?
それでも、私達は強敵だと思うけど、どうする?ガモサンモ。
黒い点はドンドン大きくなり、その姿が見え始める。
ん?大きい?いや、翼が小さい?猛禽類ではないな。
あれは?
それはドスンと目の前に落ちてきた。
「ちゅぴぴぴぴっ!」
翼を広げ、声高々に囀る。
びょん、びょん、びょん、と飛び跳ねて、接近してくる。
その愛くるしさに、ちびちゃんズは奇声を上げた。
私も目が釘付けになった。
いや、点になった。
なんだ、これ?これは?
それは、大きさ1.5m程の巨大な雀だった。
本日2023/01/25、17時 夕刊投稿予定です。
交通機関次第では、投稿が遅れるかも知れません。