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【第37話】 夜明けはまだ遠い5

朝刊です。

 無類の可愛さですぴすぴと寝ている二人。


(そうだね、暖かいね)

(ああ、暖かい)

(可愛いね)

(ああ)

(……)

(どうした?明季?)

(食べちゃ駄目だよ?)

(食うか!ンなことするか!)

(ぺろぺろ、駄目だよ?)

(うっ)


 少しくらいなら良いだろう!ってお顔に書いてある。


 外は静かな夜だった。

 月は大きく欠けていたが明るく、幻想的な景色が永遠と広がる。

 遠い世界に来たなぁ、ちょっとだけ、まどかに会いたくなった。

 

 私は凍った夜空に、流れ星を探した。

 流れ星、見つけたいな。

 ……その時、私は何を願うだろう?


 ぎゅっぎゅっと雪音を立て進む私達。

 巨大カマクラもどき中には、ランお母さんとレイランお姉ちゃんが眠っていた。


 あれ?コロ叔父さんは?


 さすがに女性と同じ部屋はまずいか?


(コロは斥候だ)むくり、とランお母さんが起き上がる。


 うわ!

 ゴージャスに揺れるそれに、私の目が奪われる。


(周りで、何かあったの?)


(いや、周囲の警戒はいつものことらしい。ヒューとミュー寝ているのか?)


(ええ、ヒューお兄ちゃん、ランお母さんだよ、着いたよ)


「ママちゃん?」


 うわ!寝ぼけている?ママちゃん!?ママちゃんだって!

 ランお母さんに近づくと、するりと腕を抜け、ランお母さんに抱きついた。


「みゅーは?みゅーは、どこ?」


 か、か、可愛い!ミューお姉ちゃんを探している!

 アイお姉ちゃんが近づくと、これまたするりと腕を抜け、ランお母さんにしがみついた。


 両手に子供を抱いて、満足そうなお母さん。


(アイ、お前が運んで来るとは、正直驚いたぞ)


(ラン母さん、私だって抱っこくらいできるぞ!)


 え?なんですと?


 いや、アイお姉ちゃん、私の方をチラチラ見ないで。

 誰にも喋ったりしないよ?


 沈黙は金なり、だよ。


 まあ、みんな見て見ぬふりする、と思うけど。


本日24日 17時 夕刊予定です。

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