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【第32話】 生命属性の剣

諸事情により1時間早い投稿になりました。

「ばかな!無理であろう!?満月期の我々は強い。月の魔力を纏えば剣、槍、矢、炎さえも弾くのだぞ?」


「でも、氷獣の爪は、私のお腹を刺し貫いたわ。回復も毒で封じられた」


「!……それは……あれは満月期だったか?」


「そこで調べたの。氷獣の爪の秘密。語り部に聞いてみると、生きている氷獣の爪は脅威だが、死んでいる氷獣の爪はタダの爪だって言っていた。みんなそれが当たり前と思って、そこで止まった。考えを止めた。調べようがないからね、それに死んだ氷獣の技、誰も再現できないし」


「再現したと?」


「見たでしょう?あの岩を」


「!」


「私は簡単に爪で刺されて、あれっ?って思ったもの。獣人族、こんなに弱いはずないって。氷獣は生命属性の使い手よ、これが無敵の爪の正体」


「明季はそれを自分で解き明かしたのか?」


「私が知っている技に、同じ物があった。それだけよ」


「どこでその技を得た?」


「精霊の導きよ、それ以上私は答えられない。そしてこの技にはまだ謎がある。今から見せるね」


 剣を握りしめ天を指す。


「この剣にハク属性を付与する。剣は鋭さを増す。そしてこれに意思を加える、すると脈打つようになり生命属性になる。するとね、ほら振動が始まるの」


「あ、震えだした」


「更に魔力を高めると、獣人族も切れる生命属性の振動剣になる。これが何故振動するか分からない。精霊はこの謎を解いてみよ、と言ったわ。私は未だに解けないけど」


 剣はぼんやりと光って見える。

 これが本当に光っているのか、霊視で光って見えるのか私には分からない、そう見えるのだ。

 これって解けるのかしら?実際、言ったのはローローだけどね。

 自分で解くがよい、と言ってローローは教えてくれなかった。


 私は剣を納め、ソリに戻した。

 そのままソリの横に座り、皆を見た。


 さて皆はどう動く?


 最初に動いたのはランお母さんだ。

 ランお母さんは、雪鹿お肉を切った包丁を持っている。

 ?

 ぼんやりと、ひ、光っている!?


「これは振動しているけど、私には、渦に感じる」


 うげっ!?

 うそっ!

 包丁で再現したっ!?

 見ただけで、もう再現!?


「これは……簡単には習得できないな、それに危険すぎる技だ。禁呪クラスの技だ……言い伝えの禁呪、OVERKILLではないのか?」


 シンお姉ちゃんが包丁を見つめる。


「ランお母さん、なぜOVERKILLだと?あの技は噂よ、それに必中など存在しない」


「この剣の属性、魄属性は命を扱う属性だ。武器に付与すればあらゆるモノが切れそうだな。僧侶や薬師が扱うと、重傷者が回復する可能性がある」


 お母さんはスタスタと切れた大岩に近づき、魔力を練り始めた。

 足下に魔法陣が浮かび上がる。


「ふんっ」


 包丁を横に薙ぐ。

 大岩はスコン、と綺麗に切れた。

 は!?なんですと!?

 抜きと合わせた、複合技だ!


「さすが、ドワーフの業物。恐ろしい包丁だな」


 いやいや違うでしょう?

 恐ろしいのはランお母さんでしょう!

 畏怖、恐怖を感じます!


 季羅お父さん、ごめんなさい、ランお母さんは、必要以上に強くなったような気がします。


「指が痺れる。なんだ、この痛みは?時期治るようだが?」


「それは、超振動で血管が収縮したり、壊れたりして起こる神経の病気らしいです」


「この技の副作用か?それで神経が壊れると?振動で?では人族やハーフエルフは治らぬな、彼らの神経は簡単に再生しないから。私達も使う時期に注意しなければ、満月、新月まで治らぬ者がでるな」


「本来は、長期間に渡って振動に暴露し続けると、発病する病気です」


 白蝋病、なぜか校長先生がこの病気だった。

 治らない病気で、凄く苦しんでいたことを思い出す。


「知り合いのドワーフに頼んで、専用の剣を打ってもらうか?」


「発注をお願いする、コロ。危険な技だが、このわざが必要になる日がくるだろうな。ん?どうしたコロ?」


「OVERKKILLは幻の技だ、誰も見たことがない。そもそも見えない技らしい。OVERKILLは必中、外れないし、躱せないという。倒されたという結果しか残らないから、OVERKILLではないか、と推測することしか出来ないらしい。これを躱し、外すのは勇者か魔王のみともいわれる。ならばこの技は違う、似て非なる技ではないか」


 ここでまた私に視線が集まる。


 今度はなんでしょう?

 コロ叔父さんが冷ややかに聞く。


「明季、OVERKILL、使えるだろう?」


「!」


「そうなのか!?」


 うわ、どうする?


 使えない、と言っても信じてもらえるかな?嘘は嫌だし。

 でも正直なだけでは、世の中渡っていけない?

 うーん。

 多分、今の私では使えないと思う。

 何かが足りない。

 魔力?意思の力?魂魄がまだ技に耐えきれない?

 獣人族と技の相性は、ゴブリン以上と思うのだけど。


「わからない」


「え?」


「なんと答えていいか分からない」


「おい、こっちも分からないぞ?使えるのか?使えないのか?」


 だよねぇコロ叔父さん。


「使える、と言ったら見せろ、教えろ、となる。噂が広まれば変な挑戦者とか現れるかも知れない。使えない、と言っても信じてもらえそうにない。ただ言えるのは……」


「なんだ?」


「言えるのは、技は見世物じゃなく使うモノだ。二つほど技を見せたけど、使えると思ったからよ。今の私ではOVERKILL使えない、これが正直な答え、よ」


「では知っているのだな?」


「なぜそこまで強さに拘るの?強さの先は破滅よ?」


 これはローローとネーネーから聞いた、言葉の受け売りだけど。


「傭兵団で戦場を駆け抜けている。ン・ドント大陸に戦場はないが、他の大陸や国では争いが絶えない。そして死んでいくのは、そこに暮らす妖精達だ。力が無い者は死んでいくしかない。強い力があれば、色々と守れる」


「悪用もできる」


 ランお母さんがコロ叔父さんを睨む。


「ランさん、俺達傭兵団は侵略行為には手を貸さない」


「うちらは各大陸に、孤児院を建てている。難民移民の手助けもしている」


 え?なにそれ?もしかしてかなり大きな組織?


「だから、少しでも戦力が欲しいのさ」


「コロ、これ以上明季に技を求めるのを禁ずる。明季は大人に見えるが、身体は子供の粒(未魔細胞)だ。大人の粒(開魔細胞)ではない。無理をすると魄が壊れる。明季、お前も使える技は使ってもいいが、教える必要、答える必要はない。次からは、欲しければ自分で摑め、と言うがいい」


「……分かった、そうするランお母さん」


(さすがランお母さんだな。このままだったら明季はどんどん利用されてしまう)

(シン、うちらは利用するつもりないよ?)

(結果、そうなる)


「大陸に人達は、なんで戦を?食べ物がないのか?」


 アイお姉ちゃんがコロ叔父さんに聞いている。


「土地や水、領土だな」


「仲良くなれないの?」


「負の連鎖は簡単には切れないようだ」


「ふの連鎖?」


「終わらない復讐だ」


「戦局は?激戦地はどこだ?夫季羅には話しているのか?」


「そのままの状況を話している」


 皆がお話をしている時、私は別のモノに興味を引かれ、見つめていた。

 ふと、目に入ったのだ

 じわりじわり、と、エノンにすり寄る、ミューお姉ちゃんとヒューお兄ちゃんのちびちゃんズ。

 この年下に見える私の姉と兄は、身内のひいき目もあるかもしれないが、無茶苦茶可愛い。いや、ほんと、可愛いのだよ。


 その二人が、エノンに大接近している。


「え、えのん、さわっていい?」ヒューお兄ちゃんが、恐る恐る聞く。

 じっとエノンの耳を見ている。

「耳?」

 こくこく。

「いいよ。うちの耳可愛い?」

「かわいい」

 先に触ったのはミューお姉ちゃんである。

「あ、ミュー、ずるい」

 ピッと動く耳。

 緩やかに揺れる、ふさふさのしっぽ。

 あ、ヒューお兄ちゃんがエノンのしっぽで遊び始めた。

「えのん、おとうさんと同じ!」

 そう、季羅お父さんと同じなんだ、エノンは。

「そうだよ、うち季羅さまと同じ、狼!」

 エノン狼だね。

「えのん、鳥になって、飛べるんだよね?ケインお兄ちゃんみたいに!」

 エノン鳥、どんな鳥なんだろう?猛禽類?それとも鳩とか?

「そうだよ、うち飛べるんだよ、びゅーんって」

 うわっ!二人とも、凄いキラキラした目でエノンを見てるよ!


 そう思った瞬間、三人が一斉に私を見た。


 え?

 目が合う。

 交される視線。


 吸い寄せられるように三人は私にすり寄り、囲み、寛ぎだした。


 え?え?え?


 ミューお姉ちゃんは私の膝を独占し、寝てしまう。

 ヒューお兄ちゃんは腰にしがみつき寝てしまう。


「うち、今夜見張りなんよ、だから少し寝るね」


 エノン狼は、私達三人を包むように座り込むと、すぴすぴと寝てしまった。


 え?え?え?

 なにこれ?なんでここで寝るの?

 そしてぽかぽかのエノン狼に包まれて、私も何時しか寝てしまった。


 夢は見ない。

 見ても覚えていない。


 気配に目が覚める。


「エノン?」


 ああ、星が綺麗だ。

 エノン狼が私をのぞき込む。


「ごめん起した?うち、見張りに行ってくるね、ここは安全だからゆっくりお休み。交代でアイが来る、寒かったら皆で雪洞へ移るといい」


「わかった」


 そう言って私はヒューお兄ちゃんとミューお姉ちゃんを抱きしめ、静かに眠った。

 寒くはない、3人の体温で熱いくらいだ。

 獣人族は凄いな。雪の中、三人でゴロ寝だ。

阿騎=あ

MAYAKO=M


M 読者の確保ってどうしたら出来るのかしら?

  折角書いたお話、皆に読んで欲しい。どうしたら読んでもらえるのだろう?

あ それは、面白ければ読者は増えるのでは?

M うっ……そうだねぇ。取敢えず目立つには、投稿回数、投稿時間かな?

あ いやいや、だから違うって、そこではないでしょう?

M そうなの?

あ 他の作品、読んでいる?最初はやはり、タイトルとか、あらすじ、では?

  特にあらすじは大事では?作品紹介だし。

  あとは、ヒロイン、悪女物とか、リベンジもの?実は、実力者がスローライフとか?

  普段はのほほんとして、実はチートで大逆転とか面白いのでは?

M ギャップが面白いと?でも、それは他の人が、書いている。

  あ、打っているが正しいか?キーボード、ポチポチ。

あ 読者が何を求めて、アクセスしているのか?MAYAKOのアクセス理由は何?

M 面白さ、のみ。

あ 何を面白い、と思うかなんだけど……まあ人それぞれだよね。

  やはり面白いモノは貴重な時間を割いて読む。あと鉄板も大事だよ、安心して読めるし。

M では、このお話は面白くないのかな?

あ うーん、誤字脱字、設定の甘さ、表現の下手さ、不確かさ、色々問題はあるけど。

  私は勢いで読んでしまったよ。少なくとも勢いで読ませる何かはあった。

  それに何故か、繰り返し読んでいる。

M ありがとう、なら芽はあるよね?

あ ある。

M で、考えた。新聞形式はどうだろう?新聞掲載の小説って何文字だろう?

あ えーと、ちょっと待ってね、数えてみる。

  縦20文字の横47行。原稿用紙が20×20だから、約2枚分?

M では毎日原稿用紙、約2枚分の掲載、投稿時間は朝7時がいいかな?

あ 毎日?出来るの?あらすじの変更とか、内容の見直しが先では?

M 取敢えず、お話を進めたい。メリットは、毎日読める。人目につきやすい?

あ デメリットは?

M 読みづらくなる?

  お話の流れが摑みづらい?

あ そこ?MAYAKOが毎日原稿用紙2枚分、書けるの?そこが問題では?

M うっ。明日から毎日朝7時、原稿用紙おおよそ2枚分、投稿します。

  期間は2023年1月31日まで、どうだろう?

あ で、これで更に読みづらくなって、数少ない読者が離れたらどうするの?

  最高週別ユニークユーザー104名。今は100未満、時期逃した?

M ……う。

あ タイトルとかどうするの?毎日だよ、管理難しくない?

M ……あ。

あ だいじょうぶかなぁ。


次回投稿は2023/01/22の予定です。

次回より2023/01/31まで毎朝7時、原稿用紙2枚分投稿予定です。


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