【序章 】 私の近状
見つけていただいて、ありがとうございます。
最近、よく夢を見る。
とても大切な夢なのだが。
そう、これは忘れてはいけない!と、強く思いながらも、朝、起床すると上書きされたように綺麗に忘れてしまう。
どうしても夢の中から記憶を持ちだせない。起床する寸前までは覚えているのに、もどかしい!
あ、手短に自己紹介。
私は秋津川亜紀19歳、独身女性で銀行員だ。
入社2年目だが、かなり重要なポジションにいる。
17歳で入社?
おかしいかい?はははっ私は優秀なのだ(自称だが)。
実は学校で、飛び級を沢山している。
小学校は5年生まで、中学は1年在学、高校はすっ飛ばして某大学へ。
さらに探究心は止まらず、大学院まで進んでしまう。
得意科目は数学だ。
数学だけで飛び級している。
公表はしていないが、私はいくつかの自然現象を数字で表せる。
そう、研究と数学が大好きなのだ!
数学の勉強は面白い。特に大学院では問題と答えが逆転したのが面白かった。
逆転……それまでは問題を解いて答えを出していた。
いや当たり前のことなんだけど。
これは誰かが作った問題を解いていただけだ。
答えを当てるために問題を解く、この繰り返しだった。
試験や学校の勉強なんてみんなそうだ。
これが作る側に変わり、さらに世界を数学で表せないか?と探求し始めるのが大学院だった。
有名な物理学者や数学の天才的な人達。
この人達、インスピレーションや発想が凄い!勉強すればするほど、回路が違う、と痛感する。
これは欲しくても手に入らない!ならば、それに近いもの、それは私にとって大学院という場所だった。
インスピも発想力も皆無の私には、努力しかなかった。
世界の現象は全て答えとする、ではなぜその答えになったの?
世界を作る公式を捜すのが数学だ。
答えはあるのだが、式が分からない。なんとも不思議な世界ではないか!
それは、それは、面白い世界だったが現実の話、その……なんだ、あの……お金がね、お金が続かなくなったのよ。勉強にもお金が掛かるのよ。
え?端末で勉強?
最先端の情報は手に入る?
いやいや端末に入力されていない情報は、永遠に手に入らない。
私はその大学院の、図書館にも興味があったのだよ。
入力されていない、膨大な資料に。
資料に埋もれる毎日は、楽しかったなぁ。
どうしてもこの生活を維持したかった。
ビンボーな私は、あらゆる制度を利用してお金を集め、勉学、実験に励んだ。そして集めたお金はそのまま借金となる。
その金額が、いつの間にか、とんでもないことになっていた。
大学は私を引き留めた。
特別な研究員の話を持ってきたが、蹴って数字の溢れる職場、銀行へと進んだわけだ。
少しでも早く返済したかったからね、お金。
で、銀行員だけあって、お給料はかなりよい、あと2年もすれば借金は無くなる予定なのだ、たぶん。
株?株は数字だけではない、感とタイミング、その他の要素が必要だ。
私はタイミングの悪さに定評がある。
だから株には手を出さない。
したがって損失もない。
銀行は私に合っていた。
さらに、休暇もたっぷりある。
休暇、いい響き。有給休暇、なんて素敵。
休みの日は何をします?
数学の勉強?
いやいや、努力だけではどうにもならないものが、世の中には多々ある。
数学の勉強は一時停止した。
そして趣味の世界が動き出す。
はい、ゲームです。ネットです!ゲーセンです!カードです!
太鼓も好きです。ダンスは体力的に無理だけど、ゲーム一般大好きなのです。
ゲーム大好き人間の私は、この今の環境を痛く?気に入っている。
そう、自ら望んでこの環境を手に入れたのだ。
家では、お気に入りのボカロをガンガン聴きながらゲーム三昧、よくね?
太鼓を打ち、電車を運転、フィールドを駆け巡り、目指せカンスト、私は自由だ!
燃えていた数学の探究心は、就職して、アッサリとひっくり返った。
仕事の日は、朝6時起床、朝ご飯を軽く食べ、(目玉焼きくらい作れるますよ?あと、お掃除も洗濯も大好きです)その後電車で会社にGO、残業なしで19時に帰宅。
あとはコンビニ購入のサンドイッチを食べながらゲーム三昧。
満足するまでダイブして最後にお風呂にダイブ、そしてお気に入りのボカロPさん達をチェックして就寝前のストレッチ、おやすみ~となる。
あ、そうそう入浴する前に、糠床を混ぜるのを忘れないようにしなければ。
私は糠漬けが大好きなのだよ。
毎日がこの繰り返し。
中古マンションの一室、2LDKに一人暮らし、ここが私のお城。
彼氏?いませんよ!(が欲しくないとは言いません)
二人でゲームとかしてみたいかな、ごろごろしながら、ポテチをパリパリしながら(ささやかな希望・カードゲーム、ボードゲーム可)。
しかし世の男性は、なかなか私に振り向かない。
男性陣は女性のバストに概ね興味を示すと思う(違う男性もいるとは思う)。
悲しきかな、私のバストは豊かでは無い。どれ位かと言いますと、会社の健康診断のオプションで、乳癌検診を受けてみた。
若年層の私はまだ必要ないかな、とは思ったが記録として残したいと考えたのだ。
データーは多いほどよい、セーブはこまめに、という発想はゲーマー的か。
で、マンモグラフィ検査で乳房をアクリル板に挿むのだが……脂肪がほとんど無い私の胸は、挿めなかった(コラッそこの男子、笑うな!おっぱいは女の子の大切な器官なのだ!いや、おっぱいだけではなく、身体はみんな大切なのだが、大きい小さいで笑う男子は許せん!)。
看護師さん二人掛かりで、私の乳房をどうにかアクリル板に挿みこもうと、必死に格闘するも、ついに攻略断念。検査はマンモグラフィでは無く、乳房超音波になりました。
あのときの看護師さん達、無理言ってすみませんでした。
そう、私のバストは測定できないほど小さいのだよ。
ははははっ笑うしかない、涙が枕を濡らすぜ(自分で笑うには良しとする)。
加えて強度の近視、眼鏡のレンズ、厚みが半端じゃないゾ、と。
ほらほら、男性諸君、私の容姿に興味が失せてきただろう?因みに身長は身長158㎝、体重は……とにかく痩せている、としておこう。
お、電車が来る、これから出勤なのだ。
私は気合を入れなおし、職場へと向かった。
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第1部から第14部までは序章で、本編は 15部 氷の世界 から始まります。
よろしくお願い致します。