魔法について
魔法を一言で表すとすれば、『魔力を使用して世界のあらゆる物事を動かす技術』です。魔力とはエーテルという森羅万象の基である概念体を、上位存在と呼ばれる神や天使が自らの手で利用しやすいように改良したものです。
この魔力を使って、精霊王が人族等に使いやすいように技術として開発したものが魔法です。
魔法には長い歴史があり、それゆえにいくつかの魔法の発動方法があります。それぞれを簡単に以下に示します。
詠唱魔法・・・高次元のパズルを組み立てるように魔法を頭の中で構成し、完成した詠唱を外界に送ることで魔法を発動させる方法です。最も汎用性が高く、使用率が高い発動方法です。
魔法発動のための基本的な詠唱項目は属性、系統、位相、出力の4つであり、さらに派生項目というものを付け加えることができます。詠唱は公式と呼ばれるパズルの土台に詠唱式というピースを上手く代入して行うもので、数学に近い頭の使い方をします。
法陣魔法・・・簡単にいえば魔法陣を使って魔法を発動させる方法です。詠唱魔法の次にポピュラーな発動方法であり、詠唱魔法よりも魔法発動にかかる時間は短いですが、制限が色々あったり、魔法陣自体が破壊されれば魔法の維持ができなくなる等の特徴があります。魔法陣が残り続けるような書き方をすれば半永久的に魔法を発動させ続けることが可能です。
霊威魔法・・・体の内にある魔力を上手く操作して気のように使う魔法です。遠距離に飛ぶような魔法には向かず、近距離戦闘に用いられる魔法の発動方法です。感覚的な技術力が必要であり、複雑な設定は組み込ませられませんが、魔法発動にかかる時間がとても短く、戦闘には最も有利な発動方法です。主に獣人族が得意としています。
宝石魔法・・・印魔石や印宝石等の種類がある印石を破壊することで自動的に魔法を発動させる方法です。項目としては独立していますが、より厳密には法陣魔法の一種です。人工的に印石を作るコストの割には簡単な魔法しか発動できませんが、魔物のドロップやダンジョンの宝箱から入手した印石はその限りではありません。値段は当然高いです。印石によって発動する魔法の種類や威力は固定であり、誰が使用しても同じ魔法を発動させることができます。
固有魔法・・・正確には魔法と呼べるのかは微妙なところです。神が独自に開発した魔力を用いて物事を動かす技術によって発動する魔法など、元々は精霊王が確立した魔法以外の発動方法を総称して固有魔法と呼びます。
しかし一般的に知られている固有魔法は神等のほんの一部しか使えないようなものではなく、種族的、もしくは生物的に独自に行うことのできる魔法の発動方法のことを指します。また固有魔法には種族的なものと個人的なものに大分されます。
例えば獣人族は犬族や狐族等でそれぞれ異なった魔力の扱い方をすることで彼らしか使えない種族的な固有魔法を使えたり、魔族の個々に特有に持つ魔眼は個人的な固有魔法の発動器となったり、天使の個々に特有に持つ天輪は法陣魔法のような使い方をして個人的な固有魔法の発動器となったりします。




