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「ん? なんだ八島か」
「ん……忘れ物」
「え? そんなのあったか?」
八島はそう言うと部屋の中に入ってきて、俺のベッドに潜って何かを探し始める。
「なんだ? 何を忘れたんだ?」
「ん……あった、これ」
「お、お前!? なんでそんな物を忘れるんだよ……」
八島がそう言って布団から出したのは、女性物の下着だった。
恐らく八島の物であろう。
てか、さっき上屋敷が居た時もそれあったの!?
それを考えるとなんかぞっとするな……見つらなくてよかった。
「寝てるときに脱いだ……」
「器用だな……なんでも良いけど早くしまえ」
「うん……わかった」
「っておい! 何ここで履こうとしてるんだよ!! てか、お前ノーパン!?」
「ん……そう」
「だぁぁぁ! 向こうで履いて来いバカ!」
「ん……今日の木川は強引……」
「お前が悪いんだろうが!!」
俺は八島を風呂場に押し込んだ。
まったく、あいつに羞恥心は無いのか?
はぁ……家に帰ったら今度は八島の世話か……。
俺がそんな事を考えながら、昼食の準備をしているとまたしても家のインターホンが鳴った。
「ん? 今度は誰だ?」
俺は何も考えずに玄関の扉を開ける。
「はーい……」
「あ、ごめんごめん。忘れ物しちゃってさぁ~」
バタン。
「え!? なんで閉めるのぉ!?」
まずい……これは非常にまずい。
部屋にやってきたのは上屋敷だった。
忘れ物を取りに来たと言っていたが何を忘れたのだろうか?
って、今はそんな事を考えてる場合じゃない!
部屋の中には今八島が居る!
どすうる!?
こんな状況上屋敷に見られてみろ!
絶対に面倒臭いことになる!!
「ねぇ! 開けて欲しいんだけど! あ! もしかしてエッチなゲームでもやってた? じゃあちゃんと隠してから入れてくれれば良いからぁ~!」
してねーよ!!
だ、だがそう言うことにして置いて、八島を隠した方が良いかもしれない……。
「八島……お前とりあえず浴室に……って居ねーし!!」
どこに行った?
俺は居なくなった八島を探した。
そして気がついた。
八島も忘れ物を取りにきたはず……忘れ物が見つかったならあとは帰るだけ……。
「まさか!!」
俺が気がついた時には遅かった。
「え……」
「ん……」
八島は玄関の戸を開け、上屋敷と対面していた。
そりゃあ、忘れ物取ったら帰るよなぁ……。
「え? き、木川君? 女の子だったの? しかも……おっぱいすっごい……」
「んな訳あるか!!」
「……誰?」
「あ、私は上屋敷佐恵です。よろしくお願いします」
「ん……八島絢葉……よろしく」
え!?
てか、八島の下の名前って絢葉って言うの!?
始めて知った……ってそうじゃない!
この状況をどう説明したら良いんだ!?
「えっと……八島さんはなんで木村君の部屋に?」
「ん……忘れ物取りに来た」
「あ、そうなんだ! 私と一緒だね!」
よかった、なんかうやむやに出来そうな感じだぞ!
よし、これで八島と上屋敷が入れ替わりで帰れば、後は俺が適当に説明出来る!
「あ、木川……」
「ん? な、なんだよ八島? 早く帰れよ……」
「今日の晩ご飯は?」
「え?」
まずぅぅぅぅぅい!!!
何こいつさらっと爆弾発言してるの!?
こんなの『一緒にご飯よく食べてます!』って言ってるようなもんじゃん!!
「ご飯? そう言えば……木川君と八島さんってどんな関係?」
「そ、それはだな上屋敷!」
「隣人……」
「おいバカ!!」
「え? じゃあ八島さんって……」
「うん……隣の部屋……」
あ……終わった……俺の学園生活……。
明日から俺は、八島の裸を見た変態男として学校内で酷いいじめに合うんだ……。
俺はそんな事を考えながら、がっくりと膝を付く。
「終わった………」
「何が?」
「俺の……学園生活が……」
「そうなの? なんで?」
「お前のせいだよ……」
はぁ……これから上屋敷から質問責めされるんだろうなぁ……。
俺はそんな事を考えながら、上屋敷の顔を見る。
すると、上屋敷は何やら難しい顔で考え事をしていた。
「え? 隣人? ご飯?」
どうやら、まだ俺たちの関係をまとめきれて無い様子だ。
まぁ……時間の問題だろうけど……。
「はぁ……とにかく中入れよ。説明する……八島も居ろよ」
「お腹空いた……」
「あとでたらふく食わせてやるから!」
俺は二人にそう言って、二人を家に上げた。 俺と八島が並んで座り、正面には上屋敷を座らせた。
「実はだな上屋敷……これには深い事情が合ってだな……」
「え? ただのお隣さんじゃないの?」
お?
もしかしてただのお隣さんだとしか思ってないのか?
それだったら余計な事を言う必要は無さそうだな……。
「あ、あぁ……そうだ。お隣さんだし、お互い一人暮らしだから互いに助け合ってだな……」
「お風呂に入りに来てる……」
「お前は余計な事を言うな!!」
「え!? お風呂!? も、もしかして……二人で?」
「違う!!」
ヤバイ……八島が居ると逆に説明しにくくなってしまうかもしれない……。




