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腐った目

作者: チョコバナナチップス

何でもない日常に

何でもなくない非日常

ちょっぴり刺激をくれる

そんなモノ










家を出て自転車で五分。最寄り駅は通勤通学をする人でホームが埋まっている


人の波をかき分けて先頭列車に乗るのはいつもの事。満員電車に揺られながらスマホを開いてSNSアプリを開けば雑多な友だちの呟きに混じって非日常が私に会いに来た


バズったその投稿の内容は所謂″おふざけ″動画。一人の友だちを数人で囲うただの遊びだ




可哀想




率直にそう思った


投稿動画への返信も同様に哀れみの言葉や怒りの言葉で溢れていた。中にはズレたモノもあるけど


反応を見ていると乗換駅についてしまった。もう少し見ていたかったけど仕方ない。いつもの事をする。シャッターの閉まった地下街を通って地下鉄への道を歩けば汚い格好のホームレスが寝ていた


日常だ


地下鉄に揺られること数駅。目的の駅についた。改札口で待ち合わせをしていた由佳と合流し学校を目指す


「ねぇ見た?」


「見た見たあれでしょ、面白いよね。バカみたい」


「不謹慎ー」


「思ってないくせに。バイトのやつより良かったよね」


「それはまあ、ね。実際見てみたいわ」


ひとしきり盛り上がった所で学校についてしまった。由佳とは教室が違うから別れなくてはならない。でもどうせ教室もこの話題で持ちきりだろうからいっか


そう思ってドアを開けたのに聞こえてきたのは会話ではなくて男子の叫び声と笑い声だけだった


「うっさ…朝からなに?」


「吉田が秦野にピアス穴あけてやってんの」

「秦野拒否ルし暴れるしで制服血まみれにしててウケるんだけど」


「いい加減慣れろよなー。うるさいの」


本鈴がなって入ってきた教師によって静まったクラスに秦野の呻き声が響く。吉田が秦野をからかうのもいつもの事だから先生は何も言わない


「お前らもう知ってるだろうがいじめ動画が今ネットにアップされてるから一応この学校でも調査をすることになった。五分たったら回収するから素直にかけよ」


言いながら配られた一枚の紙には三つの設問が書いてあった


『あなたは今までにいじめをしたことがありますか?』

もちろんNO


『あなたは今までにいじめ現場を目撃したことがありますか?』

NO


『もし今までにいじめられたことがあるのなら書いてください』

なし


後ろから回ってきた秦野のプリントを見たら同じことが書いてあった




つまらない

何か刺激的な事が起こらないだろうか


いじめはだめだといじめられたら直ぐに言えと熱弁する先生を見て思った

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