未来のポイんっ!
[ 未来の火星 ]
ボブ「HAHAHA、これはなんともナイスなノベルだな!」
ボブ「ポインっしてやろう!」
ボブの指先が火星開拓者向け端末の仮想ディスプレイに表示された「評価するボタン」に触れる。
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『ポインっ』
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その瞬間、
ボブが行った「ポイんっ」は彼の端末内で電子信号に変換された。
そしてこれから「ポイんっ」が地球へと向かう、遠く長い旅が始まったのだ。
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[ 火星軌道上の中継衛星 ]
ポイん『こんちわー』
衛星 『あらいらっしゃい』
地球に向けて旅立った「ポイんっ」ではあるが、直接火星から地球へと向かうわけではない。
地上からの通信は惑星の自転や天候の影響をうけやすいため、惑星間通信は一旦火星軌道上に設置された衛星に向かい、そこから地球へと向かうのだ。
衛星 『じゃあポインっちゃん、圧縮するね』
ポイん『はいっ』
ポイんっ → ポイn
「ポイんっ」は衛星内のサーバーによって特殊な信号に圧縮され「ポイn」となった。
未来といえども、通信利用量は無限ではないのだ。
衛星 『じゃあいってらっしゃ~い』
ポイn 『イッテキマス!』
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. +
. .
→・(地球)
+ .
----nイポ . +
+ .
+
光の速さで宇宙空間を突き進むポイn
地球は遥か遠い……
宇宙空間は何もない暗闇であり、真空なので何の音もしないのだ。
圧倒的な孤独感がポイnを包み込む……
ポイn『…………』
しかし、ポイnが旅をやめないのは『使命感』があるからだ。
遥か遠い地球で、火星からポイnが届くことを今か今かと待ち望んでいる人がいるかもしれないのだ。
いや、きっと居ることだろう、
だから旅をやめるわけにはいかないっ!
ポイnはギュッと歯を食いしばり、孤独感に必死に耐えようとしていた……っ!
するとっ?
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. +
+ . + .
+ .
-------------------------nイポ
ポイn----------------------
+ . . スンッッ .
+ +
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あぁぁっ!
あれはおそらく地球から火星に向かうポイnだろう。
宇宙空間を突き進む電波ポイnは光速。
その速度は1秒間に30万キロメートル進むという速さなのだ。
「火星ポイn」がすれ違った瞬間に後ろを振り返ると「地球ポイn」はもう見えなくなっていた。
互いに言葉を交わすことは叶わなかったが、きっと向こうも気づいたことだろう。
同じ使命を持つ者とすれ違ったことに「火星ポイn」は嬉しさを感じた。
宇宙は果てしなく広く、底が見えない。
だがけっして、誰も孤独ではないのだ。
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ポイnが火星を出発して10分後、
”やっと地球が近づいてきた!”と、思った瞬間、早くも地球の中継衛星に到着した。
衛星 『再変換するね』
ポイn『オネガイシマス!』
ポイn → ポイんっ
もとの状態に再変換された「ポイんっ」
旅の終わりはもう近い。
ボブからの「ポイんっ」を届けるために、大阪府 枚方市に所在する「なろうサーバー」へと急ぐのであった。
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[ 地球の朝 ]
(チュンチュン)
目覚まし『りりりりりりりりィィィィィィ』
まだ外が薄暗い早朝6時に高校生のアオイは起床した。
アオイ「ううっ、まだ眠い……、けどっ」
アオイがこんな朝早くに起床したのには理由があった。
それは昨晩投稿したネット小説の反響を一刻も早く確認したいがためであった。
アオイ(ドキドキ)
期待と不安の両方を感じながら、アオイは小説家になろうのユーザーホーム画面を開いた。
するとそこには……?
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アオイ「ええっうそっ!?」
アオイ「やったー!!」
それは、未来のなろう運営様がご用意してくださった粋なサービスだった。
☆
地球から遠く離れた火星で自分のネット小説を読んで、ポイんっしてくれた人がいると知ったアオイは、驚きと同時に嬉しさを感じた。
自分の書いた作品が小説家になろうという場所を通して、遠く離れた宇宙の世界とも繋がっているということを実感したのだ。
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使命の一つを終えたポイんっ。
だが、休んでいる暇はない。
次の使命がポイんっを待っているのだから。







