だから嫌なんだ
夏は、俺を谷底へと突き落とす。
「ねーねー海に行こうよ。」
夏の前に、俺には可愛い彼女が出来た。
「え?海?日焼けするし、クラゲに刺されるとか海は危険だよ。山に行こうぜ。」
「やーだ!優君と海に行くのが夢だったんだもん!」
まずいな…。
「分かったよ…。」
「優君!」
「ん?」
「優君別れよう…。」
「うん。」
「やっぱりな…。」
彼女の寂しそうな後ろ姿を見送る。
俺は…。俺は…。
お腹ポッコリなのだ。
ようするに隠れデブ…。
このギャップに引かれて何人も女は去って行った。
「だから!夏なんて大嫌いなんだ!夏なんて!」
俺の、お腹はぷるんとトドのように揺れた。




