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謁見
翌朝、私は王の間に通された。
私は正面の玉座に向かって跪きながらも、横目で周囲の様子を窺う。
玉座に国王陛下。
その傍らには大臣が控え。
部屋の広間の左右には貴族達も数人いた。
彼らは明らかに他国の容姿の小娘である私を珍獣か何かのごとく見ている。
正直、スッゴく居心地が悪い。
これが綺麗なものを見るような視線だったらどんなによかったか・・・。
朝、ツルナが気合いを入れて整えてくれたおかげで、かなりいい出来になっているはずなのに。
まぁ、まだ騎士団のもの達に嫉妬の眼差しを向けられるよりはましなんだけど。
ここには国の重要な人間がこれだけ集まってるのに、衛兵どころか騎士団のもの達による護衛すら一切ない。
ここまで徹底して人払いしてあるとは思っていなくて少し驚いた。
「よく来た。顔を上げよ」
正面から陛下の声が届く。
その直後、視界は黒い靄に覆われ、私は意識を飛ばした