自分だけの世界
会話が多くてややこしくなってしまいました。。
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「「久しぶりだねぇ。結城のお嬢様。」」
金属音のような甲高い声が辺りに響く。
美空はいきなり振り返り、木々の茂みを睨んだ。
「、、、。あの。」
「しっ!静かにしてください!」
「…。」
美空はキョロキョロと何かを捜すような動作を繰り返していた。その顔は怒りを露わにしていた。
「「やあ。元気だったかい?」」
木の枝から飛び降りる影をすずは見つけた。
その姿は人型だったが、まるで猫のように軽やかに飛び降りていた。
「なにをしにきたのですか。あなたはもうここにくる必要はないのですわ。」
「ねえ、美空。あの人、、、誰?」
「…知って得なんてしませんわ。」
美空は視線を逸らした。戸惑っているのだ。
親友に対して、秘密は必要ない。
だが、それと同時に親友を面倒なことに巻き込みたくない。
「ごめんなさい!すず…。」
美空はすずに手を向けて、力を込めた。
すると、すずの姿は見えなくなった。
「「仲間にも魔法を使うとは、随分荒くなったねぇ。結城。」」
「あなたに、だけは言われたくないです。」
「「“収納”の魔法。意外と使い勝手がいい物だな。」」
そう。美空の使用魔法は収納。
物が30分前にあった位置に移動させる魔法だ。
つまり、すずは先程サイトを見ていた部屋に強制的に戻されたのだ。
「親友をこんな目に合わせたくない。」
「「こんな目って、このあたしのことかい?言わせてくれるねぇ。」」
「なぜあなたはこんなところに再びきたのですか?」
「「あなた、だなんて随分だな。昔のように呼んではくれないのかい?」」
美空は苦い顔をした。
彼女の顔を見るだけで昔を思い出してしまう。美空は拳に力を込めた。
「、、、。えの。用件を話しなさい。
話さないなら、嫌ですが手を出しますわ。」
“えの”と呼ばれた少女はにやりと笑った。
ポケットに突っ込んでいた手を出して胸の前で組む。
「「さっきの話しは聞かせてもらった。アビリティプログラムに行くんだって?結城ずいぶん楽しそうだったな。」」
「、、、えの。能力をこんなところで使ってたのですか?」
「「もちろん。あたしの魔法はこういう時に使う物だからなぁ。悪いけど、能力開発プログラムのことも見させてもらったよ。」」
えのの魔法は盗み。
壁によって遮断されている光、音を見ることができる力だ。
プライバシーの侵害と言ってしまえばなに一つ間違っていない。
「不覚、でしたわ。
でもなら話が早いです。
アビリティプログラムの場所をしっているのですか?」
美空はまっすぐ前を向いた。
いくら好まない相手でも情報は情報だ。
ここで答えてもらえるなら美空は一歩進める。
「「あぁ。だけどね。ただで教えるわけにもいかないんだよねぇ。」」
「というか、なんでえのはそんなのこと知っているのですか…」
当然の疑問だ。
教えてもらったところでデマの可能性だってある。気をつけなくてはいけない。
「「結城とあたしがむかしやってた研究とアビリティプログラムの関連性が見えたんだよ。」」
えのはさっきとは大違いの真剣な眼差しを向けた。その視線は強さを秘めていて思わず美空はひるんでしまった。あの研究、美空にとって思い出したくないことだった。美空はとにかく否定する。
「あんな研究、まだ続けてたなんて。諦めるということはえのの中にはないのですか。」
「「ほっとけ。」」
「続けるに値しませんわ。さっさとやめたらどうなんです。」
「「それは結城の主観だろ。」」
2人の中に緊迫感が流れた。
その緊張に耐えきれず、美空は再び視線を逸らす。
「「あたしも、アビリティプログラムはなんか怪しいと思うんだ。全部結城に話すつもりはないがそこまであたしは突き止めた。」」
「えのの研究の方が怪しいと私は思いますけどね。そこまで、とはアビリティプログラムの場所ということでいいのですか?」
「「そう。おや、またきたようだねぇ。」」
美空は察してドアの方を振り返った。
重いドアがゆっくりと開く。
そこにいたのは、
すずだった。
頭を押さえている。収納した際に何処かにぶつけたのだろうか。
美空は反省した。が今はそれどころじゃない。
「すず…。あなたに関係はないのですわ…」
「ねぇ。美空。なんなの。あの人は誰なの?」
美空は顔を曇らせた。
「「あんたも、魔法少女なんだろ?」」
えのが再び喋り始めた。
すずも困惑しているようだった。当然だろう。知らない人にいきなり「あなた魔法少女ですか?」と聞かれて驚かない訳が無い。しかも実際魔法少女なのだから尚更だ。
「あたしは魔法少女。ねぇ、あなたは…」
「すず!」
美空は2人の会話を遮断しようとした。
2人の関係を生みたく無い。
しかし、なにもなかったかのようにえのは話し始めてしまう。
「「あたし、さ。高梨えのっていうんだ。
あんたとおんなじ魔法少女だよ。」」
「ま、魔法少女…。」
すずは思わず繰り返した。
別に自分だって魔法少女なのだし、何か不思議な訳ではないが、親族と美空以外に魔法少女をみたことがなかったからだ。
「「そして、結城の旧友、かな?」」
「勝手なことを言わないでください!」
美空は心の底から嫌がっているようだった。すずもそのことを何と無く理解し、あえて口を挟むようなことはしなかった。
「「あたしと結城は昔、な…」」
「やめてください!私が、自分で話しますわ。あなたは引っ込んでいて下さい。」
美空はすずの目を見た。
重要な話しになるのだと感じたすずは少し気を引き締めた。
「私がすずと出会う前、私、私は。」
美空の肩が少し揺れていることをすずは気づいた。といってもすずにできることはなかった。優しく話を聞いてあげるだけだった。
「自分だけの世界を作る研究を、えのとともにしてたんです。」
「自分だけの、、、世界?」
すずには一体なんの話だか全く分からなかった。
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