対奈町1
『1回表、奈町高校の攻撃は、1番、セカンド、福神君』
ウグイス嬢の声が響き渡る。奈町対加美の試合がとうとう始まった。マウンドには鎌ヶ谷が上がっている。鎌ヶ谷の特徴は背が高く、リーチが長い。角度のある直球が武器だ。鎌ヶ谷の欠点はコントロールが悪い所だ。矢垣監督期待の1年生である。受けるのは1年生の轆轤。
「プレイ!」
鎌ヶ谷の第1球、内角へ。少し甘いコースだが福神は見送った。(ちなみに福神は左打者である)。そこから第2球、第3球、第4球とボール。今日はボールが高いな。そして5球目、福神のバットから快音が。ライトスタンドに突き刺さる先頭打者ホームラン。
この後の1回表の攻撃をかいつまんで書くと、
2番センター川倉 左中間スリーベース
3番サード守山 四球
4番キャッチャー田口 レフトスリーラン
5番ファースト渡邉 四球
6番ライト根本 センター前ヒット
7番ピッチャー軽沢 死球
8番ショート坂本 センター犠牲フライ
9番レフト薗田 三振
1番セカンド福神 四球
2番センター川倉 場外満塁ホームラン
3番サード守山 場外ソロ
4番キャッチャー田口 場外ソロ
5番ファースト渡邉 場外ソロ
鎌ヶ谷降板
鎌ヶ谷が初回から崩壊しホームラン6本を打たれ(3本場外弾)、0回3分の212失点でKO。仕方なく川山賢士がマウンドに上がる。
『加美高校、選手交替をお知らせ致します。ピッチャー、鎌ヶ谷君に替わりまして、川山君』
この後川山は奈町打線を3者凡退に打ち取るが、絶好調の軽沢相手に12点取れるかと言われたら自信はない。
『1回裏、加美高校の攻撃は、1番、センター、明智君』
さあ、反撃開始。
短くてすいません