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袖に縋る爪痕は…

作者: 秋灯
掲載日:2026/03/17

 

「袖に縋る爪痕は」

硬いアスファルトを踏みしめて…

硬いアスファルトを踏みしめて…

心臓を握って歩く歩く

目の縁を腫らして

前へ、前へ、

軽いはずのからっ風

僕の周りで重くなる

泣き叫ぶ声がする

誰もいないはずの夜道にて

ふとした時に気付いた影

何のために歩み進める…

そう泣き叫ぶ声がする

袖に縋るその声は

誰のものかも分からない

おかしい…そうは感づいているけれど

ぐしゃぐしゃの心臓を握りしめて…

くらい道を踏みしめて…


「悲鳴合奏」

雨の日は怖い…

聴こえるはずない声がする

何も無いものと目が合って

思わず目をギュッと瞑った…

ドアの軋む高い音

四肢のもげた雨の音

射抜かれ続ける土の音

そこから漏れ出る香りが回る

削がれ続ける魚の鱗

頭に悲鳴が注がれる…









 読んでいただきありがとう御座います。昔は雨が好きでした。青空の日とは違った生き物になったみたいだったんです。小さな小さな微生物になった気がしていたんです。雨の日の世界は海の中で、雨は海の一粒。私はその一粒を握ることができる。そう思っていた時期があったんです。まぁ…子供ですから…とはいっても、当時はもう小1でしたけどね笑。数少ない娯楽の一つだったものですから。

 それがだんだん、苦しいものに思えてきて、自分を疑ってしまう。どうしてこうなったのだろうか。もし引き返すとしたら何処まで引き返す?そもそも、引き返す事なんて、もうできないのかもしれない。自分はそれを許さないかもしれない。

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