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路地裏の出会い

 街に入った蓮は、真っ先に鉱物を扱う商店へ向かった。


「これ、買い取ってもらえますか?」


 差し出したミスリル鉱石を見た瞬間、

店主の目が見開かれる。


「‥‥あんた、これどこで見つけたんだい?」


「え、拾いました」


「拾った!?冗談だろ‥こんな高重度なミスリル、普通は鉱山でも出ねぇぞ」


鑑定士まで呼ばれ、店内がざわつく。




「‥‥全部で金貨三百五十枚だ。

 いいか?こんな物、あんまり人前で出すんじゃない」


「は、はい‥‥‥」

袋に詰められた金貨の重みが、現実感を伴って腕に伝わる。





「さてっと‥‥‥当面の資金はなんとかなったし‥‥どうしようかな?」


街を歩きながら呟いた、その時。


(‥‥‥‥‥‥気のせい、じゃない)


角を曲がる。

足音がついてくる。


さらに路地へ入った瞬間ーー

蓮の前に二人組の男が立ち塞がった。



「兄ちゃん、ここいらじゃ見ない顔だな〜」


ニヤついた男が、品定めをするように蓮を眺めまわす。


「格好も変だしよ。

‥‥‥ああ、もしかして"今日この街に来たばっか"か?」


「えっと‥‥‥それが何か‥‥‥‥?」


「ははっ!当たりか!そりゃあカモだわなぁ!!!」


もう一人が金貨袋の音を真似るように指を鳴らす。


「さっき鉱物屋で見てたぜ。

 兄ちゃん、相当いいモン売ったろ?」


(見られてた‥‥‥…!)


「金貨持ったままフラフラ歩いてんのはなぁ‥‥‥‥‥

 命しらずか、世間しらずか、どっちかだ!!」



男は一歩近づき、低い声で囁く。


「安心しな。金だけ置いてけば、指一本はとらねぇからよ」


(いや、普通に怖ぇ‥‥‥‥!)


後ずさった瞬間ーー




「そこまでだよ!」


鋭い声と共に、剣が一閃。

盗賊の一人が一瞬で地面に転がった。


「ひぃいぃいい!!」


片一方の盗賊が、倒れた仲間を抱えて逃げるように去って行った。





「兄さん、そんな大金持ってフラフラしてたら狙われるよ?」


短く切った髪、軽装の女冒険者が腕を組んで立っていた。


「ですよね〜‥‥‥‥‥」


「見るからに弱っちぃし。

 護衛か何か、つけた方がいいんじゃない?」


「護衛か‥‥‥‥」


(確かにこのままだとまた狩られる可能性があるな‥‥‥)


「護衛を雇うにはどうしたらいいですか?」


「う〜ん‥‥‥雇うのは簡単だけど‥‥正直言って高いよ?

 冒険者や憲兵を雇う人はいるけど、ほとんどが貴族やお金持ちの商人ぐらいかな」


(それはなかなかハードルが高いな‥‥‥‥護衛‥‥‥‥)


その時、蓮の脳裏にふと浮かぶスキル名。


*****************


<人身売買>


*****************


(あ‥‥‥‥!!!奴隷を護衛にするのは、ありでは!?)


「あの‥‥‥この街って‥‥‥奴隷商ってあります?」


女冒険者は少しだけ眉を上げた。


「でも気をつけた方がいいよ。ピンキリだから」




そう言って蓮は奴隷商に向かうことになる。




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