王太子殿下から婚約破棄された侯爵令嬢は小公爵様の愛に応えたいようです?03(サマンサ視点)
私はミア様を励ました?後、診療施設の掃除手伝いを終え、バケツと雑巾をもって領地邸までの道をとぼとぼと歩いております。
ええ、原因は判っておりますわ。
『お互いの一方通行な思いで済ませたい訳ではないのでしょう?』
私はヒューゴ様にぷ、プ、プロポーズ…をされた訳ですけれども、そのヒューゴ様の事は嫌いではないですし、今までも親切で頼りになって…むしろ良い気持ちがある方だとは思うのです…。
ですが…ですがヒューゴ様が私にプロポーズしてくださったような気持ちと同じ気持ちを私がヒューゴ様に抱いているかというと…どうなのでしょう、自信がありませんわ…。
「お互い、一方通行な思い、ですか…。」
お互い嫌いではないし、むしろ好意的感情はあるのだと思いますが、アンソニー殿下とかつてのマイア…ミア様もお互い好意を持ち合っていたわけですし…勿論ミア様がご自身の事情を隠していた…つまびらかにしなかったという点もあるでしょうし、何よりもその時は私がアンソニー殿下の婚約者でしたからアンソニー殿下だって踏み込んだことは言えなかったでしょうし、ましてや行動などできなかったでしょうし。街への勝手なお出かけはともかくとして、ですわ。
その結果、さまざまな思惑が絡み合っていたとはいえ、学院の卒業祝賀会という晴れの舞台で、王家の定めた許婚である私との婚約破棄にまで暴走されてしまったわけですけども。
「アンソニー殿下は不器用なお方ですわね…。って、それは私もですわね。」
誰とはなしにそう呟いて、掃除道具を握り締めながらてくてくと小道を歩いて領地屋敷に戻ると、丁度ヒューゴ様が帰館されたご様子でした。
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