幕間3 受付+αのちょっとした雑談
久しぶりの幕間(`・ω・´)
ルイが主人公なので当然と言えば当然ですが……
主人公を外した受付三人の雑談(+α)は初めてですね。
円卓があった。
四人が座っていた。
そのうちの三人は、受付――ルナーク、リック、クラリスだった。
最後の一人は、涼しげな顔立ちの銀髪の男性だった。
男性の正面に座っているのはルナークだった。
男性は口を開いた。
「志願者は何人だったのかな?」
「青銅階位が317名です。ギルド長。」
ルナークが答えると、ギルド長と呼ばれた銀髪の男性は苦笑した。
「我らがギルドの冒険者たちは、士気が高いじゃないか。」
「哨戒の依頼への参加数と言い、なんだかんだと人がいいですからね。」
苦笑したルナークに、ギルド長は肩をすくめた。
「ああ、愛すべき仲間たちだよ。――では、私たちは人の悪い話をしようか。」
「せずに済むならば、それに越したことはないのですが。」
ルナークが片目を瞑ると、ギルド長は言った。
「そうだね。――さて、今回の要請、どう考える?」
「手の込んだ大規模合同演習――というと、さすがに王国全土を騒がせたにしては茶番が過ぎるので、恐らくは――変異種の台頭あたりかと考えます。」
ルナークの言葉に、ギルド長はうなずいた。
「概ね同感だね。もっとも、王国が明言しない以上、推し量るしかないけれど。」
「とはいえ、変異種と一口でいいましたが――要するに、良く知られている小鬼の類型から逸脱している個体だというだけなので……」
ルナークが苦笑すると、ギルド長は肩をすくめた。
「そうだね。単純に強靭な個体、卓越した知能を持つ個体、神性に喩えられる高い統率能力を誇る個体、などなど――つまり、情報が足りない。」
「予断を持つことをあえてするならば、統率能力の類かとは推察しますが。」
ルナークが肩をすくめると、ギルド長はうなずいた。
「同感だね。個で完結する特性ならば、王国全土に小鬼の動きを警戒させたことと結びつかないからね。」
「ギルド長。――最終的には、ギルドが請け負うお考えですか?」
そうたずねたルナークに、ギルド長は苦笑した。
「できれば、今回の要請で片が付くことを願っているよ。」
「承知しました。――それでは、目下の話をしましょう。リックくん?」
ルナークがリックに顔を向けると、リックはうなずいた。
それから、ギルド長に言った。
「それでは、総指揮を担当する僕から要求をお伝えしますね。」
ギルド長が静かにうなずくと、リックは続けた。
「白銀階位を39名、同行する刻印技術士を3名、感応術師を僕の補佐に1名、イースの大森林近隣の街への食糧と武具運搬の手配、連絡も兼ねて七日に一回。」
「な、なかなか容赦がないね……とりあえず、白銀の内訳から聞こうか。」
引き気味のギルド長の問いに、リックはうなずいた。
「いわゆる連隊的な編成です。僕の下に3人。その3名に3名ずつで9人。その9人が3名ずつで27人。その27人の各々が、青銅の4人編成を3組指揮します。」
「――冗長ではないかな?317名ならば、一階層減らせそうだけどね?」
ギルド長が苦笑すると、リックは首を横に振った。
「僕の自由度の最大化が第一です。それから、経験の蓄積と、予備戦力です。」
「口を挟みますが、王国との折衝はぼくが。冒険者ギルドは軍隊ではありません。この規模の作戦への対応などそもそも無茶です。その文脈で交渉しましょう。」
ルナークがそう言うと、ギルド長が肩をすくめた。
「財政的には頼もしいが、やり込めないでやってくれよ。」
「心得ております。その場の優越のために、禍根を残す愚は犯しません。もしも、やり込めるのであれば、それは止めを刺すときだけです。」
そう答えたルナークにうなずくと、ギルド長はリックに顔を向けた。
「残りについては、感応術師を除いて手配しようか。」
「承知しました。じゃあ、ルナーク、代わりにお願い。」
リックがそう言うと、ルナークは肩をすくめた。
「はいはい。前線との情報共有は軍用の機構がないと手に負えないけど――リックくんが俯瞰する程度の索敵なら何とかするから任せてよ。」
「頼りになる上司を持つと仕事が楽でいいなぁ。」
そんなリックとルナークをしり目に、ギルド長はクラリスにたずねた。
「クラリス、君の意見は?」
「ありません。白銀にしても、黄金にしても、要求される統率能力は複数の編成をまとめれば十分。それを超えた規模について、私は口を出せませんから。」
クラリスはそう言い切って一息置くと、続けた。
「――ただ、ルナーク君とリック君が受付にいないと受付が困りますね。――臨時で2名の応援をお願いします。」
「2名でいいのかな?」
ギルド長が首をかしげると、クラリスは微笑した。
「エテルナ冒険者ギルドの受付の仕事は、数だけを増やしてどうにかなるものではありませんから。」
ギルド長が出てきました。
まあ、名前を出す必要がなかったので出しませんでしたが。
できるお兄さん、あるいはおじさまです(`・ω・´)




