幕間2 自称雅客と暴君(?)と
秘密の話ができるお店って、大事です。
まあ、ノエルとルナークですから。
世間話に、ちょっとした裏話が混ざるくらいです(`・ω・´)
ルイとノエルが竜の討伐を報告した日の夜――
ルナークとノエルは個室で食卓を囲んでいた。
個室というよりも、会食室と呼ぶべきかもしれない。
その部屋の壁際に掛けられている絵画、隅に置かれている調度品。
それぞれの前に置かれた皿の上に、厚切りの肉。
二人は慣れた手つきで、黙々と肉を切り分けては口に運んでいた。
ルナークが皿の上に食器を置くと、口を開いた。
「ノエルさん。――ルイくんは、どれくらい動けました?」
ノエルも食器を皿の上に置いて、目を細めた。
「期待を100点としたら、150点だね。」
「つまり、想定を大いに上回った、と。」
ルナークが微笑すると、ノエルはうなずいた。
「基礎能力は上出来、地頭もいいし、弁えているけど闘争心もある。」
「もう、べた褒めですね。」
満足そうに微笑するルナークに、ノエルも微笑して返した。
「おまけに芯があって可愛い――いや、変な意味じゃないからね?」
「ぼくは理解があるつもりなので。」
ルナークがにべもなく言うと、ノエルは咳払いをした。
「わざと言ってるよね……?だけど、大事だよ?目的意識も、好かれるのも。」
「後者は人によるかと。ぼくも好ましいとは思っていますが。」
ルナークが片目を瞑って苦笑すると、続けた。
「それに、当面の目的意識はノエルさんが与えてくれましたし。」
「どういうことだい?」
ノエルが首をかしげると、ルナークは微笑した。
「ルイくんは階位を上げることを目標とするでしょうね、という意味です。」
「ああ、なるほどね。」
ノエルが目を細めながら相槌を打つと、ルナークは苦笑した。
「もっとも、短期的、あるいは外的動機と呼ぶべきものだけですが。」
「もう一つは、そもそも他人が口出しすることじゃないからね。」
ノエルが肩をすくめると、ルナークはうなずいた。
「ええ、おっしゃる通りです。――とはいえ、いい素材を見つけると、いろいろとちょっかい……ではなくて手を掛けたくなるものでして。」
「潰すのはやめてくれよ?」
苦笑するノエルに、ルナークは肩をすくめた。
「心外な。――むしろ、実績はあるつもりなんですがね。」
「確かに。――ルナーク君は、ひいきは露骨だけど、そこは外さないからなぁ。」
ノエルがそう言うと、ルナークは苦笑した。
「受付機能そのものは、公平にやっているつもりですがね。」
「文句を言えないところがたちが悪いなぁ。」
ノエルは肩をすくめて、一息ついた後で続けた。
「僕が注文をつけるのは筋違いだけど、竜を相手に、決定打あるいはそれに準じる手札を持ってる――それくらいは欲しいところかな。」
「なるほど、それでは然るべく検討しましょう。」
ルナークがそう言って微笑すると、ノエルは目を丸くした。
「え?――いや、結構な注文だと思うんだけど……」
「槍術か、黒魔法か――まあ、なんらかの育成者を手配しましょう。」
ルナークはそう言うと一息ついて、それから続けた。
「まあ、当面は依頼を順調にこなしていくかと思いますが。」
そして、ルナークは再び食器を手に取って、厚切りの肉に刃を入れた。
ノエルもうなずいて、食器を手に取った。
二人は再び、黙々と切り分けた肉を口に運び始めた。
親密とまでは言いませんが、そこそこ軽口を叩ける間柄の二人。
「潰さないでよ?」なんて、現実ではデリケートすぎて口が裂けても言えませんね(ーー;)




