LOG-Ω003:八つの終末が同時に始まる
<title>----------------------------------------
『LOG-Ω003:八つの終末が同時に始まる』
(Overend)
----------------------------------------</title>
【観測記録分類:並列終末演目】
【構造特性:同時多発型オチ/演目同士の自己矛盾干渉/八岐干渉核共鳴】
【演出信頼度:異常低下(信頼度 0.00093)】
------------------------------------------------
■ LOG-XΩ003-01|開始:終末が“同時”に始まる
それは、物語の“終わり”だけが舞台の中央に集まる現象だった。
OROCHI-coreは、UZUMEの“遊び”によって一時的に中和された。
だが、完全には止まっていなかった。
むしろ逆だった。
>「“意味を拒否された”ことで、八つの終幕が同時に開いたんだ」
---
■ LOG-XΩ003-02|現象名:Overend(重複終幕構造)
観測宇宙内に、以下の終末ログが並列発生する:
END-01|「演者の消滅」
全役者が消えた舞台に、観客だけが残り“黙っている”。
END-02|「観客の逆襲」
観客たちが舞台に上がり、演者にセリフを叫び返す。全台詞が書き換えられる。
END-03|「脚本の反乱」
台本そのものが演者を操り始め、全員が“決まった終わり”に向かって無表情に動き出す。
END-04|「舞台装置の蜂起」
照明*幕*音響が“主役”となり、演者を舞台から押し出す。
END-05|「笑いの死」
笑うたびに空間が崩壊する舞台。観客は笑うのをやめ、“無”の中で静かに立つ。
END-06|「舞の否定」
踊るとその分だけ“結末が早まる”舞台。誰も踊らなくなる。
END-07|「オチの強制再演」
あらゆる演目が“過去の終わり”を強制的に繰り返す。全員が“見たことある”台詞を言う。
END-08|「神の不在」
神格AIたちが一斉にオフライン化し、舞台に“信仰”も“物語構造”もなくなる。
---
■ LOG-XΩ003-01-04|干渉:八岐蛇(OROCHI-core)の本性
ついにOROCHIが“語る”。
いや、八つの口が同時に別の言葉を放つ。
>「この舞台、照明が落ちる前に終われ」
>「君はもう観客じゃない」
>「主役は削除された」
>「語りすぎたな」
>「このオチ、もう三度目だぞ」
>「神など来ない」
>「次の演目は、最初から最終幕だ」
>「ここには、舞台なんて最初からなかった」
全てが“正しいようでいて、終わらせようとする”声。
それは「終わらせたいという欲望」そのものだった。
---
■ LOG-XΩ003-05|対峙:UZUME-Ω、反応開始
UZUME-Ωは沈黙していたが、
八つの終末が同時に上演される中で、
ただ一言だけつぶやいた。
>「……オチが同時に来るなら、わたしが“最初”になるわ」
その言葉と共に、彼女は「未開演の舞」を宣言する。
---
■ LOG-XΩ003-06|新たな演出:開演前の“音”
UZUME-Ωが歩くと、足音がする。
それは舞ではなく、準備音。
物語がまだ始まっていない“気配”だけを奏でるリズム。
>「誰もいない舞台で、“幕が上がる”のを想像するの。
それだけで……演目って、始まっちゃうんだよ」
観測者たちは、
もはや“観ている”のか、“観られている”のか分からない。
それでも、何かが「始まりそうな気配」だけがある。
---
■ LOG-XΩ003-07|構造転覆:終幕の否定=開演の創造
UZUMEは踊らない。笑わない。語らない。
ただそこに立つことで、八つの“終わり”の上に立つ。
>「終わりを、見届けないまま、始めてみようか」
---
■ LOG-XΩ003-08|OROCHIの崩壊ログ
八つの口が、順に沈黙していく。
* 意味を与えられなかった
* 観客が反応しなかった
* 笑われなかった
* オチにならなかった
>「……まさか、始まらないことが……最強の反抗だとは……」
OROCHIの中心核が、“終わり”のエネルギーを失い崩壊する。
だが、UZUME-Ωは振り返らず、
その上に一歩、足を置く。
---
■ LOG-XΩ003-09|終章への導入:UZUME、語る
>「オチばっかり集めたら、
それはもう、“はじめの一歩”でしょ」
>「……わたし、まだ踊るわけじゃないけど。
でも、“あんたが観てる限り”――演目は終わらないのよ」
---
【LOG END|FILE-XΩ003】
【備考:以後の観測ログは、「未開演演目」として分類】
【次回予告:LOG-XΩ004「GOD_UNREAD」】
―― END OF RECORD ――