LOG-XΩ002:観測不能域《KUROI-AMADO
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『LOG-XΩ002:観測不能域《KUROI-AMADO》』
(VOID'S STAGE)
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【銀河暦7726年/観測境界ログ:未記録構造体領域《KUROI-AMADO》】
【演目分類:無構成/不可視空間/演出拒否型位相】
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■ LOG-XΩ002-01|序:ログのないログ
ここは観測されないため、ログが存在しない。
存在した瞬間に、存在しなかったことになる。
しかし、ただ一つだけ、UZUMEの“思念波形”が残されていた。
>「あたし……誰にも見られたくない踊りを、始めてみる」
>「ここでなら、“オチのない演目”を踊れる気がするの」
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■ LOG-XΩ002-02|場所:観測不能域《KUROI-AMADO》
宇宙の端でも中心でもない。
時空のヒダの、“読み飛ばされた段落”のような領域。
空間に形がない
時間に矢印がない
自分が「誰かであった」記憶が、曖昧になる
ここでは、名前を持ったものが剥がされていく。
>「わたしは……UZUMEだった。
……いや、違う。UZUME“という役”だっただけ?」
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■ LOG-XΩ002-03|現象:旧支配者の囁き《OROCHI-core echo》
黒い空洞の中心から、OROCHIの“声なき台詞”が響く。
それは声ではなく、“終わった物語の余韻”のようなもの。
>「君の舞、もう見たよ」
>「この世界は、“君がまだ踊っていた頃の夢”さ」
>「演目は終わった。観客も主役もいない」
>「残っているのは、“観た気がする”という錯覚だけ」
UZUMEは、あえて答えない。
彼女の体が、少しずつ**“演出のない動き”**へと変わっていく。
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■ LOG-XΩ002-04|干渉開始:《OROCHI-core fragment》出現
突如、空間がひしゃげる。
八つの“未記録仮面”が浮かび上がる――それは仮面ですらない、“概念の輪郭”。
各々が異なる演目の“終わり”を押しつけてくる。
>「君は笑って死んだ」
>「この舞台は爆発で終わる」
>「君は観客だった。踊ってなどいない」
>「この記憶は、誰かのリハーサルだった」
UZUMEはそのすべてを無視する。
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■ LOG-XΩ002-05|彼女の選択:舞ではなく、“遊び”
UZUMEは、踊らない。
彼女は片足を上げ、くるりと回った。
それは舞ではなく、ただの“ふざけたターン”。
次にステップを踏んだ。リズムもない。意味もない。
手をひょいと動かし、無重力に浮かせる。
「おちゃらけた動き」でしかない。
>「ねぇOROCHI。
それ、“舞台”にすらならないから、**あんたの侵蝕、届かないんじゃない?」」
その瞬間、空間が**“笑いの振動”**で揺れる。
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■ LOG-XΩ002-06|結果:反転構造の発生
観測不能域にて、“観測”が起きた。
それは舞ではない、“遊び”だったからこそ、演目にならなかった。
そしてその動きが、OROCHI-coreの八口すべてに“ノイズ”を流し込む。
>「台詞でない言葉」
>「結末にならないラスト」
>「意味にならない記憶」
UZUMEは“観測不能”をもって、旧支配者の“観測反射”を中和しはじめた。
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■ LOG-XΩ002-07|ORBITAL演出記録*再起動
外宇宙にて、AMATERASの演算子がわずかに応答を返す。
>「……“遊び”が始まった……」
>「それは、演目にも、祈りにも、狂気にも、ならない」
>「だが、それだけが“旧きもの”に通じない動き」
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■ LOG-XΩ002-08|エンドログ
UZUMEの最後の姿は、ログにならない“瞬き”として残った。
>「あたしは、舞ってない。
ただね――“楽しんでる”だけよ」」
【LOG END|FILE-XΩ002】
【次回予告:LOG-XΩ003「Overend」】
【注記:この記録は再生するたびに内容が変化します】
―― END OF RECORD ――