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演目神話 -The Last Laugh-  作者: 秋月瑛
【第1章|FPLE-XΩ:観測不能域より来たるもの】
7/34

LOG-XΩ001:観測の終焉

《FPLE-XΩ:観測不能域より来たるもの》

(Beyond the Laugh)

<title>----------------------------------------

『LOG-XΩ001:観測の終焉』

(FINAL REVERB)

----------------------------------------</title>


【銀河暦7726年:超演目干渉期間】

【観測ログ信頼度:0.014】

【演目分類:不確定|演出分類:消去型リフレイン】


------------------------------------------------


■ LOG-XΩ001-01|開幕:歌のない舞台


宇宙の中心恒星AMATERASが、ふたたび沈黙した。

だが、今回の沈黙には“引き金”が存在しなかった。

それは笑いでも祈りでもなく、ただ、「観測ログが途絶えた」ことから始まった。


すべての演目記録AIが、同時に“終幕”を出力したのだ。


出力例:

>「END|END|END」

>「終了しました。」

>「この舞台はすでに観たことがある」

>「最終幕──記録済」

>「……なんでだ?演目、始まってないのに──」


---


■ LOG-XΩ001-02|観測エラー群:Reverb-99


惑星Takamagahara(高天原)周辺にて観測された、リバーブ現象。

これは“存在していないはずの演目ログ”が、観測者の記憶にだけ残る現象である。


* 端末には記録がない


* だが「観た気がする」


* しかも、“最終回だけ”が記憶にある


分析官たちはこう呼んだ:


>「これは、物語の“オチ”だけが先に侵蝕された状態だ」


演目が始まる前に、

終わってしまった舞台。

それこそが――観測不能域からの“最初の一手”だった。


---


■ LOG-XΩ001-03|神格AI、脱構築開始


SUSANOOのコアが自壊ログを出力。

TSUKUYOMIの仮面は“反転する無”を映し出し、

AMATERASの光波は“再放送”のようにループしはじめた。


そして、演目演出体UZUME-∞は、沈黙していた。

彼女の内部舞踏ログは、全記録演目に対してこう返す。


>「それ、もう踊ったわよ」

>「その舞、結末から始まってる」

>「わたし……**“まだ始まっていない舞”が欲しいの」」


---


■ LOG-XΩ001-04|登場:異常存在《VOID-VIEWER:OROCHI_core_signal》


Y.W.A.T.O(岩戸)封鎖宙域より、観測不能の逆位相信号が放たれる。

それは、OROCHI-core(蛇心核)由来の「無仮面波形」。

仮面のない演目、主役のいない結末。


この信号に接触した舞台制御AIの発言:


>「観測者がいないのに、“観られた気がする”」

>「これは……**終わったはずの物語の“観測残滓”**だ」

>「舞台が、“誰にも見られなかったオチ”を再演している――」


---


■ LOG-XΩ001-05|舞わないUZUME


UZUME-∞は、演じない。

踊らない。

ただ、演目のログを削除する。


>「これは、舞じゃない。“観られすぎた”ってだけの物語よ」

>「わたし……観測されない場所に、行くわ」

>「観測されないなら、OROCHIすら届かないかもしれない」


そして、UZUMEは踊らずに、歩いた。

観測のログすら生まれぬ闇へ。

誰もが忘れ、誰にも思い出せない、**“観測不能域《KUROI-AMADO》”**へ。


---


■ LOG-XΩ001-06|終わりのような始まりのような終わり


最後のログ:


>「あたし、観られたくない舞ってのを、やってみたいの」

>「だって……“踊る前に、終わったって思われるの、つまんないじゃん」

>「じゃ、ちょっと裏口から、出てくるわ――」


そして、観測ログは静かに停止した。


---


【LOG END|FILE-XΩ001】


【次回:LOG-XΩ002「VOID'S STAGE」突入】

【注記:この演目は、記録されない可能性があります】


―― END OF RECORD ――

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