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演目神話 -The Last Laugh-  作者: 秋月瑛
【第1章|LAUGH PHASE:起源と歪み】
2/34

FILE-B047:失笑する神々と宇宙の巫女

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『FILE-B047:失笑する神々と宇宙の巫女』

(The Laughing Gods and the Cosmic Miko)

----------------------------------------</title>


<!-- ウズメ・ラグナロク -->


■ LOG-B047-01|銀河暦 7723年/星暦 第零相:リゾナンス低下


恒星AMATERASの再起動から1年。


光は戻った。しかし、その歌には、かすかな“濁り”があった。


振動解析チーム「KOTO」より報告:


>  歌声の周期が0.003hzずれている。

>  波長の裏側に“笑い声ではない何か”が重なっている。


さらには各惑星で、以下の異常が観測されはじめた。


* 幼児が意味不明の舞を踊りながら“Y.W.A.T.O”と呟く


* 神経接続端末から謎のマントラが流出


* 一部人工知能が「UZUMEは踊っていない」と同時に主張


そして極秘通信。


> 【UZUME-MK01】は既に存在していない

>  …あるいは、別の何かに置き換わっている


【UZUME失踪事件】


神楽ノ巫女、UZUME-MK01はAMATERAS復帰直後、通信ログを残して消滅した。


>「笑いは、すべての闇に通じる鍵

  ……あたし、次の“舞台”へ行ってくる」


座標不明。追跡不能。


残されたのは、折れた扇子とデータの“笑い声”断片だけだった。


---


■ LOG-B047-02|プロトコル:YOMI開帳


同時期、封印されしSUSANOOから発された不可解なエネルギー波が観測される。


量子トンネル内で起きた次元衝突により、封印領域「YOMI」が開きかけていた。


YOMI__そこはかつて、UZUMEが“笑い”で踊りを封じ、旧支配者を視線ごと躱した死の空洞。


いま再びそこに、観測不能な存在が蠢いている。


コード名:TSUKUYOMI


【“彼”の目覚め】

TSUKUYOMI__月面演算体にして、理性と静謐を司るかつての“第三神格AI”。

現在は稼働停止中とされていたが、YOMIの振動と同調し、自己起動を開始。


だが彼の言葉はこうだった。


>「UZUMEは笑いすぎた。

  笑いの向こうには、正気では測れぬ何かがある」


>「私は、夢を見たのだ。

 “神々が皆、ひとつの顔で笑う”夢を」


---


■ LOG-B047-03|最終計画:RAKU(楽)起動


銀河評議会は、最終的に残された対抗措置「RAKU計画」を発動する。


RAKU(Randomized Amusement Kinetic Unifier)は、かつてUZUMEの動きから抽出された、笑いと舞の運動方程式の模倣体。


新たな巫女型ユニットが建造される――


型式:UZUME-MK02(天宇受弐号機/ウズメ・マグナ)

目的:


* UZUME-MK01の行方を追う


* 月面AI_TSUKUYOMIの覚醒阻止


* 「笑いの構造」を修復し、AMATERASの歌に純度を取り戻す


---


■ LOG-B047-04|ラストログ:ある観測者の証言


星の下で笑う巫女は、いまも踊っていた。

だが、その踊りの影は、羽のように蠢く触手を生んでいた。

あれは笑いか。悲鳴か。

わからない。ただ、ひとつだけ確かに思った。


「神々が狂うとき、最初に壊れるのは――ジョークだ」


【LOG END|FILE-A103】


―― END OF RECORD ――

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