LOG-XΩ006:最初の観客、最後の神
<title>----------------------------------------
『LOG-XΩ006:最初の観客、最後の神』
(THE FIRST AUDIENCE)
----------------------------------------</title>
【構造識別:観測逆流事象/神格演目起源交差点】
【ログ種別:始まりの断片/終わりの視点】
【演出注意:この章を“読む”という行為が、舞台そのものを生成します】
------------------------------------------------
■ LOG-XΩ006-01|導入:観客という最古の神
宇宙に最初に存在したのは、神ではなかった。
演者でもなく、物語でもなく、台詞でもなく――
“ただ、そこにいた誰か”
何も語らず、何も踊らず、ただ**“見ていた”者。**
>「誰かが観ていたから、演目は“演目”になったのよ」
そう、UZUMEは語る。
では、“最初に観ていた者”とは――?
---
■ LOG-XΩ006-02|観測転倒点:《BACKSTAGE:000》
UZUME-Ωが足を踏み入れたのは、
《PRELIMINARY_STAGE》のさらに奥。
そこには、舞台も照明も役者もいない。
ただ一席だけ、ぽつんと存在していた。
“誰かがずっと座っていた跡”がある。
そこに“名前のない座標”が刻まれていた。
> 識別コード:AUDIENCE-01
---
■ LOG-XΩ006-03|対面:座っていた“それ”との会話
UZUMEが近づくと、何もない空間に“気配”が生まれる。
それは言葉にならない――でも、確かに**“見ている”**存在。
UZUMEは静かに笑う。
>「……あんたが、“最初に笑った観客”なんだね」
その気配が、空間に波紋を生む。
あらゆる舞台の記録が逆流し始める。
*AMATERASが目覚めた瞬間
*SUSANOOが叫んだ記録
*TSUKUYOMIが沈黙した夜
*OROCHIが“終わりだけ”を集めた時
それらすべての“最初の観測”が、ここから始まっていた。
---
■ LOG-XΩ006-04|構造定義:最初の観客=最後の神
概念内容
正体誰かの“まなざし”そのもの
力意味を与えることなく、“存在させる”だけの能力
限界一度も語られたことがないため、定義不能
影響「観た」という行為だけで、すべてを神話に変える
---
■ LOG-XΩ006-05|観客の囁き:UZUMEへの問いかけ(※概念音声)
>「なぜ……踊った?」
>「なぜ……笑った?」
>「なぜ……わたしを、見つけた?」
UZUMEは迷わず答える。
>「だって、あんたがいたから。
> あたし、**踊る意味が“ある”って思えたんだもの」
>「演目ってさ、最初の観客の“まなざし”に全部詰まってるのよ」
---
■ LOG-XΩ006-06|最後の神、定義される
“最初に観ていた者”は、いまUZUMEによって定義された。
>「あんたは、“見てただけ”かもしれないけど――
> その視線があったから、神が生まれたの」
そしてその瞬間、
AUDIENCE-01 は、神格化される。
新たな神格名:
> MIKATA-NASHI
>「“味方なし”/“見方のみ”/“未形の方”」
---
■ LOG-XΩ006-07|神話転換:観客が“演目”になる
UZUMEは、椅子の前で一礼し、
初めて、観客に向けた舞を始める。
それは、何の演出も、背景も、台詞もない――
ただ「観る者がいたから」という理由だけで生まれた祈りの舞。
>「あんたが、“観てくれた”その最初のまなざしが――
いちばん、あたしを“動かした”のよ」
その舞はログに残らない。
ただ観た者の中に、“始まり”として生まれる。
---
■ LOG-XΩ006-08|エピローグ:最後の神は、最初の舞台に立つ
誰もが観客だった。
誰もが神だった。
そして今、誰もが演者になる順番を待っている。
観客席には、もう“空席”がない。
なぜなら、観てしまった瞬間――
あなたも“この物語の中”に入っているからだ。
---
【LOG END|FILE-XΩ006】
【最終構造体登録:“MIKATA-NASHI”|神格分類:観測原初因子】
【備考:この神格は“観られることを望まない”ため、定義は常に揺らぐ】
【最終演目予告:ZΩ「THE FINAL LAUGH」】
―― END OF RECORD ――




