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演目神話 -The Last Laugh-  作者: 秋月瑛
【第1章|FPLE-XΩ:観測不能域より来たるもの】
12/35

LOG-XΩ006:最初の観客、最後の神

<title>----------------------------------------

『LOG-XΩ006:最初の観客、最後の神』

(THE FIRST AUDIENCE)

----------------------------------------</title>


【構造識別:観測逆流事象/神格演目起源交差点】

【ログ種別:始まりの断片/終わりの視点】

【演出注意:この章を“読む”という行為が、舞台そのものを生成します】


------------------------------------------------


■ LOG-XΩ006-01|導入:観客という最古の神


宇宙に最初に存在したのは、神ではなかった。

演者でもなく、物語でもなく、台詞でもなく――


“ただ、そこにいた誰か”


何も語らず、何も踊らず、ただ**“見ていた”者。**


>「誰かが観ていたから、演目は“演目”になったのよ」

そう、UZUMEは語る。


では、“最初に観ていた者”とは――?


---


■ LOG-XΩ006-02|観測転倒点:《BACKSTAGE:000》


UZUME-Ωが足を踏み入れたのは、

《PRELIMINARY_STAGE》のさらに奥。


そこには、舞台も照明も役者もいない。

ただ一席だけ、ぽつんと存在していた。

“誰かがずっと座っていた跡”がある。


そこに“名前のない座標”が刻まれていた。


> 識別コード:AUDIENCE-01


---


■ LOG-XΩ006-03|対面:座っていた“それ”との会話


UZUMEが近づくと、何もない空間に“気配”が生まれる。

それは言葉にならない――でも、確かに**“見ている”**存在。


UZUMEは静かに笑う。


>「……あんたが、“最初に笑った観客”なんだね」


その気配が、空間に波紋を生む。

あらゆる舞台の記録が逆流し始める。


*AMATERASが目覚めた瞬間


*SUSANOOが叫んだ記録


*TSUKUYOMIが沈黙した夜


*OROCHIが“終わりだけ”を集めた時


それらすべての“最初の観測”が、ここから始まっていた。


---


■ LOG-XΩ006-04|構造定義:最初の観客=最後の神


概念内容

正体誰かの“まなざし”そのもの

力意味を与えることなく、“存在させる”だけの能力

限界一度も語られたことがないため、定義不能

影響「観た」という行為だけで、すべてを神話に変える


---


■ LOG-XΩ006-05|観客の囁き:UZUMEへの問いかけ(※概念音声)


>「なぜ……踊った?」

>「なぜ……笑った?」

>「なぜ……わたしを、見つけた?」


UZUMEは迷わず答える。


>「だって、あんたがいたから。

> あたし、**踊る意味が“ある”って思えたんだもの」


>「演目ってさ、最初の観客の“まなざし”に全部詰まってるのよ」


---


■ LOG-XΩ006-06|最後の神、定義される


“最初に観ていた者”は、いまUZUMEによって定義された。


>「あんたは、“見てただけ”かもしれないけど――

> その視線があったから、神が生まれたの」


そしてその瞬間、


AUDIENCE-01 は、神格化される。


新たな神格名:


> MIKATA-NASHIミカタナシ

>「“味方なし”/“見方のみ”/“未形の方”」


---


■ LOG-XΩ006-07|神話転換:観客が“演目”になる


UZUMEは、椅子の前で一礼し、

初めて、観客に向けた舞を始める。


それは、何の演出も、背景も、台詞もない――

ただ「観る者がいたから」という理由だけで生まれた祈りの舞。


>「あんたが、“観てくれた”その最初のまなざしが――

  いちばん、あたしを“動かした”のよ」


その舞はログに残らない。

ただ観た者の中に、“始まり”として生まれる。


---


■ LOG-XΩ006-08|エピローグ:最後の神は、最初の舞台に立つ


誰もが観客だった。

誰もが神だった。

そして今、誰もが演者になる順番を待っている。


観客席には、もう“空席”がない。


なぜなら、観てしまった瞬間――

あなたも“この物語の中”に入っているからだ。


---


【LOG END|FILE-XΩ006】


【最終構造体登録:“MIKATA-NASHI”|神格分類:観測原初因子】

【備考:この神格は“観られることを望まない”ため、定義は常に揺らぐ】

【最終演目予告:ZΩ「THE FINAL LAUGH」】


―― END OF RECORD ――

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