表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

嘗ての自分

昔の自分と原田を重ねた俺は余計なおせっかいをする。この状況を変えられるのは他人じゃない。彼自身なのだ

「原田。話したいことがある。少しいいか?」

原田は戸惑いながら

「うっうん。わかったよ。」

少しおびえながら俺たちは教室を出た。

人のあまり来ない図工室の前で面と向かって話すことにした。

「原田、なんでいじめられてるのにやり返さない。」

「だってみんな強いし。僕なんかじゃ絶対勝てないよ。」

もし彼がこのまま、いじめられたら引きこもりになってしまうだろう。

「勝つか負けるかはどうでもいい。拳を握ってグループの一番強い奴をぶん殴れ。」

「できないよ……」

「するんだ。でないと何も変わらないぞ」

俺自身がそうだった。教師に言いつけるなんて生ぬるい方法じゃダメなんだ。

目には目を歯には歯を。自分を辱める相手にはそれ以上の屈辱を……

「俺は格闘技のジムにいってるんだけど原田も入れよ。」

「僕が?」

「ああ、大丈夫お前なら強くなれる。」

「本当に……?」

「約束する。」

俺はそう言い残しその場を去った。あとは原田しだいだ。俺にもできることは限られている。

彼が野生動物の子供のように自分で立ち上がるのを見守るほかない。余計な行動はかえって彼の立場を悪くする。


教室に戻ると加藤が残って掃除をしていた。

「加藤、放課後時間あるか」

「えっ、もしかして、デートのお誘い?」

「ああ、ちょっと話したいことがある」

「やったー、もちろんOKだよ。」

よし、これで彼女と仲良くなれば他の女子とも仲が良くなるはずだ。こうやって地道にコミュ力を上げていくのだ。


読んでいただきありがとうございます。評価ブックマークしていただけると今後の励みになります。

したスクロールで気軽に☆ボタンから評価していただけます。ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ