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AI小説の時代

作者: euReka

「あなたのアイデアを、人間が小説化します!」というサービスを冗談半分で始めたら、意外と利用者が多くて仕事に追われることになった。

「料金は一〇〇〇文字なら一〇〇〇円で、一万文字なら一万円/つまり一文字一円で、人間の書いた小説が作れます!/現在、一万文字以内の小説に対応可能です/本サービスは、AIに書かせた良く出来た小説に飽きた人におすすめ/人間がAIの代わりに小説を書きます!」

 最近は、自分の読みたい小説をAIに書かせるのが主流になっていて、AIもかなり優秀になってきたからAI小説で満足する人が多い。

 これこれこういう設定で、ある作家風にとか、アニメ風にとか、素人小説風にとか指定すると、それなりに面白い小説を一秒たらずで作ってくれる。


「小説家の書く小説を読む時代は終わりました。現在は、どれだけ優秀なAIや、自分に合ったAIを選んで小説を書かせるかが重要な時代です」

 ネットニュースなんかをチェックしていると、よくこういう記事を見かける。

「過去の偉大な小説には、人間としての共通の悩みや問題を提起する素晴らしいものが沢山ありましたが、結局、自分の物語は自分で作るしかありません。最近のAIは、人間共通の問題を踏まえつつ、個人それぞれの抱える問題から物語を多角的に構築するというレベルに達しています。……今の時代、人間の作家が小説を書く意味ってありますか?」

 私にはよく分からない問題だけど、進化したAI小説の影響でプロの小説家は商売が成り立たなくなくなり、十年ほど前に絶滅したらしい。


「でもAI小説って、良く出来すぎていて何だか物足りない。九十九パーセント満足できるんだけど、あと一パーセント何かが足りない感じがして、それを探す旅にこれから出かけます」

 私は、ネットニュースの記事に付けられたこのコメントを読んでハッとさせられた。

 じゃあAIの代わりに人間が小説を書けば、その一パーセントを人間が埋められるんじゃないかと。

 私には素晴らしい小説を書く才能なんてないが、思いつくままいくらでも文章を書く自信はある。

「とても未熟な小説だけど、AIにこんな文章は書けない」

 私の小説サービスにはそういう感想が多く、おかげで仕事が絶えることはない。


* * * * *


 題材:AI小説の危険性

 設定:素人小説風

 文字数:九一五文字


 を、〇・〇〇一三秒で作成いたしました。


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