はじめてのひめはじめ
「あけましておめでとうございます」
「おめでとうございます」
「年、あけましたね」
「あけましたねー」
「去年はどんな一年でした?」
「え、それ聞く? 聞いちゃう?」
「もったいぶりますね」
「そんなに聞きたいならいっちゃいましょう。じ、つ、は、彼氏! できちゃいました」
「おぉー。おめでとうございます」
「それでぇ、もう毎日イチャイチャして幸せなのです」
「あー… いいですねぇ」
「エッチもしちゃった。初めてだったのデス」
「突っ込んだ話しきた」
「エッチだけに?」
「「笑」」
「エッチもね、すごい相性よくて抱きしめられただけできゅーんてしちゃう。困るよね。駅とかでも抱きしめられるときゅんきゅーん♡て」
「初耳なやつきたー」
「で、その彼氏と新年は年が変わってすぐエッチしようって約束しちゃった。姫はじめっていうの?」
「おー」
しばし、沈黙。
「年、あけましたね」
「...あけましたね」
「なんか、何度もしたのに改まってすると緊張するね」
「ねー」
「どうしよっかな...」
「などと言いつつ、初手、手を握る男氏」
「解説やめてw」
「その手をどこへ持っていくのか... あぁ! ほっぺた。自分のほっぺたで頬ずりだ。これはいけません。反則です。きゅんきゅん♡しちゃいます」
「解説禁止」
くちふうじ!
「むーむー。ぷは。わかったよぉ。でもいつもみたいにムリヤリ股間にもってけよぉ」
「人をヘンタイみたいにいいますね」
「あら違ったかしら」
「ちがわないです。けどたまには女氏との雰囲気を大切にしたいと思うこともあるのです」
「きゅんきゅきゅーん♡ いや、むしろヘンタイのレベルがあがった?」
「......」
「なんかいえよぉ」
「女氏との雰囲気を大切にしたいと思うこともあるのです」
「二回言った」
「大事なことだから」
「「笑」」
「去年は恥ずかしくてわざとヘンタイっぽいこともしたけど、今年は逃げないことにしました」
「え、こわい。急にマジメになった」
「女氏との時間、ごまかさずに大切に過ごしたいのです」
「え、え...?」
ちゅ
「あぅぅ…反則、だよぉ」
「きゅんきゅんっていわないの?」
「男氏がマジメにするなら、私も、受け止める」
「ありがとう」
「うー。」
「どうしたの?」
「マジメにエッチするの初めてだからどうすればいいの?」
「まず目をつぶって」
「うん」
「キスするね」
ちゅ。ちゅちゅちゅ…
「うん...って手のひら? あ、手首はくすぐったい。首筋はだめぇ」
「もう息が荒くなってる?」
「ばかぁ」
「女氏のおっぱいみたい」
「いつもみたいに脱がせばいいじゃん」
「女氏に見せてほしい」
「ヘンタイ!」
ぬぎぬぎ
「綺麗なおっぱいだね」
「はずかしいからじっくり見ないで」
「横からのラインがすごく綺麗。あとさきっぽがすごく可愛い」
「きゃん♡」
「声も好き」
「うー」
しくしく…
「どうしたの?」
「男氏が別の人みたいでいやだ。いつもみたいにしようよ」
「えー」
「じゃないともうしない」
「しょうがない」
「やった!」
男氏全裸になり、両手を前に構えて襲い掛かる姿勢をとる。
「げへへ。まぶいスケがいるぜ。さらって俺のモノにしてやる」
「きゃー♡」
「悲鳴のわりにゃここはよろこんでる」
「あぁ、ひどいわひどいわ」
沈黙…
「ん?」
「女氏は本当にこれでいいの?」
「ん。いいの。男氏がマジメに考えてくれるの嬉しいし、去年のバカみたいなエッチでもちゃんと男氏がくれた思い出だよ」
「うー」
「うつっちゃった」
「恥ずかしいセリフ禁止」
「男氏」
「ん?」
「愛してるぜ」
「…女氏、すぐそーいうこというからきらい///」
「あたしは男氏好き」
がばっ
「あっ。女氏、初めてだから優しく…」
「へっへっへ。何言ってやがる。これまで何度もしてきただろぅ」
「今年は初めてだし」
「そっか。じゃあ優しくしてやるから、おいで」
「はい...」
「って男女逆でしょ」
「「笑」」
「こんな感じで今年もよろしくね」
「こちらこそよろしくお願いします」