騎士姫様
まあそんなことよりお待ちかねの騎士姫様とご対面と行きますか…
「本当に感謝する。ありがとう命拾いしたよ」
先ほどの少女と目が合う。
……え?
「み、三上さん…?」
「…?ミカミ?私の名前はクリスティーナ、『クリス』と呼んでくれ。お前、名前は?」
ち、違うのか。
確かに髪と眼の色が違うけど三上さんにそっくりだ…
少女はかなり整った顔をしていた。
髪色は金色に輝き目は透き通った蒼だ。
金髪碧眼美少女を生で拝めるとはVR様さまだね。
少女の衣服はところどころ解れているもののどこか高級感が漂っている。きっといいとこのお嬢様なのだろう。
「あ、あの僕ナツキって言います。ナツキ・ハナイです」
「ふーん、お前可愛い顔可愛いなどこの出身だ?」
「?日本ですけど?」
「二ホン?どこだそこ?珍しいところから来たんだな」
あ、この人NPCだったのか分からなかった感情表現がすごいなこれはAIが人間の代わりになるのも近いかもな。
「ところでナツキ、お前はなぜ私を助けてくれたんだ?」
「なんでってそりゃあ女の子男の人たちに囲まれて殺されそうになってたら助けるでしょ?」
「…プッ、アハハッ、そうかそうかお前わたしを助けてくれただけか改めて礼を言うぞナツキ!」
なんか偉そうだなこの子…三上さんと同じ見た目なのに全然性格違うし違和感しかないや。
「それにしてもナツキ、その年で人を殺すのに慣れてそうだったがお前はいったい何者なんだ?」
ん?PKの対処なんて誰だってやったことあるでしょ。変なこと聞くな…
それにしてもまだリスポーンしてないのかこのPK達。
「どうしたんだナツキ、そんなにさっき殺した奴らが気になるのか?そいつはここらでも有名な盗賊団『紫爪の鼠』のやつらださっきお前が最後に殺したのが頭の『赤槍のゴンゴ』だろうから後詰めの心配はしなくていいぞって…どうしたナツキ気持ち悪いのか?」
どういうこと?
この人たちは本物の人間?…僕が殺した?
なんでリスポーンしないんだ?
なんでこんなにリアルなんだ?
ここは現実世界なのか?…
そして僕は……
吐いた
「オエエエェェェェェェェ」
「おいっ、どうしたんだよ。まさかお前こいつ等のことオークと見間違えたとかじゃないよな人を殺すのは初めてとかないよな。本当に大丈夫か?」
「…ハア…ハア、いや大丈夫だよちょっと気持ち悪くなっただけだよ」
「そうか…ああ、今日あの日かスマンスマン言いにくいよな、許せ」
あの日?あの日ってなんだ?
…まあいいか
それにしても地形も違うし、人は本物、これってもしかして…
異世界転移か?
いや、でも……
『やあ、花井夏樹君。やっと気づいてくれたかい?』
急に後ろから女の人の声がした。
振り向くと目の前の景色が変わる。真っ白な世界の中にマネキンのような顔が浮かんでいた。
「あなたは?」
『私は【我々】が一人、『依頼者』とでも呼んでくれ。私の仕事は君にクエストを出すことだ、そこは君が考えているみたいな異世界ではない、れっきとしたゲームの中だ。…ただしプレイヤーは君一人、まあいうなればクローズドベータテストとでも思ってほしい。君がいるのはゲーム『エレメンタル・レジェンズ・オンライン』のサブデータ…いやある意味メインと言っても過言ではない。そう『真のエレメンタル・レジェンズ・オンライン』とでも言おう。そこは【我々】に『別世界』と呼ばれている。その別世界で私が出すクエストを受けてほしい。』
待って、理解が追い付かない。
ここがゲーム世界?真のELO?
『そうそう、言い忘れていたけどプレイヤーは君一人だ、その世界で死んだすべての生物は生き返ることなく土に還る。ま、いうなれば君だけがゲームな世界だ。そこにいる人間たちの常識は私でも細かくは把握していないから自分で学んでくれ』
大体の話は整理できた、でも時間がかかるんじゃないか?
『そこはノープロブレムだよ。君のサモンズに改造を加えて加速時間を大幅に向上させた。そっちの世界で十年過ごしてもこっちの世界じゃ十分ほどに過ぎない、安心したまえ体には何ら影響はない。』
わかったよ。で?クエストってのは?
『あれ?意外と理解が速いねもう少し動揺して荒れるものかと思ってたよ体感だけとはいえ何年間も家族や友達に会えなくなるんだよ?』
だって僕だけがプレイヤーのクローズドベータテストなんて面白そうだよだからね。
『ははーん、君相当なゲーム厨だね。ま、こちらとしては助かるけど……
オッホン…本題に入ろう。まず君には【金牛迷宮タウロス】の攻略をしてほしい、以上だ』
え?それだけ?
『クエストはクリアするたびに更新していく、お楽しみ要素だと思ってくれ』
…なるほど、把握
『それじゃ、良い旅を…
…びを……びを………
………つ……つき…ナツキ!
「おいっ、どうしたんだよボーっとして!」
視界が明けると慌てた様子のクリスがいた。
どうやら旧似顔気が止まった僕を見て心配してくれていたみたいだ。
「ああ、大丈夫だよありがとう」
「そ、そうか?ならいいんだ。ま、あの日がつらいのはみんな一緒だ。何かあったら言ってくれよ?…ところでナツキお前今からどこに行くんだ?」
「え?あー、一応【金牛迷宮タウロス】ってところに行きたいんだけど…」
「タウロスだと?…その格好でか?やめとけっ、そんな半端の装備で攻略できるほど【黄道十二迷宮】は甘くないぞ」
黄道十二迷宮?…なるほど、同じような星座にあやかる迷宮が十二個あるってことか。
「全く…さすがのお前でも数ある迷宮の中でもトップクラスの危険度を誇るあの十二個にその巣日で挑む奴なんかいないぞ、入り口でほかの奴に止められるからやめとけよ。あそこはSランクパーティが挑むようなところだ。いくらお前が強くて腕っぷしに自信があるからってそんな…」
「あ、レベルは1だからまだまだ強くなれるよ」
「れべる?何わけのわからんことを言ってごまかそうとしてる」
あ、あれ?
評価、感想待ってるゾ
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