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その男、レベル1でも神PS

初戦闘でござる

キャラデザを終えた俺は『始まりの街』にいた。


とりあえず所持金もないしギルドに冒険者登録をしに行こう。

ELOではモンスターからのマネードロップはないモンスターが落とす素材をギルドや素材屋で売るか、ギルドからの『クエスト』と呼ばれる依頼の報酬としてもらえる。稼いだお金は必需品やスキル、嗜好品を購入することができる。

貨幣価値は、1000銅貨=1銀貨、1000銀貨=1金貨、1000金貨=1白金貨である。つまり1白金貨=1000000000銅貨である。少し大きすぎるのではと思うかもしれないが、後になってくればなるほど報酬や素材の価値は上がるのですぐカンストしてしまいこれでも足りないというのが運営の主張。カンストって999999999999白金貨なんだけどな。それ越せるかな。


「おかえりなさい」


ギルドの中に入るとそこにいたのはテンプレのようなきれいな受付嬢が———


いなかった。

いるのは恰幅のいいおばさんだった。

あ、奥のほうに美人がちらほら。


「こら、なんか失礼なこと考えてるんじゃないだろうね」


ELOのすごいところはなんと接客用のNPCがパートのおばさんだったりアルバイトの大学勢だったりする。つまり業務用アカウントを作ってそこで人を雇用しているのだ。いろいろな職業がAIに奪われていく中、いまだにサービス業、接客業は人間の仕事として貴重な雇用口である。一応混雑するのが嫌なプレイヤー向けにAIの受付嬢もいるが設定していない。


「いや、そんなことはないよ。おばさんも十分若いよ」


「まったく。大方、冒険者登録だろう?さっさしていきな」


「ああ、ありがとう」


そう言って俺はカウンターの上に置いてあった四角い盤の上に手を置く


「《冒険者登録》、ほら完了だよ。あんたの今のハンターランクはE。ランクの定義は〈武器を扱う者ができる仕事をこなせる実力〉完了したクエストレベルの合計値が20を超えたら試験が受けられるから、その試験に合格したら晴れてDランクだよ。」


「わかった、ありがとう」

そう言って俺はクエスト掲示板のほうに行く

そうだな、最初ははしゃぎたいしな。

よし、少し報酬が安いかもしれないがこの『ゴブリン5体討伐、報酬10銅貨、クエストレベル3』にしてみるか。

他のも見ても報酬は大体10~20とかだがレベルさんの割には安い気がするな。

まあいいや、雑魚敵を蹴散らしたい気分だし。

って蹴散らせるほどステータス高くないかも…



っというわけで『始まりの森』に来た。

周りには小動物がいっぱいいる。

こいつらを狩ることでも素材は手に入るがもっぱら料理用の肉ばかりだ。

するとそこに…


「グギャアアアアアアアア」


≪ゴブリン  が現れた


「さっそくお出ましか」


4メートル先に出現したゴブリンは棍棒を振り回している。

そこで俺は『初心者の片手剣』を抜きゴブリンに剣を振るうべく突撃する。


そして俺の初戦闘が始ま————らなかった


「ブオオオオオオ」


ゴブリンは持っていた棍棒を早々に捨てると腰につけていた貝笛を鳴らした。


≪ゴブリンは仲間を呼んだ


「ちっ、そうだよなー呼ぶよなー」


俺は腹いせのように笛を吹いていたゴブリンを攻撃した。

ゴブリンは何の抵抗もなくHPゲージを0にした。


「記念すべき一体目ッと」


そして死亡エフェクトが出た瞬間、タイミングを見計らったかのように4体のゴブリンが出現する。


≪ゴブリン×4 が現れた


ゴブリンは数的有利を理解したのか。4体同時に攻撃を仕掛けてくる。


俺はまず一体目を右薙ぎ払いで攻撃そのまま左からの跳ね上げで二体目を振り向きざまに三体目、四体目を攻撃した。しかし、先ほどのゴブリンと違い戦闘モードのゴブリンはしっかりと防御したためそのHPゲージを3割しか削っていない。

しかも今の攻撃で完全に囲まれてしまった。そこで


「《エアロ》」


この魔法はただただ強い風をその場で起こし、敵をひるませるか加速にしか使えない。

俺はそれを真下に打った。


「グギャッ」


真上に飛び上がった俺は突風にひるんだゴブリンのうちの一体に着地しその体を上から突き刺す。


「これで二体目」


後は簡単———のはずだった


四体目のゴブリンに一撃を入れ白い光と霧散させた後


最後の一体に攻撃を仕掛ける前にゴブリンの様子が変わった。

何かにおびえたようにうろたえた後俺に背を向けて逃げていく。

不思議に思って振り向くとそこに奴はいた。


≪森の主 が現れた


「マジかこんなところでエリアボスと遭遇とか運悪すぎでしょ」


通常専用クエストを受けなければエンカウントしないはずのエリアボスがいるってことは俺がいつの間にかフラグ立てたってことか。いつの間に。


「チシャアアアアアアアア」


その巨躯に似つかわしくないすごいスピードで迫ってきた毒牙をギリギリで躱す。するとシステム音が鳴った


〈スキル:ジャスト回避を習得しました〉


ジャスト回避か。ここに来ていいタイミングだ。

ジャスト回避はパッシブスキルの一つで攻撃が当たる寸前0.2秒以内に回避することで体勢を崩すことなく回避することができ、効果小のAGIバフがかかるスキルで避ければ避けるほどAGIが上がるのでベータテスト時にも愛用していた。


そしてもう一度迫ってきた主の攻撃を回避するとジャスト回避の効果が発動した。


体勢を崩さないで回避できるので今度はそのまま主の横腹を切りつける。


そして勢いで大蛇の上に跨り串刺しにする。


だが、相手は蛇である。すぐに頭を向き直し。俺に攻撃を仕掛ける。


俺に咬みつこうと迫る頭部。俺はまたギリギリでよける。ジャスト回避が発動する。


「《エアロ》」


真下にある主の体を利用し高く上がった。そのままひるんで一瞬動けないでいる大蛇の頭を体ごと突き刺した。そして、主のHPゲージをすべて削った。


「エリアボス、〈森の主〉を討伐しました」


システム音が鳴り響く。


「プレイヤーレベルがレベル1からレベル6に上がりました」

「スキル:風魔法Ⅰのスキルレベルがレベル1からレベル4に上がりました」

「新しい呪文〈攻撃呪文:風撃〉を習得しました」

「新しい呪文〈強化呪文:風の祈り〉を習得しました」

「スキル:ジャスト回避のスキルレベルがレベル1からレベル3に上がりました」


おー、流石に強敵だったか。凄まじい経験値だな。


『風撃』…前方に斬撃系の風の刃を飛ばす。風属性ダメージ小

『風の祈り』…AGIバフ効果小をひとりにかける。


風撃は何とか使えそうだが、風の祈りはジャスト回避があるからあんまり効果ないかもな。まあ、バフは重複できるから無駄じゃないけど。


ドロップしたアイテムを見てみると


〖森の主の毒牙〗×2

〖森の主の鱗〗×4

〖森の主の皮〗×3


中々の大量だ。これだけあれば何かしらの武器もしくは防具は作れるはずだ。





帰りに忘れず残りの一体は倒したよ?






























次にギルドで配られていたモンスター図鑑を開いてみる。


「なるほど食料としていたゴブリンをそれも縄張りで倒したことでエンカウントフラグが立ったのか」


それにしても流石主、初期ステータスのままだったとしても強かった。

VRゲーム慣れしている俺でも早く感じた。マジGG。

ジャスト回避が戦闘中に解除されなければ俺はとっくの昔に死に戻りだ。

始まりの街に着き、ギルドに行く。


「ああ、あんたかい。随分とゴブリン五体に時間かかってたんだね」


「いや実は…」


俺は遅くなった経緯を話す


「なんてこった、あのモンスターの討伐推奨レベルはレベル7だよ?それをレベル1でなんて…偶然フラグを立てたとしてもレベル1で勝つなんて想定されていないのに…ちょっと待ってな。マスターを呼んでくるからね」


あれ?俺なんかやらかしたか?



感想、誤字報告等々お待ちしております。


下の☆☆☆☆☆を★★★★★にして欲しいでござる。

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[一言] 僕もその人は大好きですよー!
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