運命の転移《Fate transfer》
西暦6万5495年。
この日、地球の日本という国で交通事故死した一人の男が、次元も、時空さえも越えて別次元の異世界へと降り立った。
彼の名は、山田龍。23歳。
Fラン大学卒業を間近に控え、滑り込みセーフで会社の内定を貰えた男。
内定を貰えたはいいものの、最終学期の単位を1つでも落とせば即留年の綱渡り状態。
その上、現在流行りのコロナウィルスによる外出自粛要請。最悪の場合、内定を取り消される可能性もあった。
そんな中、今日は単位取得の為の最後の講義。この学期末テストを逃せば単位は落とされ留年確定。この日だけはどうしても講義に遅れるわけにはいかなかった。
電車と徒歩での移動の途中、彼はなけなしの使い捨てマスクを着け、テスト範囲の復習で頭が一杯だった。講義の本に顔を落とし、周囲の目など気にする余裕もなく、連日の過労運転で限界寸前の1人のドライバーと大型トラックの存在に気付けなかった。
ドライバーの連日の過労運転は、コロナの外出自粛要請に伴う、ネットショッピング利用者の急増が背景にあった。置き配により再配達の時間ロスは減ったが、引っ切り無しに来る注文に、ドライバーが休む暇は一切与えられなかった。ただでさえ、人手不足。その上、二次受けどころか五次受け。だががむしゃらに働く他ない。自宅で待つ妻とまだ幼い子供のためにも。
その矢先のことだった。
キキーーーーーーーーッ!!!! ドガッ!!!!
「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!」