不老不死の祝福(のろい)
かなり短いし、超展開です。
「坊っちゃま、朝ですよそろそろ起きてください」
くっ、誰だ僕の眠りを妨げるのは……!
「だれだぁ…ぼくのねむりぉ、しゃまたげるのはー」
「全く、寝ぼけてないでさっさと起きなさい!!」
「ぐはぁっ」
なに、何て力だ!強すぎる!!
「本日は大事な祝福の儀を行う日ですよ!」
そ、そうだった祝福の儀が…
「祝福の儀ーーーー!!!」
ヤバいヤバい、はやく起きないとお父様とお母様に叱られる!
「なぜはやく起こさないのだ、セバス…!」
「坊っちゃまがさっさとおきないからでしょう」
あーあー聞こえないー
「とにかく、さっさと着替えるぞ!」
―――――30分後、
内心、戦々恐々としながらも挨拶へ
「お父様、遅くなって申し訳ありません」
「良い、それよりもう準備はできているな?」
「はい、問題ありません」
叱られずにすんで良かった。
とにかく、これから行われる祝福の儀に、間に合いそうで良かった。
「お坊っちゃま、こちらの馬車へどうぞ」
「ああ、わかった」
正直、馬車はお尻が痛くなるからあまり好きではないが、ここから神殿までそう遠くはないのが幸いか。
―――――神殿に到着
「それでは、これより祝福の儀を行います」
いよいよか、何故だか緊張してきたな。
「―――――――。これにて、祝福の儀を終わります」
な、長かった…だが、
これでようやく貴族の一員として認められるのか。
「それでは、皆様に聖別された紙を配ります。神の祝福を授かりし者は、配られた紙に祝福の名が記されるでしょう」
これがあの紙か、意外と「普通だな…」
「………」
うわ、今の声に出てたのか。神官がこちらを睨んでいる。
とりあえず、紙でも見る振りを……
―――――不老不死―――――
「………は?」
祝福?不老不死?
―――――そこからの出来事は良く覚えていない。だが、これだけは忘れていない、あれは祝福でも何でもなかった、呪いだということを―――――
あれから、百年以上は経った。
あの呪いをつけられた時から見た目は変わらず、そんなオレを気味悪がり、しかしだからといって、祝福を授けられたのだからと手を出すこともなく。唯一オレを思ってくれた女性も死んだ。
何回も、自殺した。首吊り焼死溺死出血死窒息死思い付く限りのことをした、首を切ったりもした。だが、無意味だった。
オレの呪いは文字通りの不老不死。死ぬことが出来たと思って意識を失っても、目覚めれば元通り。
何度夢であってほしいと願ったことか。
それに、オレは死なないだけ、強くもなんともない。当然さ、別に一騎当千の力があった訳じゃない。だからオレは、この国から出ることもかなわず。ずっと、一人で、、、
君は死ねるのかい?それはすごく、羨ましいね。