夜逃げ
一応団長が主人公の予定?
時間は飛んで依頼を受けてから2日目の夜中。
守護者の塔の最上階。
団長こと、俺、レーヴェン・メシアは夜逃げをしようといていた。
本当は逃げては行けないし、この準備期間中に俺も連れていくと言ってしまったとキャロが言っていたので大人しくついていくのが当たり前なんだけども、俺は死者の国、カタビラからあまりよく思われていないので当たりが強いのは目に見えているのだ。
と言うか、俺達治癒系のラウダを持っているやつらはカタビラでは歓迎されないのだ。
なんでかと言うと、カタビラが死者の国と呼ばれている理由は、世界中の死者の魂がその国に住んでいるからついた名前だ。
だが死者の魂がずっとその国に住んでいるわけではない。
人にもよるのだが死者の国で死者が10年から500年位住み続けていると魂は星に帰り、また新しい魂に生まれ変わり、新しい肉体に生まれ変わってどこかの国でまた生きていけるのだ。
もちろん生前の記憶や死者としての記憶が、新しく生まれ変わった肉体についてくるわけではないのだが、死者の国ではそれが尊ばれているのだ。
極力、自然に任せて生きると言うのが死者の国カタビラなのだ。
そんな国に死者になるのを防ぐラウダを持っていたりするのがバレたやつは1日に1回は石を投げられるし、俺なんかは国に入れて貰えるのかも怪しいくらいなのだ。
だから、その領主にどれ位の恩があるって言うのかがよくわかるのだが、それでも俺は行きたくないのだ。
「書き置きも残したし、荷物の用意も出来たし。
よし、行くかなー。」
今回の行き先は海流の国にして海産物でもたらふく食べて、暫くしたら、戻ってくるかなー。と、思って窓を開けて片足をかけたら扉が開きやがった。
「だ、誰だ!こんな時間になんのようだ!?」
「そんなの私に決まってるでしょうが。」
ため息をつきながら俺の部屋に入ってきたのは、パジャマ姿の見た目18歳程の美女で中身三十路の副団長ベゼ・ラクリマだった。
「私があなたのしそうなこと位わからないと思う?
もう何年一緒にいると思ってんのよ。さっさと寝てちょうだい。
明日早いんだから。」
彼女は仕事している時以外では夜の10時くらいにはいつも寝ているので大分眠そうだった。
「う、うるせっ!俺はいかねーぞ!俺が行かなくてもなんと「なるわけないでしょアホじゃないの?」
「どうせあなたが行きたくない理由って、昔戦った超人達と会いたくないだけでしょ?また戦闘になりそうだもんねー」
図星だった。
大体俺が相手する奴等は強すぎていっつもギリギリの戦いしかできなくて、勝てても体の一部が吹っ飛んでいるのが常なのだ。
団長は辛いよ、トホホ......
「私だけじゃ団員を守るにはちょっとキツいし、あなたが居ないと私たち全滅するかもしれないのよ?
それでも夜逃げしようと思える?」
「ぐっ、それを言われると確かに逃げられないんだけど、俺と同じような強さを持つヤツが5人同時に襲ってくると考えたりしないのかよー。
俺だって死んじゃうよ?」
「そこら辺は大丈夫でしょ。あの人たち誇り高き戦闘狂って感じの人たちだし。一対一でしか来ないわよ。
それに体の一部があれば、時間がかかっても修復できるし」
「それでも俺は逃げるっ!さらばだベゼ!地獄で会おう!」
俺は勢いよく窓から飛び出した!のだが、飛び出した瞬間に俺は意識を失った。
副団長は特殊系よりの治癒系ラウダ、再生を持っているため18才位で止まっておるんじゃ。