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第十八話 平坂洞で

 平坂神社の本殿を通り越すと塀で区切られているが、その奥にはうっそうとした森が広がっている。更に本殿の丁度、真後ろに当たる部分には扉があり鍵が掛かっていた。一応、奥へ人を入れないためだろう。

 水夏霞は鍵を取り出すと、その扉を開けて塀の向こう側へと姿を消す。その後に続く鈴音達。

 ……うわ〜、なんかもう森林力とか言ってられないぐらい凄いな。

 長年放置されていたのだろう。もはや道すらまともに無い状態だが、それでも一応切り開かれている場所があり、それが奥へと続いている。後はとてもじゃないが、入り込むことすら困難なほど草木が充満している。

「なんか、凄いですね」

 沙希が率直な感想を述べると水夏霞は笑いながら手を振る。

「いやいや、昨日の山狩りでこれでも切り開けてる方だよ」

 ということは……その前はもっと凄かったと!

 改めて自然の凄さを実感する鈴音。もう、この際だから実感する場所が違うという突っ込みは無視して、水夏霞は腰にぶら下げていたなたを取り出す。

「えっと、水夏霞さん、それはどうするんですか?」

 鉈を指差しながら聞いてくる鈴音に、水夏霞は頭を掻きながら半笑いで答える。

「もちろん、道を切り開くためだよ」

 それから水夏霞は頬をかきながら言い難そうに言葉を紡ぐ。

「えへへっ、実はお父さん達が生きてる間には定期的にここもちゃんと整理してたんだけどね。今だと神社の方が忙しくてこっちまで手が回らないの。さすがにこんな重労働は七海ちゃんに押し付けるわけにも行かないしね」

 それから水夏霞は手際良く、邪魔な枝や草を掻き分けるとしっかりとした道が現れた。

「うん、さすがに山狩り後は楽でいいね」

 おき楽にそんな事を言ってくる水夏霞に鈴音はとある疑問を感じる。

 あれ、でも、昨日山狩りをしたんだよね。それならもっと道が開けてて当然じゃないかな。

 その事を水夏霞に聞いてみる鈴音。そんな鈴音に水夏霞は笑いながら答える。

「あははっ、というかさ、犯人の秋月がわざわざ見つけやすい山道に潜んでいると思う。そりゃ多少は山道を切り開いたけど、ほとんど道なき道を進むんだよ。どれだけ山奥に潜んでるから分らないからね」

「あっ、そっか」

 つまり、山狩りは山道を中心に行われたのではなく、山道から外れた獣道けものみちを中心に行われたようだ。だから平坂洞へと続く山道も最初の方だけは軽く道を切り開いただけなのだろう。

 もしゆっくりやっていたら、それだけ秋月に逃げる時間を与えるだけなのだから。

 それから水夏霞は更に邪魔な枝や草を切り開き、中には倒木を乗り越えて道を進む。

 さすがに山道に慣れていない鈴音には困難な道のりで、振り返ると未だに神社が見える。どうやらあんまり進んでいないようだ。

 そんな中で沙希が何かを思い出したように水夏霞に尋ねた。

「そういえばこの前、平坂神社の由来について聞いたことがあったじゃないですか。そのとき言ってた平坂洞窟が平坂洞なんですか?」

 えっ、そんな事を聞いてたっけ?

 すっかり忘れてる鈴音。だが沙希はしっかりと覚えていた。そして沙希の問に水夏霞は笑いながら答える。

「あははっ、そういえばそんな事を言ったけね。うん、この平坂洞窟は玉虫様を祀る時に平坂洞って改名されたんだよね。でも、もともとの由来は平坂洞窟だから説明する時はどうしてもそっちを使っちゃうんだよね。それに洞窟って言った方が早いし」

「じゃあ、平坂洞っていうのは洞窟?」

「そうだよ。けど、私も入った事が無いから分からないんだけどね」

「えっ、でも平坂神社が管理してたんですよね?」

「まあ、一応、そうなんだけどね」

 バツの悪い顔で草木を切り分ける水夏霞。どうやら答え難いようだ。

 けど、それなのに入った事が無いなんて……あっ、そういえば源三郎さんもなんか、誰も開ける事が出来ないって言ってたっけ。……でも、誰も開けられない物をなんで管理してたんだろう。

 そんな疑問を抱きながら更に山道を進むと、そんなにしないうちに開けた場所に出ると断崖絶壁がそびえ立っていた。

 ……これが、平坂洞。それにしても……これは厳重すぎるんじゃ。

 断崖絶壁の下には確かに洞窟に続いているであろう扉が存在している。しかも鉄製で出来ており、鍵穴は六個ぐらいある。しかも扉の端から端まで鎖で厳重に封鎖されており、鎖にまで鍵が付いている。

 なるほど、これはそう簡単には入れない訳だわ。

 源三郎と水夏霞の言った事に納得する鈴音と沙希。これだけ厳重に封鎖されていれば誰も入ることは不可能だろう。

 それでも鈴音は扉の近くまで行って、何気なく押してみるがびくともしない。

 まあ、当たり前か。これだけ厳重に封鎖されてるのに誰かが入ることは無いか。……ということは、姉さんもこの中にはいない。

 もしかしたらと思っていたが、これだけ厳重に封鎖されている所に入り込むわけが無い。もし、何かしらの手段で入ったとしても、その後はどうなる。誰が食事や水を届けてくれる。一度入ってしまえば二度と出られそうな場所に隠れるわけが無い。そんな事をすれば自殺行為だ。

 淡い期待を裏切られて少なからずショックを受ける鈴音。だが風向きが変わったのだろう、平坂洞の中から微かな風が流れ出てきた。

 ……あれっ、この臭い、どこかで。

 平坂洞から流れ出た風に乗って微かな臭いが鈴音の鼻に入る。だが、これが何の臭いなのかは分らない。

 う〜ん、どこかで嗅いだ臭いだと思うんだけどな。

 だがいくら考えても思い浮かんでこない、まるで思い出すのを拒むかのように、頭の中に霞がかっている。それでも鈴音は思い出そうと唸りだし、それを心配した沙希が声を掛けてきた。

「鈴音、どうしたの?」

「いや、なんか変な臭いが」

「臭い?」

 鈴音に言われて沙希も嗅覚に神経を集中させるが、何も感じ取れる事が出来なかった。

「別に何も臭いなんてしないけど」

「えっ、そう?」

 扉の目の前にいる鈴音が微かに感じ取れるぐらいの臭いだ。扉から離れている沙希に感じ取れる訳が無いのだが、そんな事に気付く事無く。鈴音は扉から離れて沙希の元へ戻る。

「それで、平坂洞を見た感想はどう?」

 ここで静音のブレスレットが見つかったのだとすれば、他にも静音に繋がる手がかりがあってもおかしくは無い。いや、鈴音はそうあって欲しいと思っているようだ。

 だからだろう、率直に思った事を述べる。

「姉さんは、平坂洞にはいない」

「まあ、これだけ厳重に封鎖されていればね」

「中に入るのは絶対に不可能ですよ」

 沙希と水夏霞の言葉に頷く鈴音。それから考え込むように人差し指を顎に当てる。

 確かに、源三郎さんの言うとおりなら、この近くで姉さんのブレスレットが発見されている。でも、平坂洞に入り込むことは不可能。となると……あっ、そうか。姉さんは秋月と同じ事をしようとしたんじゃ。……でも、それだと姉さんが逃げる理由が見つからない。

 つまり、鈴音は秋月が警察から逃げるようために、山中にその身を隠した。そして静音も何らかの理由で逃げており、山中にその身を隠した。

 だが静音がそこまでして逃げる理由が見つからない。もし、沙希に言えば必ず羽入家だと答えるけど、鈴音にはそうは思えなかった。

 源三郎さんが姉さんを信頼していた。それは間違いない。だって、源三郎さんは……いや、まだ確かめた訳じゃないから、そうとは言い切れないけど、私はそれを信じたい。でも、そうなるとやっぱり理由が……あっ、

 更に何かを思い付いたのだろう。鈴音は思わず顔を上げる。

 そういえば、連続殺人事件の発端は姉さんの失踪から始まったんじゃないかな。今まで別々に考えてたんだけど、姉さんは秋月から逃げてたとすれば説明が付くんじゃ。

「そういえばさ、沙希」

「んっ、どうしたの?」

「連続殺人事件は秋月が犯人で決まりかな?」

「はぁ、いきなりなにを」

 突然の質問に沙希は顔を歪めるが、鈴音は真剣な眼差しで沙希を見詰め返す。

「もし、連続殺人事件の犯人が秋月なら、姉さんは秋月から逃げた可能性があると思わない」

 そう言われて沙希も驚きの表情を浮かべた後に考え込み、それから口を開く。

「ということは、静音さんは秋月の何かを知っていたって事?」

「うん」

「……まあ、静音さんの事だから何かを掴んでいても不思議は無いけど、それだと秋月が黙ってないんじゃない。なにしろ連続殺人を犯しているぐらいだから」

「えっ、それってどう」

 途中で言葉を切る鈴音。沙希が言いたい事を察したのだろう。

 そう、秋月は連続殺人を犯しているほどの凶悪犯なら……何かを掴んだ静音を生かしている訳が無い。それが公表される前に殺してしまったほうが早いだろう。

 だが、そう考えると当然の疑問が生まれる。それは静音の死体が未だに発見されていないという事だ。秋月がこれまで犯してきた犯行を見れば、わざわざ静音の遺体だけをどこかに隠すとは考えられない。

 そうなると考えられるのは、静音の遺体だけはどこかに隠さなければいけなかったということ。そして、それに持って来いの場所は目の前にある。

 再び平坂洞の扉を調べてみる鈴音。

 ……あれ、これって、鍵穴じゃないよね。

 それは扉の左側、といっても鍵穴の右にあり、ほとんど隣の扉に繋がっているが、長方形の四角い穴が存在している。

「ねえ、沙希」

「どうしたの?」

「これってなんだろう?」

 沙希を招いて長方形の穴を見せる。とりあえず穴の中を覗いてみる沙希だが、やはり暗い所為かよく見えない。

「う〜ん、中がよく見えれば何か分かるかもしれないけど」

「ペンライトならありますけど」

「あっ、ありがとう水夏霞さん」

(いや、その前にどうしてそんな物を持ってるんだ)

 そんな疑惑を視線に込めて水夏霞に送る沙希、その視線に気付いた水夏霞は当たり前のように説明に入る。

「ペンライトも意外と便利なんですよ。遭難した時とか」

(こんな場所で遭難したくない。というか、ここは遭難する場所なの!)

 そんな事を感じている沙希にペンライトを渡してくる水夏霞。沙希もペンライトを受け取ると先程の穴を調べてみる。

「……結構深いみたい。それに、なんか途中で曲がってるみたいで奥までは見えない」

「そうなの」

 沙希は穴から離れるとペンライトを鈴音に渡す。鈴音もペンライトを受け取ると沙希と同じように穴を覗いてみる。

 あっ、本当だ。なんか真っ直ぐなんだけど途中で山が出来てて奥までは見えないや。

 ペンライトを水夏霞に返す鈴音。ここまでくればさすがに静音がこの奥にいることは無いだろう。だが鈴音には何かが引っ掛かるが、この厳重に封鎖されている扉を前にしては気のせいだろうと思わざる得ない。

「それで鈴音、平坂洞も見たことだし、これからどうする?」

 これからの行動を聞いてくる沙希。沙希としてはもう平坂洞には用が無いのだろう。これほど厳重に封鎖されているのだから沙希がそう思っても不思議は無い。だが、鈴音は源三郎の言葉を信じて諦めたくなかった。

「探そう!」

「いや、なにを」

「決まってるじゃない、姉さんの手がかり」

「どこで?」

「ここで!」

 さすがに頭を振りながら呆れた顔をする沙希は、とりあえず鈴音の両肩に手を置く。

「あのね、鈴音。静音さんのブレスレットがここで見つかった証拠は無い。それに平坂洞に静音さんが入り込んだ形跡も無い。これ以上何を探すの」

「でも」

 鈴音はブレスレットを取り出すと強く握り締める。

「これが、ここで見つかってないという証拠も無いんだよ。もしかしたら、この近くに他の手がかりがあるかもしれないでしょ」

「こんな広い山中を探し回れって言うの!」

「ううん、探すのはこの平坂洞の近く。平坂洞なら目印にもなるし、誰かと会うにしても場所が分りやすいし人もいない。だからどんな可能性があったとしても、この平坂洞を使わないわけが無い」

 その言葉に黙り込む沙希。

 確かに沙希が考えているとおりに羽入家が絡んでいるなら、この平坂洞は盲点になる。なにしろ羽入家とは離れているし、静音なら塀を乗り越えてこの平坂洞に来るぐらいは簡単にやってのけるだろう。

 だが、それでも平坂洞の前は拓けているものの、それ以外は深い森と同じだ。道は神社に続くだけの一本道、他に道は無い。そんな場所で探索してもこれ以上、何かが出てくるとは沙希には思えなかった。

「けど鈴音、下手に動き回ればこっちが遭難する事になるんだよ。そこまでして何か出て来るって言う保障はあるの」

「そんなの無いよ、だから探すんじゃない」

「そんな事をするんだったら、吉田さんや金井さんと協力して村中を聞き込みした方が効率的でしょ!」

 だが鈴音はそれよりも源三郎の言葉とブレスレットが見つかったこの場所を念入りに探したかった。それはあの源三郎がとても嘘をついているようには見えなかったし、なによりもブレスレットが見つかった、この場所にすがりたかったのかもしれない。

 だからだろう、鈴音が珍しく沙希に冷たく言い放つのは。

「だったら、沙希はそうしてればいいでしょ!」

「鈴音!」

 さすがに鈴音の言葉にカチンと来る沙希。それはそうだ、今まで一緒に探してきたのにいきなりそんな事を言われれば誰だって頭に来る。

 だがそんな沙希に気が付くことなく、鈴音は自分の意見をぶつける。

「村の人達も、あの羽入家だって姉さんを探してるんだよ。今更、村中に聞き込んでも何か出てくるとは思わない!」

「それでも、誰かが何かを隠している可能性があるでしょ!」

「それを言うんだったら、ここに姉さんの手がかりがある可能性だってあるよ!」

 それから睨み合う鈴音と沙希。水夏霞は二人の間でオロオロとするばかりだ。そして沙希は鈴音に背を向ける。

「じゃあ、鈴音の勝手にすれば」

「……そうするよ」

 そして平坂洞を後にする沙希。鈴音は手がかりを探しに平坂洞の周りの草木を掻き分ける。一人残された水夏霞は鈴音に声だけ掛けると神社へと戻っていった。



「はぁ〜」

 神社の本殿にある階段に座り、溜息を付く沙希。方膝を抱えなおして、再び大きく溜息を付く沙希は懐かしい事を思い出していた。

 久しぶりだな、鈴音と喧嘩したの。

 今頃になって冷静さを取り戻した沙希。いつも冷静な沙希にしては珍しい事だ。

 大体無茶だよ鈴音は、あんな広い山中でたった一人で何が出来るって言うの。それに静音さんの手がかりなんて出てくるはずが無いんだから。

 沙希がそう思うにはちゃんとした理由がある。

 第一に、静音の遺留品はほとんど美咲の家、つまり桐生家に残されている。第二に、やはりあのブレスレットがあそこで発見された可能性だ。

 もしかしたあそこで発見された可能性もある。だが、それをエサに羽入家が舌舐めずりしてるようにしか思えないこと。

 もし、静音さんが生きてるなら羽入家が見逃すはずが無い。この村だけでも羽入家に逆らえる者はほとんどいないんだよ。もし、生きているなら必ず村人から羽入家に告げ口されて当然じゃない。それがないということは……。

 やはりそれ以上考えたくは無い沙希。だが、それはやがて伝えなければいけないとも思ってる。

 やっぱり、鈴音に言った方がいいのかな。もう静音さんは死んでるって……でも、死んだ証拠が無い。それが無い限り、鈴音は信じないだろうな。だって、鈴音と静音さんは。

「沙希さ〜ん」

 沙希の思考を中断するように水夏霞が神社へと帰ってきた。どうやら今まで沙希を探していたようだ。ゆっくりと立ち上がる沙希、そして水夏霞はやっと沙希を見つけて駆け寄ってきた。

「よかった。探しましたよ」

「水夏霞さん」

 沙希の元へきた水夏霞は心配そうな顔を浮かべていた。そしておずおずと口を開いた。

「あの、その、鈴音さんは、あのままでいいんですか?」

 その問に答えようとしない沙希。たぶん、沙希自身もどうすればいいか分らないのだろう。

 それでも水夏霞は言葉を紡ぐ。

「あの、あの辺りは暗くなると帰り道が分らないぐらい暗くなるんですよ。よほど土地勘が無い限り、必ず遭難しますよ」

「けど……言い出したのは鈴音だから」

 諦めたように溜息を付く水夏霞。それから水夏霞は先程の沙希と同様に本殿の階段に腰を下ろした。

「二人とも仲が良い風に見えてたんですけど、やっぱり喧嘩もするんですね」

「いつも……静音さんが更に焚き立てるから」

「えっ、あの静音さんが!」

 よほど意外だったのだろう、驚きの表情を隠せない水夏霞。沙希もそれだけ言うと静かに水夏霞の横に腰を下ろした。

 そして沙希は静かに語り始めた。

「静音さんがよく言ってた。口喧嘩するのが一番相手の心が分るって、その時口から出るのは全て本音だから。だから私と鈴音が喧嘩する時には必ず静音さんが吹っかけて、必ず静音さんが納めてくれた」

「なんか、自分で吹っかけといて自分で収めるなんて、ちょっと勝手のような気がしますね」

「ふふっ、そうね」

 でも、私達が喧嘩する時は静音さん、いつも笑顔だった。それでお互いに言いたい事を全部言ってから静音さんがその場を納めてくれた。いつも、そう……鈴音と喧嘩する時はいつもそうだった。

 けど、静音さんはもういないかもしれない。そうなったら誰が私と鈴音の間を取り持ってくれるんだろう。

 深く考え込む沙希。水夏霞はそんな沙希を見守る事しか出来なかった。そもそも掛ける言葉も見つからない水夏霞にはどうする事も出来ないのだろう。

 静音さん、やっぱり私には無理だったのかな。

 沙希の脳裏に静音の言葉が蘇る。

『ねえ沙希、これからも鈴音の良い友達でいてあげてね。今まで鈴音には私しかいなかったから』

 私にはちゃんと両親もいるし、兄弟だっている。そんな中で育ってきた私に鈴音の気持ちなんか分からないのかな。静音さんと鈴音は……二人っきりだったんだから。

「そういえば沙希さん」

 再び沙希の思考が中断されて、沙希はゆっくりと水夏霞の方へと顔を向ける。

「静音さんって、どういう人なんですか? 私あまり良く知らなくて」

「そういえば、神社に静音さんが来たときにはいつもお父さんが話をしてたんだっけ」

「ええ、この平坂神社は村の仲介役。いつでも中立の立場を守らないといけませんから、だから静音さんが来る機会も多かったんですよ」

 二つの勢力の間に立つ、という事はつまり、それだけ情報も集まりやすかったのだろう。だからこそ、静音は良くここを訪れたのかもしれない。

 そんな裏があっても静音なら当然だろうと沙希は思ったりもする。なにしろ静音がやることなのだから。

 そんな事を思いながら沙希は静音の事をゆっくりと話し始めた。

「静音さんは、黙って立ってれば名前のとおり静かな人に見えたけど、実は芯がもの凄く強い人。なにしろ自分が働ける歳になると鈴音と一緒に施設を出たぐらいだからね。それからは鈴音と二人暮し、鈴音もバイトを始めたのはその頃からだって言ってったけ」

「はぁ〜、お二人とも苦労してるんですね」

「そうね、そして大学で私は鈴音と出会った。最初から毛並みが違う異質な空気を放ってて、あまり人を寄せ付けない雰囲気があったんだけどね」

 そこまで聞いて水夏霞は首を傾げる。

「今の鈴音さんとは大分違いますね」

「まあ、施設でも、出てきても馴染めなかったみたいだからね。そうなったんでしょ」

「でも、沙希さんはどうしてそんな鈴音さんと仲良くなったんですか」

「……喧嘩」

「えっ」

 そう、全てはあの喧嘩から私と鈴音の仲が始まった。

 その頃の鈴音は誰一人として人を寄せ付けようとしなかった。たぶんだけど、鈴音は信頼した人しか仲良く出来ないんじゃないかと、今更ながら思ってる。

 けど、私は普通の女子学生だった。だから普通に皆とも接する事が出来た。それに格闘技もやってる。だからだろう、私が押されて鈴音と喧嘩になる状況になったのは。

 それは他愛も無い事から始まり、周りの声援がもう後戻り出来なくなってしまった。だから私は手加減して適当に気絶させればいいかと思った。……まあ、今に思えば悪質なイジメだったのかもしれないけど、鈴音はそれに真正面から立ちはだかった。

 後に退けない私は鈴音に殴りかかり、そして簡単に投げられた。手加減してたとはいえ、ここまで簡単に投げられるとは思っていなかった私は起き上がると、更に鈴音に殴りかかろうとしたが、鈴音はいつも隠し持っている刀を抜いて私の鼻先に突きつけてきた。

 それからこう言ったのよね。

『ごめん、私はいつも護身用に刀を持ってるから。それから言っとくけど、この刀は切れないけど相手を気絶させる事は出来る。これ以上、私に関わってくるならそれなりの覚悟をして』

 切れないとはいえ、鼻先に刀を突き付けられてはどうすることもできなかった。しかたなく退いた私を無視して鈴音はその場を後にしようとしたけど、その時の私は鈴音が気になってしょうがなかった。

 だからそれなりの覚悟を決めて鈴音の後を追った。それから鈴音に追いつくと覚悟を決めた事を伝えた。そして鈴音が取った行動は……遊びまわる事だった。

 私の手を無理矢理取り、いろいろなところを遊びまわった。その時にしっかりと感じたのよね。

(ああっ、この子も普通の女の子なんだ。というか、今まで友達が居ないのか?)

 そんな事を感じながらも散々鈴音に振り回されて、鈴音の行きたい場所に全部連れて行かれた。たぶん、それがその時の鈴音が精一杯できる事だったのだろう。

 そしてそれなりの覚悟っていうのは、鈴音を知ることだと気付いたのは随分後になってからだった。

 要するに鈴音は友達が居なかったうえに人を簡単に信頼してしまうお人好しなのだろう。だからこそ、羽入源三郎の事も簡単に信頼した。でも、私が知り合った頃の鈴音はもっとおとなしかった。

 たぶん、人との接し方を知らなかったのだと思う。なにしろ、鈴音は静音さんと二人っきりで生活してきたのだから。そして……鈴音は私と遊ぶようになってから笑うようになってきた。鈴音も鈴音なりに理解しようとしてたのだろう。

 それから鈴音も一応普通の女の子らしくなってきたけど、やっぱり未だに付いて行けない部分もある事も確か。

 そして私も鈴音を理解し始めて、鈴音も私を理解し始めた頃、鈴音は初めて私を自分の家へと招いた。まあ、私が一人暮らしなのをいいことに無理矢理引っ張って行ったんだけどね。そして初めて静音さんと出会った。

 ちなみに静音さんの第一印象が崩れ去るまでに一時間と用しはしなかった。まあ、静音さんときどきはっちゃけるからね。

 それから鈴音の家に行く事が多くなった。何故だか分らないけど、あの空間はもの凄く落ち着くことが出来たし、とても……心地よかった。そう、あの空間は今思い出しても心を安らいでくれる。

「あの〜、沙希さん」

「えっ」

 突然呼ばれて軽く驚く沙希。どうやら思い出に浸りすぎていたようだ。

「あぁ、ごめんなさい水夏霞さん」

「いえ、それはいいんですけど、それでなんですけど、なんで喧嘩で仲良くなれたんですか?」

「あぁ、そのこと」

 沙希は再び遠い日に戻ったかのように話し始めた。

「鈴音はずっと施設でも、バイト中でも、静音さんと居る時意外はいつも一人だったのよ」

「そんなに人付き合いが悪いようには見えませんが」

「それは社交的な付き合い方を覚えたからでしょ。でも、必ずどこかで一線を引いてた。そんな時にね、ちょっとしたいざこざで私が鈴音と喧嘩する事になったの。確か、その時に誰かがどっちが勝つか賭けてたりもしてたけど」

「学校で何をやってるんですか」

 呆れた目線で見詰めてくる水夏霞に気付く事無く、沙希は語り続ける。

「それで勝負は私の完全な負け、というか、鈴音はいつも護身用の刀を持ってたからね。それを抜かれたら私だってどうする事も出来ない」

「それって、銃刀法違反ですよね」

「まあ、そんなこともあってね。私が鈴音に興味を抱いて、鈴音の後についてくと無理矢理いろんな所に遊びまわったの」

「というか、私の突っ込みは無視ですか」

「そんなことがあって、私は鈴音と仲良くなって、鈴音も少しは社交的になったというわけ」

「はぁ、そうだったんですか」

 変に疲れた顔をする水夏霞に沙希は首をかしげると、更に大事な事を思い出す。

 そう、鈴音と静音さんはたった二人だけの家族だった。そして鈴音はあんな性格だから友達も居なかった。まあ、施設で何かあったらしく、そうなったみたいだけど。私と遊びまわるようになってからは、そういうのが全部消えたみたいだけど。だからかな、静音さんがあんな事を言ったのは。

 それは鈴音がお風呂に行って二人っきりのときだった。

 静音さんの鈴やかな目が急に私の方に向いた。それから口を開いた。

『ねえ、沙希』

『んっ、なんですか静音さん』

『これからも、鈴音のいい友達でいてね』

『いや、突然何を』

 それから静音さんは私の隣に座り、私の手を取って、いつもよりも悲しい瞳で話し始めた。

『鈴音が、あんなに楽しそうにしてるのは久しぶりだから。たぶん、私の前でしか見せないんだと思う。でも、沙希の前でもあんな笑顔が出来るなら鈴音も変わり始めてるんだと思うの。だから沙希、私がいない間は鈴音をよろしくね。』

『静音さん、どっか行くんですか?』

『大変な仕事を押し付けられたのよ。だから家を開ける事が多くなるわ。その間だけでいいから、鈴音を守ってあげて、私の代わりに』

 真剣な眼差しでそう言って来る静音さんに私は微笑みで返した。

『大丈夫ですよ、鈴音だってもう子供じゃないんだから。まあ、確かに危なっかしいところもあるけど、ちゃんと出来てますよ』

『……そっか、そうよね。鈴音も一人だちができる歳だものね』

 そう言って微笑む静音さんの笑顔を未だに忘れる事が出来ない。それが、静音さんと交わした最後の言葉だから。

 それから鈴音の家に行くたびに、静音さんは仕事で出かけていた。

 そして運命のその日、私はいつもどおり鈴音の部屋に行った。電話を片手に泣き崩れてる鈴音。鈴音の口から語られる今回の騒動。だから……私は決めた。

 沙希は立ち上がると大きく伸びをしてから水夏霞に振り向く。

「水夏霞さん」

「なんですか?」

「申し訳ないんですが、辺りが暗くなったら私達を呼びに来てください。たぶん、暗くなっても探し続けてると思うんで」

 その言葉に水夏霞も優しい笑みを向ける。

「今の時期なら結構遅くまで明るいから大丈夫ですよ。それに、この辺りの山は私の庭ですから、真っ暗な中でも帰って来れますよ」

「ありがとうございます。じゃあ、行って来ますね」

「気をつけて」

「あっ、そうだ!」

 途中で何かに気付いた沙希に水夏霞はそれを手渡すと、笑顔で見送ってくれる水夏霞を後にして、沙希は平坂洞へと戻っていく。



「はぁ〜、さすがにきついかな」

 鈴音の目の前にはうっそうとした草木や堅い枝などが広がっている。

 このブレスレットに泥が付いてるってことは、これが地面に落ちてたことになるよね。もし枝なんかに引っ掛かってれば泥なんて付くはず無いから。だから、探すとしたら地面。

 草木を分けて地面を探索する鈴音。よっぽど集中してたのだろう。後ろから来る足音に気付かず、頭の上にある草木が切り開かれて、鈴音の頭に草木が落ちてきてからやっと気が付いた。

「……沙希」

「まったく、素手で何やってんのよ。こんな場所、これでも無いと探しようが無いでしょ」

 そう言って沙希はもう一本、鉈を鈴音に手渡した。だが鈴音は座り込んだままで、そのまま黙っている。

「どうしたの?」

 鉈を片手に沙希は鈴音に尋ねる。

「うん、なんか、さっきはごめんね」

「……」

「姉さんのブレスレットが見つかって焦ってたんだと思う。だから、つい……」

 そのまま顔を俯ける鈴音。だが沙希はそんな鈴音に背を向けると手近にある草木を分け始めた。

「沙希」

 鉈で草木を切り払う沙希に鈴音はおずおずと声を掛ける。だが、沙希は作業を続けたまま口を開いた。

「静音さん、私達が喧嘩するといつも笑顔で見てたよね。止めようとしないで」

「……うん」

「今なら、静音さんが笑顔でいた理由が分かる気がする」

「お互いに痛いから、その痛みが分る。私はそう思ってる」

「……そう」

 それから鈴音も立ち上がると沙希と同様に草木を切り分けて地面を探す。

「だから、沙希や吉田さんが私を心配してることも知ってる。それでも、私は羽入家全体が敵とは思えない。少なくとも源三郎さんだけは味方だと思ってる。それに千坂さんも」

「そう言われてもすんなりと受け入れる気は無い」

「それでいいと思う。私は私だし、沙希は沙希だから。そしてお互いの考えが一致したのが姉さんに近づくんだと思う」

 その言葉を聞いた途端、沙希は手を止めると鈴音を見詰めて。鈴音も沙希の視線に気が付いて手が止まった。

「沙希、どうしたの?」

 だが沙希は微笑むだけだ。

「いや、最近鈴音が静音さんに近づいてきたなと思って」

「全部……姉さんに教わった事を実行してるだけだよ」

「それだけで充分じゃない。後は鈴音の好きなようにやれば」

「そう……なのかな?」

「何が正しくて、何が間違ってるかなんて誰にも分りはしない。だったら、自分の信じた道を進むしかないんじゃない」

 沙希の言葉に鈴音は急に笑い出した。

「なっ、なに?」

「沙希も、姉さんと似てきた」

 顔を真っ赤にして作業に戻る沙希。しかもなるべく鈴音から見えないように深くまで草木を切り払ってる。

「私も、静音さんから教わった事が多いから」

「そうだね」

 それから二人は作業に没頭して、水夏霞が迎えに来るまで草木を切り分けて地面を探したが、何一つとして見つからなかった。

 そして神社に戻った頃にはすっかり暗くなっており、鈴音などは腰が痛いなどと言って腰を伸ばしていた。

「そういえば、お二人はこれからどうします。どうせなら、ご一緒に夕飯でも」

「あっ、でも、琴菜さんに電話しないと。それに、こんなナリですから先にお風呂に入らないと」

 草木を切り分けて地面を捜索していたのだから二人はすっかり泥だらけになっていた。

「あぁ、そうですね。じゃあ、私から琴菜さんに連絡を入れておきますので、お二人はこのまま帰りますか?」

「そうね、あまり美咲ちゃんにも心配かけるのも悪いし」

「琴菜さんにお世話になってるんだから、そこはちゃんとしないと」

「じゃあ、私から連絡しておきますね」

「よろしくお願いしま〜す」

 元気な返事を返す鈴音。先程までの重労働で疲れ切っているのに割りと元気だ。その隣いる沙希も意外と平然としている。さすがに二人とも普段から鍛えているだけの事はあった。

 それから鈴音達は水夏霞に挨拶だけして平坂神社を後にした。



「お姉ちゃん達おかえり〜、って、うわっ、凄いね」

 泥だらけの鈴音達を見て美咲は率直な感想を言う。それから奥から琴菜が現れてお風呂が準備出来てる事を知らせてきた。どうやら水夏霞はそこまで話したらしい。

 まあ、さすがにこの格好で夕食というわけにも行かないので、ここは琴菜の好意に甘えてお風呂を先に頂く事になった。しかも、何故か美咲まで一緒に。

「はぁ、さすがに疲れたね」

「まあ、あれだけ山の中を探し回ればね」

「お姉ちゃん達、山の中で何を探してたの?」

 返答に困る鈴音と沙希、あまり美咲の前では静音の話はしたくないようだ。まあ、二人の気持ちも分らなくない。なにしろ初めて美咲に静音の話を聞いたときには泣きじゃくったものだから、そういう経験が無い二人にはどう対処してよいのか分らない。

 だからこそ、適当にはぐらかす事にした。

「鈴音が山の中で落し物をしてね。それをずっと探してたの」

「ふ〜ん、そうだったんだ」

 というか沙希、いきなり私の所為にするんだね。まあ、確かに今日のは私のワガママだったかもしれないけど。

 不貞腐れながら何も言えない鈴音は黙って美咲の頭を洗ってあげている。さすがに一軒家の風呂と言っても小さいもので、三人も入ればかなり狭くなる。

 そんな中で一人、湯船に使っている沙希は身を乗り出して鈴音に尋ねる。

「それで鈴音、明日はどうするの?」

「……う〜ん」

 確かに鈴音にはあそこを探索したい気持ちもある。だが探すのは立った二人だ。それでこれ以上の物が出てくるとは思えないが、それでも平坂洞には何かあるという思いは拭い捨てられない。

 悩んでいる鈴音をよそに、美咲は鈴音と沙希を交互に見る。

 その視線に気付いたのだろう、沙希は美咲に尋ねてきた。

「美咲ちゃん、どうしたの?」

「うん、やっぱり沙希お姉ちゃんの方が大きいなと思って」

 美咲の視線に気が付いて慌てて湯船に身を隠す沙希。一方の鈴音は美咲にすがり付くように抱きしめる。

「そうなのよね。最近、ひしひしと敗北感が」

「鈴音も何言ってるのよ!」

「それに沙希ってスタイルもいいでしょ。だからより一層敗北感が」

「鈴音〜」

 異常なほどに言葉に怒気を込めながら鈴音を睨みつけてくる沙希。だが鈴音は笑ってごまかす。

 そんな中で美咲も自分の胸に手を当てる。

「私もお姉ちゃん達みたいに大きくなるかな」

「大丈夫だよ、美咲ちゃんはこれからだから。もしかしたら沙希より大きくなるかもよ」

「えへへっ、そうかな」

「うんうん」

 無邪気な微笑を交わす鈴音と美咲。そんな二人を沙希は湯船の中から平和そうな目線で見ていた。

 そして頭を洗い終えた美咲が代わりに鈴音の背中を洗っていると明日の事について話し始めた。

「そういえば、お姉ちゃん達は明日暇?」

「んっ、どうしたの?」

 湯船から尋ねてくる沙希に申し訳なさそうな顔を向ける美咲。

「えへへっ、実は課題が間に合わなくて、手伝って欲しいなって」

「課題って、村の歴史について調べてるんだっけ」

「うん、でも間に合わなくて。本当は今日中に村長さんのところに行く予定だったんだけど、お葬式だったから」

 あぁ、あの助平の葬式か。

 まあ、鈴音と沙希がそう思ってもしょうがない。なにしろ鈴音を襲いかけて死んだのだから。一昨日の事とはいえ鈴音は未だに恐怖が蘇ってくるように身震いする。

「鈴音お姉ちゃん、寒いの?」

「えっ、あっ、ううん、なんでもないよ。それで村長さんの家に行くの?」

「うん、でも私だけだと調べきれないからお姉ちゃん達にも手伝って欲しいなって……思ったんだけど」

 あははっ、最近の小学生も大変だね。……んっ、ちょっと待って、これってもしかして村長さんに話を聞く良い機会かも。

 湯船にいる沙希に目線を送る鈴音。沙希も頷いてみせる。

 う〜ん、なんか美咲ちゃんをエサに使ってる気がして気が引けるけど。あの村長さんに話を聞くにはこれしかないか。

「分かったいいよ」

「本当、ありがとう」

 嬉しそうな声を上げる美咲、これで美咲の課題が終わり先生に怒られる事が無くなったからだろう。

 それから更にお風呂での雑談は続き、やっとお風呂から出て、すぐに夕食をとった後。鈴音達はすぐに自分達の部屋に戻ることにした。さすがにあれだけの重労働をしたのだから疲れたのだろう。

 だから何かをやるでもなく、ただゴロゴロとしており、そのうち眠気が来たので寝ることにした。

 こうしてその日は終わりを告げる。



                       ─断罪の日まで……後三日─







 ……降りてきた。突然、神様が降りてきた!!! だからそんなに間を上げずに更新が出来ました。というか、ここまで早く上げるとはさすがに思っていませんでした。

 さてさて、世迷言もこれぐらいにして少し本編に触れますか。そんな訳で厳重に封鎖されている平坂洞……一体どういう意味があるんだろう。

 更に、またしても回想に登場した静音さん……あれっ、おかしいな、プロットではここまで静音さんが登場する予定じゃなかったのに。しかも、段々と静音さんのキャラが壊れてきてるような気がするのは、私だけでしょうか。

 まあ、そんな訳で意味が有るのか、無いのか、よく分からない平坂洞。これから一体どういう展開になるんでしょうかね。そんな訳で平坂洞の秘密も推理してみてください。もちろん、ダミーもたっぷりと用意しております。

 ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。更に評価感想もお待ちしております。

 以上、久しぶりに神懸ったことをいいことにブログ小説でも上げてみようかなとか思ってる葵夢幻でした。

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