034 東照凱人25
再び俺たちは例の村へと足を向けた。
前回からさらに襲われたなどの雰囲気は見受けられないが、まあ用心に越したことはないか。俺は村の周りを確認する。
「痕跡っぽいものはないか」
「目に見える範囲には何もいないわよ」
姉ヶ崎、お前は別に目がいいとかそういう能力じゃないだろう。
まあ、でも無視は人間以上に光が見えるとか聞いたことあるが、それとこれとは別物だ。
「…………」
「……どうした、阿多野」
「すごい足音聞こえるよ。ただ多すぎて数はわからない」
阿多野の耳はそれこそ強化されている。こちらは本当のことだ。
そしてその耳で足音を把握した――それが意味していることは、
「お出ましってわけだな」
「そういうことみたいね」
「了解かな」
俺の剣は一対一向けなんだがなあ。
***
「あん? なんだ見覚えのないやつだな? 傭兵か?」
「構わねえ、やっちまえ!!」
おうおう、威勢のいい奴らだ。
俺は真っ先に飛び込んできた一匹に剣を突き刺してやる。
「ささって程度では……ギャアアアアア……ッ」
言い切る前に、叫んで死んじゃったよ。毒ってそんなに辛いのか?
俺は使ってるだけで受けたことはないからわからん。
「ギャアって、すごいわかりやすい悲鳴だよな。お前らなにが目的だ?」
一応聞いてみるが、低知能の奴らが多いから答えず突っ込んでくる。
えーと、ゴブリンにオーガに……あれ、こいつら自我保ってられる程度の知能はあるはずだよな。
そして、更にそいつらの後ろから敵の援軍らしき集団がやって来る。
全員目がおかしい方向向いてるというか、自分で動いている感じがしない。
「目的がさっぱりわかんねえな……」
そんでもって剣をだして敵意をだしてたつもりなのに、俺には無関心で突っ込む奴らも多いな。特に援軍連中。
俺はとりあえず、さらに突っ込んできた奴らを――みせつけるように剣で真っ二つにした。
そうしたら、結構な数は俺の方を向いてきた。
「敵意をストレートに見せないで、混同でどストレートに見せないといけないわけだ。そんで何匹か釣れてないな」
俺の横を抜けていった奴が何体かいた。
まあ、大丈夫か。後ろには村の奴らも阿多野と姉ヶ崎もいるし。
とりあえず俺は今から、この眼の前にいる大量の魔族連中を相手にしなきゃいけないしな。




