341話 ミズホ攻略戦 その1
リリアの転移でエルフの里からゴルバス砦に到着すると、現地にはすでにガレイ帝国帝王陛下とミスリル神国皇帝陛下がいる。場所はゴルバス砦の後方の臨時キャンプ地、滑走路脇だ。そこかしこに魔法の明かりが照らされ、広く開けた滑走路用スペースにはプロペラ機が二機、駐機されて離陸前のチェックが行われている。滑走路の反対側には王国の兵士たちが休息を取っており、出撃の時間を待っている。
なんで居る、とは聞くだけ無駄か。観戦武官の話を聞きつけて自分たちも見学に来たのだろう。二人は顔を突き合わせて密談……どうやら千年計画の進捗のことを話し合っていたようだ。
「二人とも暇なんですか?」
挨拶もそこそこにそう言うと、短期決戦だと聞いたぞ、とは皇帝陛下の言葉だ。
「まあそうです。朝までにはあらかた終わるでしょうし」
そう言って、ステファン王子を手招きする。
「紹介しましょう。リシュラ王国ステファン王子です」
そう肩に手をおいて、二人の前へと押し出す。皇帝陛下はお忍び用の平兵士風装備。帝王陛下もちゃんと目立たない装備で軽い武装をして、二人共前線まで行く気のようだ。
指揮を取るなら周囲の兵士からよくわかる格好のほうがいいのだが、戦場で目立てば当然敵から狙われやすい。二人が連れている護衛も最低限で、知らなければ軍の偉い人か、どこかの貴族くらいにしか見えないかもしれない。護衛のエルド将軍のほうが目立つし偉そうだ。
「ほう。次代のリシュラ王じゃな。わしはガレイ帝国のエルドレッド・ガレイだ」
「て、ガ、ガレイ帝王陛下!?」
いま帝王って言いかけたな。普通に使われる呼び方だが、面と向かって帝王と言うのはかなり無礼な行為である。
「余はファムルーク・ファイマウル・ミスリルだ。よろしくな、ステファン王子」
「ほらほら、挨拶は?」
突然の帝王と皇帝の登場に頭が追いつかないのだろう。固まっているステファン王子をそう言ってつつく。
「え、あ。わ、わたくしはリシュラ王国アルブレヒト王が長子、ステファン・リシュラでございますっ!」
うんうん。元気があってよろしい。
「そんなに礼儀にうるさい方々じゃないけど、粗相のないようにな」
他の者は触らぬ神に祟りなしとばかりに微妙に距離を取っている。紹介は不要そうだ。
俺はさっさと出撃するかと、ステファン王子をその場に捨て置いて、航空機に向かう。出撃前に航空機を見せて色々と説明してやろうかと思っていたのだが、待ってる間に王様二人に揉まれたほうが社会勉強になりそうだ。
「準備は?」
「いつでも飛行可能です」
メンテナンス担当のエルフの技師の言葉に頷き、タラップでプロペラ機に登る。そしてプロペラ機の高い位置で剣を抜き放つ。
「これより! ミズホ攻略戦を開始するっ!」
できるだけ大声でそう宣言する。全部隊をここに集めて出陣式をする計画もあったのだが、リシュラ王国側から他国の軍を国内に入れるのはどうかというクレームがあったので、各国の部隊は自分たちのホームでの待機になっている。まあそっちのほうが移動の手間が一回減っていいのかもしれない。
「兵士たちには一時間後くらいの出撃に備えて準備させておいてくれ」
居残り組のエリーたちに一応そう伝え、助けを求めるようにやってきたステファン王子に付け加えて言う。
「一時間というのは半刻のことだ。二時間で一刻だな。まず俺が前線の手前で転移ポイントを確保してくるから、観戦武官はそれまで待機していてくれ」
俺の周囲では最近二四時間制を導入していて普通に通じるようになっている。一日二四時間、六〇分、六〇秒。元からの一刻二刻を半分にしただけなので、違和感なく移行してくれている。
「魔法での加速は致しますか?」
「魔境に入るまでは全速力で頼む!」
そう言ってプロペラ機に乗り込んだ。まずは王国内をミズホ領域を迂回するように東に進んで、なるべく敵領土内での飛行距離を短くする。そして北進してミズホ東部の端にある、砦建設予定地へと向かい転移ポイントの確保。転移で部隊を直接送り込む。
事前に転移ポイントを確保する案もあったのだが、現地へ行くリスクはそう変わらないし、俺たちの侵攻を事前に察知されても困る。せっかく偵察もまったくバレずに行えたのだ。
プロペラ機の定員は六名。パイロットと充電係。それから乗客が四名。俺とサティ、リリアとウィルだ。
「モーター始動。リリア様は離陸後から加速の補助をお願いします!」
俺たちが席に落ち着くのを確認するとゆっくりと航空機が動き出し、不意にぐんっと一気に加速。すぐに離陸し、そのままぐんぐんと加速しながら上空へと登っていく。数分で水平飛行に移り、パイロットから報告が来る。
「進路、このまま東に取ります」
「一〇分ほどで北に進路を変えて、そこから完全モーター飛行に移る予定っス」
了解と頷く。偵察は同じこの機体とチームでウィルが行っていた。任せておいて間違いはないだろう。
風魔法での推進を加えると最高速度は三〇〇キロほどにもなる。今のような巡航でも二〇〇キロオーバーは出てるはずだから、比較的広いミズホ領でも短時間の飛行でどこでも到達できる。魔法では到底出せない速度だ。
「それでヴァイオレット姉様のことッスけど、仲間にするって言うのは……」
落ち着いたところで後部座席のウィルが話しだした。簡単な風防だけのむき出しの座席であるが、風精霊のガードで普通に話せるくらいに静かだし、寒さも感じない。
「それはヴァイオレット次第だな。俺のところに来る気なら普通の生活、貴族らしいことなんかまともにできないだろうし、もし覚悟があるなら婚約の話を進めてもいい。そこまで希望しなくて仲間にするって話でもいい」
帝国側の研究所はエルフを入れずに帝国が勝手にやっているし、責任者はウィルのパパである。信用ならないってこともないんだが、かなり好き勝手にやっていて、ウィルはただでさえ王国とヒラギスで忙しいから帝都の千年計画まで担当するのはもう厳しいし、ヴァイオレットが仲間になって監督してくれると言うのなら安心できるというものだ。
「もっと優しくしてやってもいいのではないか?」
ウィルが返答をする前にそうリリアが唐突に言い出した。
「そうか?」
「助けが必要なのじゃろう? ヴァイオレットはマサルを気に入り、すでに計画で立派な働きを見せておる」
それはそうだなと頷く。すでに千年計画で重要な役割を担っているんだし、今計画から手を引くと言われでもすれば、それはそれで困ったことになりそうだ。
「マサルのやっていることを考えれば厳しくなるのも仕方のないことではあるが、もっと緩く構えても良いのではないか?」
仲間にするためのハードルを上げすぎたか? ヴァイオレットは帝国の王女ってだけで特別目を引くような部分もない……いや違うか。俺とサティなどはもともと平凡以下。エリーやアン、ティリカは優秀だったかもしれないが、それでも特別なところはなかった。ウィルにしてそうだ。
それが仲間にしてやってもいいとか覚悟を問うとか、上から目線のおこがましい話だった。王女様なのだ。仕事などしなくとも悠々自適な生活が送れたはずだ。それがわざわざ志願して働きに来てくれた。それだけでものすごく感謝すべきことだろう。
「帝国内での影響力も考えねばならん。ウィルは王国とヒラギスで飛び回っているし、エリーでは帝国中枢への影響力はないしの」
確かに。帝王陛下やウィルパパとの関係は良好であるが、俺がコントロールできるわけでもないし、気軽に相談や頼みごとができるわけでもない。もちろんヴァイオレットがこの二人に対応できる対抗できるわけではないが、帝王、次期帝王に近しい位置の王族に、俺の意を汲むものが増えるのはウィルを例にとっても相当に助かることだ。
「ミズホが落ち着き次第、ヴァイオレットには俺から話してみよう」
怖気付くようなら俺からがんばるように説得する。それでもしダメそうならまた考えよう。無理なら無理でいっそお飾りでもいいのだ。名前だけ借りて、誰か優秀な補佐を見つけて実務を担当してもらう。
ヴァイオレットと俺の関係については……帝国の王女が俺みたいなのでほんとに大丈夫かって今でも思うが、色々知った上でなお接近してきているし、俺が受け入れるかどうかなのだろう。
「それじゃあ妹のほうはどうしますか?」
「オルフィーナはまだ急ぐ年齢じゃないだろう? ゆっくり考えればいいんじゃないか?」
妹ちゃんのほうはたぶん姉妹でどっちが婚約者候補として気にいるかわからないって程度の理由で俺の前に連れてこられたのだろう。それとも単に普段から姉と一緒に行動しているからついでのような感じなのかもしれない。
ともかく年齢的に婚約はともかく結婚するには幼いし、仕事をするにもまだ早い。本当に姉について来ただけで俺にもさして興味はなさそうだし、俺が婚約の話を断って避け気味にしているせいもあって、ぐいぐい来る姉と違ってほとんど話したこともない。
「じゃあ好きにやらせておくッスね」
ウィルによると妹ちゃんは本とかをよく読むインドア派で基礎科学教本はまじめに勉強したし、千年計画には興味を示しているそうだ。
逆に姉は見た目通りの陽キャだそうな。婚約相手を作らずに社交界で長い事ふらふらしていたせいでコミュ力は高いし交友関係も広い。それもあって貴族令嬢に対する千年計画の人員募集という話を思いついた。
応募状況は盛況と言っていいらしい。責任者が帝王陛下の孫娘という間違いのない地位と、帝城でのちゃんとしたお給金の出る仕事というのは魅力的だ。貧乏な低位の貴族令嬢なら飛びつくような話だし、高位の貴族とて三女四女くらいになると自分で自分の身を立てる場合もある。それから子育てが終わったような御婦人方からの問い合わせもある。
「で、男子のほうからもかなり話が来てるんスけど」
当然女子ばっかりずるい、俺も帝城で働きたいという男子貴族令息もいっぱいいる。跡継ぎでない男子は自分で仕事を探すか、他の貴族家に婿入りするかしかない。貴族だから魔法使いの率も高くて軍へ行くことが多い。それか実家暮らしのニート、穀潰しになるか。当然そんなことはよく思われない。
そこに降って湧いた帝城での仕事。それも帝王陛下肝いりの計画らしい。すでに身内の令嬢が計画に参加している者もいて秘密保持はちゃんとやっているはずだが、どうしても漏れる部分はあるし、千年計画の内実はともかく、仕事の募集などは堂々とやっているのだ。
ちゃんとした職歴にある者や優秀そうな者は面接をして問題がなければ普通に計画に採用しているそうだが、面接で落とした者もどうにかしたい。人手不足だし、教育して使い物になるなら採用してもいいのではないか?
しかしそれを誰がやるのか。女子のほうはヴァイオレットが採用から教育までもれなく面倒を見てやっている。
「もともと家庭教師とかやっていた年配の御婦人がたを教師役にしてしっかり見てるんスよね」
だから多少教養、教育が足りないなどの問題があっても教育を進められる。個別指導をしていた家庭教師からの転換だから、基礎科学教本の習得も早く、その後の指導も事細かで手厚い。
もちろん採用した男子男性も教育から始めるのだが、俺の指定した頭のいい人材という条件があるから、大抵の者は基礎科学教本程度ならなんなく習得してしまう。教育には手はかからないのがこれまでだった。
「職人仕事も多くなってきましたからね。手先が器用だったり肉体労働が得意な者もこの際採用してはどうかって話があるんス」
頭脳労働が苦手でも警備でもいいし、航空機やこれからできるであろう兵器類のテスト員としてもいい。
で、そうした場合、どの程度採用するのか。採用基準はどうするのか。その後の教育は? 考えるべきことが多い。
エルフや神国ではまだ研究所の規模が小さくて発生してない問題であるが、今後人を増やすとしたらしっかり考えるべき問題だろう。
「じゃあリリアとヴァイオレット、それとイオンとで相談して正式な教育機関を作ってくれ。千年計画用の学校だ。ミズホ攻略が終わったら王国も加入することだし、四国共同でまとめてやってしまおう」
一箇所に集めて教育をして、じっくりやって三カ月くらいか? もっと短くてもいいか。基礎科学教本を読んですぐに理解できるようなのはさっさと卒業させて実務に回す。学校というより自動車教習所に近い感じだな。合宿をして早ければ二週間で卒業だ。
「最初は帝都に集めて、教育に回せる人員が育てば各地に分校を作ればいい」
規模を大きくすると機密保持が難しくなるが、そろそろ航空機も増やして運用するし、いくつか工場も作る。漏れてしまうのは仕方がない。
そこに話を遮るようにエルフのパイロットからの報告が入った。
「まもなく進路を北に取ります。電力の補給後、魔法推進を停止、完全モーター飛行に移行します」
「北に進路を取ったら数分で目的地に到着ッスね」
ふむ。学校のことを考えるのはあとだな。いや、いつもみたいに丸投げにするか。
「学校のことはヴァイオレットに頼もう」
イオンもリリアも忙しいから補佐だな。もちろん俺も案は出す。
「それは良い。責任のある立場が人を強くするのじゃ」
俺と会うまでニートでごろごろと過ごしていたリリアが言うと説得力がある。
「じゃあ俺たちも責任を果たすか」
話しているうちにも機体は北へと進路を変え速度を落とし、そして徐々に下降していっている。目的地も暗闇を通して遠方に見えてきた。山間部の谷になっている場所。少し開けた部分がある。そこに砦を作るのだとウィルから説明が入る。
ただしそれも暫定だ。偵察は空からざっとしただけだし、防壁と砦を作ってから周囲を入念に偵察し、もし不都合があったり他に良さそうな場所があったら移転や変更をする。
だがとにかくも最初の拠点作り、なのだが……
「なにかいるな。魔物か?」
「速度落とせ。進路を左に、目標地点を一旦迂回だ」
そうウィルが指示を出す。
「前に偵察した時は居なかったんスけど、野営にも良さそうな場所ですからね」
「動きがないから寝静まってるな」
おそらくオークか? 二〇かそこらが固まっていて、他には居なさそうだし、普通に倒して終わりだな。
「予定通り行こう」
プロペラ機はモーターのパワーをさらに落とし、今は滑空状態になっていた。ウィルが機体から体を乗り出して周囲を見回している。
「じゃあ少し離れたところに機体ごと降りるッスね」
そう言って、ウィルが場所を指示。普通に着陸するには狭すぎる場所であるが、魔法で機体を支えながら速度をゼロまで落とし、垂直に高度を下げていった。飛び降りる案もあったが、機体ごと下ろすほうが安全だ。
無事着陸し全員が降りたところで機体はアイテムボックスに収納する。
「じゃあ俺とサティとウィルで切り込んで殲滅だな」
「いえ。俺とサティ姐さんでやるので兄貴はリリアさんたちの護衛でお願いするッス」
ウィルがそう言うので素直に従うことにする。もともと俺の出撃自体が危険だと反対があったのだ。敵陣への少数での潜入だ。何が起こるかもわからない。俺の役割はエリーでも良かったし、偵察もウィルで行ったのだ。
まあ出撃も体面を考えたことのようなものだし、ここでわざわざ一番槍を主張する意味もやる気もない。
ゆっくりと魔物の野営地へ近づき、察知されない十分な距離で俺たちは待機。やはりオークのようだ。ウィルとサティが音もなく森を抜け……オークたちが気がつく間もなく殲滅してしまった。
今は冬で真夜中ともなればかなりの寒さだ。焚き火を炊いてその周りに一塊に寝ていたものだから、さくさくと剣を突き入れられ、苦痛の叫びすらほとんどなく終わった。
見た感じ生活感はなかったから一晩だけの野営だったのだろう。運のないことだ。
探知できる範囲にはもう魔物らしき気配はない。合流して死体を収納し、野営地を土魔法で均して整地。転移ポイントを確保したところで、リリアが転移でゴルバス砦へと戻っていった。
「砦にするにはかなり切り開く必要があるな」
転移は一〇〇人ずつで教室一個分くらいのスペースで事足りて、野営地はその数倍の広さはあるが、砦を作るとなると最低でも野球やサッカーのグラウンドくらいの広さはほしいし、その周辺の木も邪魔になる。
「でも先に防壁ッスね。たぶんこの先のあたりでいいと思うんですけど……」
ウィルが指し示す先には峠道にも満たない細い獣道が続いていて、山肌が両側から迫って狭くなっている付近がある。それでも四、五〇メートルほどの幅は防壁で封鎖する必要がありそうだ。
ウィルと地形の確認をしているうちにリリアが転移で戻ってきた。もちろん俺の仲間たちと精鋭部隊も連れている。第一陣は師匠とヴォークト殿率いるビエルス剣士隊とエルフの魔導師部隊、そしてアンと神殿騎士団。それを見てウィルが指示を飛ばす。
「近隣に敵はいないが、周囲の警戒を!」
俺の周りにはいつものエルフの護衛と師匠たちが集まってきた。その間にもエリーやリリアたち転移持ちは再び転移して行く。後続をさらに連れてくるのだ。
「では兄貴、俺は周辺の偵察に行ってきます」
そう言ってエルフの部隊とともにフライで飛び立っていく。探知内に魔物はいないが、派手に魔法を使えば近くにいれば気付かれるかもしれない。付近の偵察は優先順位が高い。
周囲が薄ぼんやりと魔法の明かりで照らされる。俺はともかく、普通の人間は森の暗闇では視界は効かないし、この程度なら山間部の深い森だけあって空からでも見ないとわからないだろう。
「少し下がってくれ。まずは道を作る」
野営地から防壁予定地までのルートは人が一人通るのがやっとのただの獣道だ。どのみちこの周辺はすべて整地する予定ではあるが、まずは道の整備で移動をしやすくする。
地面の手をついて土魔法を発動させる。元からある道を多少広く、歩きやすいようにするだけではあるが、みんな静かに動いてるせいでバキボキベキと木々の一部が押しつぶされる音がやけに大きく響いた。かなり騒々しい。もっと道を広く、せめて馬車が余裕で通れるくらいにするには木が邪魔であるが、伐採からやっても騒々しいのは結局同じことか。
後方では観戦武官も到着したようだ。防衛のための部隊も続々と到着している。もう静かにすることもない。伐採している暇も惜しい。
俺たちがこの場所に接近したルート、ミズホ側には魔物は居なかった。敵が居て察知される可能性があるのは今から作る防壁の向こう側だ。ウィルも偵察に出ているから敵が居れば余裕をもって対処はできるだろう。
移動してもう一度土魔法を使う。それで防壁予定地までの道が開通した。
観戦武官たちは俺のほうへとやってきた。追加の部隊もどんどんと増えていっている。
次は防壁だ。場所をもう一度確認する。地面に跪き集中を高める。大きな防壁を一気に作るのには膨大な魔力とイメージが必要となる。が、手慣れた城壁作成だ。
魔法が発動する。地鳴り、大木がへし折れ大地に飲まれていく轟音。出現するそそり立つ壁。寝静まった動物や鳥たちも飛び起きて、静かな森が騒然となる。
これは……相当に派手だな。山の反対側でも気が付きそうだ。急ごう。
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