140話 新たな依頼 【地図】
「ちょうどいい。すぐに帝国に向かうなら私もついでに連れて行ってくれ」
王様ご一行も去り、冷めた料理を肴に酒を飲んでいると、フランチェスカがこんなことを言い出した。サティがどうしようと俺の方を見る。
確かにちょうどいいとしか言いようがない話なんだが、フランチェスカを一緒に連れて行くとなると、行動に制限がかかって面倒になるな。
「えーっと、エリーの実家へ先に行くんで、剣の聖地はかなり後回しになるかも」
ルート的には帝都を経由してエリーの実家へ。そのあと剣の聖地へ行く予定だ。
修行の方は俺とサティだけだし急ぐこともないので、エリーの実家の再建を優先することは決めてあった。
「帝国には行ったことないんだ。物見遊山も兼ねて遠回りでもいい。ちゃんと護衛としての依頼も正式にだそう。それで構わんだろう?」
お金持ちなんだろうから便乗しないで勝手に行けばいいのに。そう思ったがさすがに口には出せない。
「お前たちが護衛に付くなら、安心だな!」とかボルゾーラもいらんことを言い出すが、フランチェスカくらい強ければ護衛なんか不要だろうに。
対応を考えていると、軍曹殿が戻ってきた。
そういえば軍曹殿をサティの優勝記念パーティに誘わないといけないし、聞きたいこともあった。
椅子を貰って座って飲み食いしてたのを立って出迎える。
「話がある。少し長くなるかもしれんが、いま大丈夫か?」
「ええ、何時間でも構いません」
もう王都ですべきことは何もないし、俺はもう王都では何もしないぞ! 絶対にだ!
フランチェスカは気をきかせて離れてくれた。ボルゾーラは家に帰ると、家族へのお土産を包んでもらっている。どうせならフランチェスカももう帰ればいいのに、また後でと、護衛の話の続きをするつもりのようだ。
俺とサティだけになったので座り直し、軍曹殿が話し始めた。
「まずはサティにおめでとうと言わせて貰う。よくぞ強敵を制し、優勝を勝ち取ってくれた。総ギルド長もずいぶんと喜んでいて、サティをAランクにとのお話だ」
「ありがとうございます、とても嬉しいです!」
サティも俺とお揃いのランクになったか。まあでもサティの実力からすると当然だな。
「そしてマサル。苦手な場でよく戦い、そして諦めずに何度も立ち上がった。私は貴様のことを誇りに思うぞ」
「あ、ありがとうございます、軍曹殿」
あ、やべ。ちょっとうるっと来た。この軍曹殿の言葉が今回一番嬉しいわ……
「言ったとおり、二人ともいい経験になっただろう?」
「はい。得難い経験だった思います。もう一回出ろって言われたらやっぱり嫌って言うと思いますけどね」
「帝国の大会はさらにレベルが高い。いい経験になるぞ?」
王国でこんなひどい目にあったのだ。帝国の大会でもきっともっとレベルの高いひどい目に遭うに決っている。地雷原とわかって突っ込むような真似はしたくない。
適当に笑ってごまかしておく。
「そうだ。以前軍曹殿が言っていた剣聖の修行、受けることにしました」
「アーマンドから聞いている。じっくりと指導を受けてくるといい。そう言いたいところなのだが……」
「何か?」
「ここからが本題だ。マサルのパーティに依頼がある。輸送任務だ」
「輸送、ですか?」
「帝国のブルムダール砦に物資、それも食料をなるべくたくさん運んでほしいのだ」
ブルムダール砦? 帝国ということは俺達が帝国方面に行くついでってことなのだろうが。
「知らない地名ですね」
まあこっちの地名なんか帝国の首都ですらわからないレベルなんだけどな。
「ヒラギスと帝国との国境。そう言えばわかるか?」
ヒラギス公国。俺たちがゴルバス砦で戦ってる間に滅んでしまった国だ。忘れられるはずもない。
かなり遠回りになりそうだが……頭の中で地図を思い浮かべる。砦は国境だし、剣の聖地もエリーの実家も国境に近い。中央部の帝都に寄らず、国境線に沿うように移動すれば効率がいいな。
帝都へはルートの途中というだけで、観光以外の用はないし。
「かなり大きなルート変更があるので相談はしなければなりませんね」
「それは当然だ。それとヒラギスに関連してもう一つ頼みがある」
依頼じゃなくて、頼みなのか。
「なんでしょう?」
「これはまだ内密の話だが、近くヒラギス奪還作戦が帝国主導で発令される。王国を始め、周辺諸国はすべて参加し、冒険者ギルドも出来うる限りの戦力を送り込む予定だ。それに是非とも参加してほしい」
国を一つ取り戻す。壮大な作戦だな。物資輸送はその準備か。
「それは強制の依頼になるのでしょうか?」
「任意だ。危険かつ長期に渡る戦いになるだろうし、緊急依頼並に報酬は少ない」
他国の戦いで、しかも報酬が緊急依頼並だとなると、さすがに強制もできないのだろう。
経験値をがっぽり手に入れるチャンスだが、これこそじっくりみんなと相談しないと――
【ヒラギス奪還作戦に参加せよ】
ヒラギス奪還作戦に参加せよ
報酬は作戦終了が宣言された時点で与えられる
報酬 パーティー全員にスキルポイント10 + 希望を一つ
クエストを受けますか? YES/NO
突然メニューが開き、クエストが発生した。エルフの時以来だな。
「作戦の成否どころか、生きて帰れるかどうかすらわからない。奪還しても得られるのは僅かな報酬と、国を一つ救ったという名誉のみ。だが……」
「参加します」
否応もないので即答した。クエストが出た以上、俺がいくら嫌がっても無駄だろう。それなら進んで参加したほうが無駄がない。
「そ、そうか? 相談はしなくてもいいのか?」
「みんなもきっと賛成してくれるでしょう。しなくても俺だけでも必ず」
反対はまずないだろうけど。
「はい、わたしも参加します!」
よしよし。サティはいい子だ。
「発令は間もなくのはずだが、作戦自体は数ヶ月後になる。修行を受けられる時間があれば良いのだが」
いくつもの国家を併呑して成立した帝国領土は恐ろしく広大で、普通なら移動時間も相当なものだが、リリアの精霊魔法で移動速度は早いし、一度行ってしまえば転移も使える。
それにヒラギスが危険というのなら、その前にしっかり修行して強化しておくのはいい事だろう。
「修行もきっちりやります」
エリーの実家はエルフの手を借りるか。そういう申し出もあって、あまり大事にしたくないと断っていたのだが、事ここに至っては使えるものは全部使うべきだろうな。
「そうか。よくぞ言ってくれた。厳しいスケジュールになるだろうが、師匠には私のほうから、短時間でも密度の濃い修行をしてもらえるようにお願いしておく」
え、いや、それはほどほどでいいんですけど……
「あ、ありがとうございます」
「いま現地ではかなり物資が不足しているらしいから、可能ならば先にブルムダール砦へ回ってほしい。物資は祭りが終わるまでに用意する。準備ができたら連絡しよう」
祭りは今日を除いてあと三日間。明日は休養にして、明後日サティの優勝記念パーティをする。
「明後日なんですが、サティの優勝記念パーティをするので軍曹殿も是非」
「約束通り参加させてもらおう」
サティの手首を痛めた話はその時でいいか。
「では早めにおいでください。その時までにはみんなの意思も固まっているでしょう」
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「参加と聞こえたが、何かに参加するのか、サティ?」
フランチェスカに話してもいいのかな? 王家の人間で軍人だし、大丈夫に思えるが……
「ヒラギスの状況は知ってますか?」
「ヒラギスは魔境と化しているそうだ。偵察隊がいくつも消息を絶っている。もしやヒラギスの作戦か?」
「ご存知でしたか」
「無論だ。王国からも軍を派遣するからな」
「作戦にも参加しますが、その前に物資輸送ですね。俺はアイテムボックスも大きいのがあるんで」
「じゃあヒラギスに行って、剣の聖地。いやその前にエリーの実家か?」
「帝都も行きたかったんですが、どうも観光してる暇はなさそうですね。まあさっき話を聞いたばかりなんで、そのあたりは家族で相談してからってことに」
「冒険者は……自由に動けていいな」
お姫様は危険で長期な作戦は無理だろうなあ。でも俺だって自由に動けるなら領地でじっとしていたい。動けるんじゃなくて動かざるをえないんだよ、俺は。
「でもフランチェスカ様も修行に出るじゃないですか?」
「反対されている。まだ説得できてないんだ」
おおう。それは大変そうだ。
「それでだな。リリアーネ様もいるAランクのパーティが護衛なら、話は楽になる」
でもブルムダール砦経由とか言ったら余計反対されないか?
「蹴ったのを怒っているなら謝る。正直復活しそうで怖かったんだ。実際すぐに立ち上がったしな。知ってるか? お前、不死者って呼ばれてるんだぞ」
血反吐を吐くほどの怪我から復帰して勝ってしまったのが衝撃的だったらしい。
いやちょっと待て。メニューオープン……【不死者】の称号付いてるよ……
「追撃が過剰だったのも、倒す方法を相談したら、念入りにダメージを与えるしかないって結論になってな」
「うん。まあそれは別に怒ってませんよ。な、サティ」
「ええ……はい」
ほんとにもう気にしてなかったのに、サティの機嫌がまた悪くなったぞ。どうすんだこれ。
「何年か後には王家に仕えるんだろう? 私に貸しを作っておけばきっとお得だぞ」
恩を売っておくのはいいとして、しかしそれ以上にここで断って恨まれでもしたらそっちのほうが怖いな。サティが修行してるのに、フランチェスカが留守番なんてことになったら……
「ちゃんと説得してくださいよ? 王様にしろ公爵様にしろ、怒らせたら俺たち王国に住めなくなるんですからね?」
「わかってる。では護衛は頼んだぞ。絶対だぞ?」
「説得できたらですよ。できなかったからって家出とか考えないでくださいよ?」
「わ、わかってる」
こいつ、いざとなったら家出することも考えてやがったな。あぶねー。
「うちには真偽官がいるから、ごまかしは絶対無理ですからね?」
何もなくとも命がけの展開になってきたのに、この上王家の家庭事情なんかに絶対に持ち込まないでいただきたい。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
「家族会議をするぞ、エリー!」
「お帰りなさい、マサル。何かあったの?」
エルフ屋敷に帰ると、エルフさんたちに続いてエリーが出迎えてくれた。
「祭り後の予定を変更したい。全員集まってくれ」
「わかったわ。呼んでくるから居間で待ってて」
サティと居間に入り、ソファーでくつろぎ皆を待つ。
しかし革鎧はとっくに脱いでいるが、服はそのまんまで汗と革でちょっと臭うな。先にお風呂に入ればよかったかな。いやでも余裕を持ってゆっくりとサティと楽しんだほうが……
まずはリリアがダッシュで部屋に駆け込んできて、ソファーでくつろいでいる俺に飛びついた。
「おかえりなのじゃ!」
臭うのも気にせずにたっぷりと体を押し付けて俺にハグをすると、隣のサティにも同じように抱きついた。
「マサルもサティも今日はようがんばった。妾は感動したぞ。特に決勝であのでかいのを倒した時は実にしびれた!」
「ありがとうございます」と、サティも嬉しそうだ。
アンとエリー、ティリカもやってきた。リリアは俺を挟んでサティの反対側に座り直し、ティリカはサティの隣。ソファーを一つ移動させて、アンとエリーが向かいに座った。
「二人とも大会お疲れ様。それで打ち上げはどうだったの?」と、アンが始めた。
「ああ、それね。王様が来てさ――」と、打ち上げの様子を掻い摘んで話す。
フランチェスカとボルゾーラの話はさらっとして、巨人殺しの剛弓の話を詳しく。そして最後の王様とのやり取り。
「領地を作って定住する予定はあるけど、マサル次第で状況は変わるってちゃんと念を押したわよ? ほんとリリアがいて助かったわ。普通なら王様相手にこんな強気なこと言えないもの」
それで俺に直接コナをかけてきたということか。まあ確かに王様を前にして、気に入らなきゃいつでも出て行くよとは言い難かった。
でもさっきはそれに近いことは言っちゃったんだけどな。
いい国なら骨を埋めてもいい。それに対して王様は、それならばしっかりと統治を続けねばと応えてくれた。あの王様なら仕えるのも悪くないかもしれない。
「ま、そろそろ覚悟を決めることね」とエリー。
「マサルは遠方の出身で、まだこっちにきて一年も経ってないでしょう。そう簡単に決められないよ」と、アン。
「帝国出身の私から見ても、この国はいい国よ。王様の評価もそこそこだし」
「そこそこなんだ?」
「最近魔境の開拓で失敗しちゃったのがね……」
ゴルバス砦のことでは、エリーは色々思うことがあるのだろう。複雑な顔をしている。
これまで無難に統治してきたらしいが、無難なだけであって特に功績といった功績がない。そこで領地を広げようと色気を出したのがあの結果で、かなり評価を下げてしまったようだ。
「無難に統治できれば十分だと思うんだけどな」
「そう思うんなら私たちが助けてあげればいいのよ。その力はあるんだし」
ゴルバス砦の時はその力が足りなかった。あの時、今くらいの力があればどの程度状況を変えられたのだろうか?
「マサル様」
考え込んでいると、横のサティにつつかれた。ちょっとぼーっとしてた。お酒を飲み過ぎたかもしれん。
「ん。ああ、そうだな。ここからが本題だ」
ヒラギス奪還作戦は軍曹殿をして長く危険な、生還すら望めないかもしれないという戦いになるだろうという。フランチェスカも偵察隊がいくつも戻ってこなかったと言っていた。
みんなは間違いなく作戦参加に賛成するだろうが、さぞかし危険なんだろうなと思うと胃が痛くなってきた。
「仕事の依頼が二件来た。いや三件かな。一つはフランチェスカ様が剣の聖地へ行くのに便乗させろって言ってきた」
「ついでだし別にいいんじゃないかしら」
「でもまだ家族に反対されてるみたいなんだよ。だから説得できたらって話だな」
「それは……迂闊な対応をすると面倒なことになるわね」
俺たちが出発するまで後三日ほどしかないが、説得できるのかね? まあダメならダメで、後から勝手に向かってもらえばいいのか。俺たちでお世話する必要はぜんぜんない。
「二つ目なんだけど、ギルドからブルムダール砦に物資輸送の依頼が来た」
「ブルムダール……ヒラギスね」
「ブルムダール砦に行くとなると、予定していた帝都を経由するルートだと、かなり遠回りになる」
「そうね。それなら砦に行ってから、剣の聖地かしら?」
「その後でエリーの実家だな。もし帝都に行くのならその後ってことになるけど……」
行く暇があるとは思えない。帝国行きも気軽な休暇旅行だったはずなのに、どうしてこんなことになるんだろうなあ。
「帝都は用もないし、落ち着いてからでも十分よね」
エリーの言葉にみんなも同意する。一番遊びたがってたのって俺だしな!
「最後三つ目だが……ヒラギス奪還作戦が数ヶ月後に計画されていて、その参加要請が来た」
「いいじゃない。大活躍するチャンスよ!」と、エリー。
「危険で長期間で、しかも報酬は緊急依頼並だってさ」
「困ってる人がいたら助けるべきね」と、アン。
「我々にはその力が十二分にある」と、ここまで黙って聞いていたティリカも言った。
「お金には困っておらんじゃろう?」
王都でもかなり稼げたしな。タダ働きでも全然平気である。
やはりクエストを持ち出すまでもなく全会一致だ。
「マサルは気が進まない?」と、ティリカが心配げな声をかけてくれる。
「いや、俺はすでに参加するって言ってある」
どんよりしてるように見えたら、それは修行のことが心配なんだよ。
「珍しく最初からやる気ね?」と、エリー。
「うん、まあね」
さて。ここからが本題の本題だ。
「先ほど、新しい神託が降った」
しかしなぜわざわざクエストなのだろうか? クエストがなくても参加するだろうことに間違いない。
だがクエストがなければ、力を抑えて戦ったかもしれない。だから全力を出せと釘を刺したのか? それともまた、逃げ出したくなるほどの厳しい戦いになるのだろうか?
「これが今回のクエストだ」
【ヒラギス奪還作戦に参加せよ】
ヒラギス奪還作戦に参加せよ
報酬は作戦終了が宣言された時点で与えられる
報酬 パーティー全員にスキルポイント10 + 希望を一つ
「最後まで参加すればいいわけね」と、エリー。
「そうだ。今回はエルフの時みたいに助けろとは書いてないし、勝敗にも言及してない」
「作戦が失敗する可能性があるってことかしら?」
「わからん。予断を与えたくないだけかもしれないし」
それに都市一つのエルフ領と違って、小国とはいえヒラギスは広大だ。クエストのクリア条件を明確にするために、帝国によって計画されている作戦を基準としたのだろう。
「いずれにせよ全力を尽くすことには変わりはないのじゃろう?」
「そういうことだな。まあでも作戦自体がどういう風になるかも全然わからないし、今はまだ心構えだけしておけばいいと思う」
「マサル、剣の修行はどうするの?」と、ティリカ。
「そっちもちゃんとやる。ヒラギスでは何が起こるかわからない。だからそれまでに戦力強化はしておいたほうがいいだろうと思うんだ」
エリーはやる気があると言ったが、そんなもの全然ない。死にたくない。生き延びたい。ただそれだけだ。
ヒラギスの奪還は世界の破滅を食い止める一助となるだろう。だからこそのクエストなんだろうし、二〇年後の死を逃れるために全力を尽くす意義はある。
結局のところ修行もヒラギス奪還も、俺にとっては死にたくない。それに尽きる単純な話なんだ。
「これからかなり大変になるだろうけど……」
「ええ。みんなで力を合わせてがんばりましょう」
アンの言葉にみんなも頷く。
「とりあえず王都の残りはゆっくり休もうな」
まだ病み上がりなんだ。ゆっくりさせてくれ。
「でも急いだほうがいいんじゃないかしら? 帝国は広いし、移動にすごく時間がかかるわよ?」
俺が休ませろと言った直後にこれである。
「なんだったらうちの実家に寄るのもなしにしても……」
よし、エリーさん。これからじっくり話し合おうか。
俺には心と体を癒やす時間が必要なのだ。それをエリーに寝室で、いや先にお風呂だな。手伝ってもらおう。
「え、ちょっと、なによ」
エリーの手を引っ張って、体を掴んで持ち上げる。
肉体を強化してよかったのは、じたばたする女の子でもこうやって軽々と持てることだな。
「サティ、お風呂だ」
「はい、マサル様」
そのままひょいっと肩に担ぐと、エリーは自らの運命を悟ったのかようやく大人しくなった。