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王の竜玉  作者: ito
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人との繋がり


数日間畑仕事を兵達に命じていた。

竜将軍も鍬を持ち働く姿に、誰もが馬鹿にしたような声をかけた


何人もの者達が近衛兵隊から出て行きもした

だが、残った者達の表情は日に日に変わっていった


とある日の夕方だった

自室の天幕で戻ると骸羅達や数名の兵達が尋ねたいことがあると言って天幕に来ていた

だが仕事もあったために終わってからでも良いかと聞くと、素直に頷く姿に自分の計画がうまくいっていることを示していた


すでに太陽は沈み、闇が広がっていた

天幕内にある蝋燭の火がゆらゆらと揺れて中にいる者達を照らす


「・・・それで用とは何だ?」


一向に話し出そうとしない骸羅達に促すと

躊躇いながらも口を開き始めた


「俺たちはどうしたらいい??」


「何がだ?」


「・・・・敵国の者は敵じゃないのか?感謝されるなんて俺は知らない!!」


「そうだ!!嫌悪の眼差しで見られたり陰口を叩かれるのは当たり前なのに、感謝されるなんて俺たち

は知らない!!」


骸羅達は兵の中でも乱暴者として疎外感を受けていた

それを誤魔化すように暴力をふるっていたのに、田畑を耕し、敵国の民のためにする仕事で紗萄国の民から感謝された。

敬うような、笑いかけてくる者達に、今までにない気持ちが生まれた

感謝される気持ち、頭を強制ではなく自然に下げられた

それは彼らにとって衝撃だった


混乱した彼らは訳も分からなくなり助けを求めた

敵国の者は殺すことが当たり前だったのに、感謝されるなんて知らない。裏があるのではないかと疑心暗鬼すら浮かべる者達さえいた


「なるほど。人に怖くなったと。」


「違う!!怖い訳じゃない!!どうしたらいいのか分からない・・・」


「ではお前達はどう思った?下げられる頭に。感謝の言葉を聞くことに。」


竜将軍の声にシーンとなった場


「俺は・・・嬉しかった・・・必要とされているんだと思えた・・」


「あぁおれもだ・・・」


「すんげぇうれしいんだ!!あんなに純粋に笑いかけてくれるなんて!!」


次々に上がる声に成長した部下達を嬉しく思う


「そうか。ならば良かった。」


「よかった??どういう事だ??」


「いつも言っているだろう。俺は戦いを終わらせるためにいる。だが支配で人を支配すれば、不満が生まれる。その不満がないように、人と人の繋がりを強くしたい。それには俺一人が動いても駄目なのだ。多くの者が協力して、成し遂げなければならない。」


「じゃ俺たち利用されているのか??」


「まぁそうなるが、お前達なら必ずやると確信していた。人との繋がりを作れる逸材で、そして、お前達にも知って欲しかった。人とはこんなにも優しい者であり、感謝される喜びがどんなに嬉しいもんかを。どうだった?感謝されるって?」


「ハァ~~何か騙された感じだ・・・」


「でも気分がいいだまし方だ!!さすが将軍だ!!」


「あぁ確かにすんげぇ俺たちの隊長だ!!」


「騙したことは申し訳なかった。だがこれからも働いて欲しい。いずれ戦いが終わり平和な世を作るために、協力してくれ。」


竜将軍は頭を下げた

自然と下げられた頭に


「止めてくれ世将軍!!俺たちはアンタの部下だ!!」


「あんたが使いたいように使ってくれ!!」


「俺たちは将軍に付いていきます!!!」


骸羅達は照れたように応えてくれた


人の繋がりは大切なモノだ。大きな国になればなるほど根本となるのは人との繋がりとなる。繋がりが弱くなれば衰退を辿ることになる。閃の作る国を揺るがぬ確かなものにするために神楽は全てを利用して事を成し遂げる。いずれ去らねばならぬ身、閃の傍にはいられなくなる身なら閃の為に出来る最大限のことをしてみせよう。



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