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王の竜玉  作者: ito
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敵国の王子

ゾクリと背中に寒気が走った

風邪でも引いたかと思ったが、今ここで休むわけにはいかない

天幕を開けて外に出れば采駕国の傷ついた兵達が倒れている

数にして数百もの患者に持ってきた薬草も底をつき始めている


ましてや食料も底をついてきている

これだけの軍の規模で長い期間滞在すればそれだけ、金がかかる

だが、三カ国が攻めたときに紗萄国はかなりの被害を受けている


まともな治療が受けられず、野ざらしに状態で奴隷のように扱われていた

そこに入った璉国はすぐさま紗萄国の解放を行い、傷ついた者達の治療を始めた


いくら治療を行えど、患者の数は減ることはない

次から次へと来る患者に阿宗将軍の白の軍と連携して医療に当たっていた


眠る暇など無いほど治療に明け暮れ、また外交面に対しても最前線にたたねばならず、竜将軍の馬車馬のごとく働いていた

食事も運ばれているが食べる気は起きない

眠気も全く来ない


いつの間にか慣れてしまった閃との夜

艶も色もないただ純粋に互いに依存して互いを守ろうと眠る夜になれていた

その温もりがないと思うだけで、夜が寒くて眠れない

また悪夢を見そうで、村が焼けた匂い

両親が殺されたときのこと

戦いの中で死んでいった者達のこと

黒々とした何かが身を覆い尽くしそうで怖い


「ふぅ~」


人知れず溜息をついてハッとした

バッと後ろに人の気配がして振り向けば人がいた


厄介だと思える奴が・・・


「何かようですか?・・・・礼音殿下」


「おやバレたのか?」


暗闇から現れた飄々としたこの男、惷国が第二殿下宗そう礼音れおん


敵国の王子だ

それだけでも間を開けて距離を置きたいのに、こいつにどうも気に入られたようで、何をするにも近寄ってくる


「バレたも何もあなた方の兵が教えてくれましたよ。」


「そうか、もうちょっと遊んでいたかったが・・」


笑みを浮かべるこの男、どっから見ても優男の王子様といった感じだが、時々みせる獲物を狙う目に厄介だと思える

今もその目で見つめてくる

何もかも見通すような目で見られると自分が女であることがバレるのでは無いかと不安であるが、今のところ隠し通している


「用がないなら失礼する。」


ここは話しをおって逃げだそうとした矢先に


「食事でもいかがだろうか?」


「はっ?」


「食事に誘っているんですよ。璉国の軍大将と仲良くして損はない。我らが友好のために、いかがですか?」


「その食料があるなら、兵に回してください。ただでさえあなた方が攻め入った紗萄国は危機的状態なのに、あなた方が田畑を荒らしたために食糧が不足している」


「・・・・つまらないですね。」


「つまらなくて結構。友好は文書で頂いた。もし破るのなら武力で答えるのみです」


「ふぅーーん」


そういって視線を外した礼音に礼をとってすぐさまその場を去った


去った後に


「面白い女の子を見つけました。可愛いですね」


礼音が口元に手を当てて見ていた




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