運命の出会い②
この閃という子供、第70代目璉国国王、緋 琉瞬の子供
正当な王太子である
この璉という国は大陸の7つの国のうちの一つでもっとも歴史が長く、また領土も広く、気候、流通の適所といい何をとっても最高の位置にこの国はあった
経済面もさることながら、軍事力も優れていたこの国は何度か他国から攻め込まれることがあったが、ことごとく返り討ちにし他の6カ国とは協定という名の支配をしていた
実質この大陸を支配しているのは璉国であると言っても過言ではなかった
その国の王太子であると言えば権力者であると言えそうだが、すでに正妃の間に成人した太子や他の側室達が産んだ太子がおり、太子としては8番目である
ましてや、閃の母は王の前で公演を許された劇団の花形女優であった
身分の低い母に、8番目という王太子に誰も見向きもしなかった
だが閃の母に一目惚れした琉瞬王は側室として傍に置き、寵愛した
そして産まれた子供が閃であった
まだ、琉瞬王が存命の時は良かった
両親に愛され幸せに王宮で暮らせた
だが、冬の寒い日に琉瞬王は何者かに暗殺された
そこから閃の親子の暮らしは激変した
琉瞬王の正妃の息子が王となると真っ先に閃親子は王宮から追放された
その理由は琉瞬王暗殺
閃の母は声を張り上げ無実を訴えたが、花形女優といっても平民の閃の母と正王母に誰一人として閃親子に手を差し伸べる者はいなかった
本当であれば処刑される予定であったが、閃親子の惨めな姿が気に入ったのか琉瞬王の正妃
「生きながら王に愛されたことを悔やみなさい」
と笑いながら二人を追い出した
追放された親子は元いた劇団に向かうが正妃の策略で劇団に戻ることも出来ず、色々な所を転々と移動した
そしてやっと見つけた安住の地、璃州の片田舎の村
そこで閃の母は身を粉にして働いた
そして何より閃をりっぱな王太子として扱った
礼儀作法、教育に厳しく閃に接した
それは5才にも満たない閃にとっては泣き出したくなるほど辛いことであったが、夜になると母が声を抑えて泣いているのを見て、母を守らねばと厳しい教育にも耐えてきた
そんな閃が運命の出会いを果たす
まだヒロインと出会えず!!次回出てきます(たぶん)