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王の竜玉  作者: ito
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奇策を用いて敵を討て!④

「て!敵襲!!」


山の頂上に陣を構えていた三カ国は地を這う煙に慌てていた

櫓の上から璉国軍を見ると多くの火柱があがっている


「風向きは!!風向きはどうなっている!!」


叫び声を上げる

ヒラヒラと舞う旗は先ほどとは逆を示唆している


「馬鹿な・・風向きが変わるなど!!」


右往左往する軍に声をあげて命令しても、足下にまとわりつく煙に恐怖した兵達には聞こえない


神楽は顔の仮面を取り顔に土を付けて汚す

敵軍に知り合いはいないとはいえ、いつ何処で何があるか分からない

用心の為に顔に泥を塗って服も汚した


下向き加減で陣の中を駆けていた

目的の旗が掲げられている天幕を見つけるとスルリと後方に回り持ってきていた刀で少し傷を付けて中の様子を覗う


中では跪いた兵士達が息も絶え絶えに豪華な衣装を纏った小太りな男に現状を報告していた


「て、敵襲です!!風向きが変わり奴らは火を使ったもようです!!森中が煙で覆われています!!」


「兵達は混乱しています!!ご指示を早く!!」


「うううううーーーーん!なんと言うことだ・・・に裏切られたか!!」


小太りが言った言葉に言葉を失った



(まさか・・・あいつが敵なのか?それでは・・・急いで戻らなければ!!)


信じられなかったが長居するわけにはいかなくて、勢いよく立ち上がって


「火の手が上がったぞ!!逃げろ!!!」


大声を上げて陣の中を走り出した

その声につられるかのように敵の陣の兵達は我先にと逃げ出した

全軍が逃げるまでにそう時間はいらなかった

敵兵がいなくなり先ほどの天幕へと足を向ける


急いで逃げたためか残された書簡が散らばっていた

一つ一つ中身を確認して、先ほどのが会話が聞き間違えではなかったことを画然とした


源国の王の印と黒の将軍、玄偉げんい宗卓そうたくと三老の一人、えん官吏の印が押されていた



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