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王の竜玉  作者: ito
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一時の別離③

薄明かりの中、王城の中央門では大軍が整列していた

歩兵部隊に騎馬軍、弓部隊になど様々な部隊が列をなしていた

その部隊の戦闘には各部隊の旗がなびいていた

各部隊の色の旗は存在を見せつけるような威圧感がある


その中で異様に目立つのが竜将軍の真っ赤な布地に黄金の竜だ

バサリと風に揺れる旗は多くの者の目を引いた


「大丈夫か翔大?」


竜将軍が声をかけると翔大はヨロヨロとしながら旗を必死に支えている

任された旗は軍最高の軍旗

国旗とも同等の意味がある旗だ

持つ手が震えてしまう

十代の少年が持つには荷が重すぎるが、竜将軍はわざとその旗を任せた


「翔大。重いか?」


「い、いえ・・・はい」


「どっちだ?ふふっ、その旗は色んな意味で重いかもしれん。だがなぁ、お前は武器を持つな。武器を持たずそれを持って俺の傍におればよい。守ってやる。安心してその旗が倒れることのないようしっかり支えろ。」


「はい!!!」


しっかりと頷いた翔大を確認し

一度王城の正門の櫓にたつ王を見る

ただ見下ろす瞳はここからではよく確認できない


「行ってきます。閃」


誰にも聞こえない程度にポツリと呟き、ひらりと虎の背に乗る

連れて行く虎は2匹。一番体格のいい虎は王の傍にいるように何度も何度も言ってきた


「出立!!!」


竜将軍の声が薄暗い空の中響いた




ゆっくりと進む軍を王は櫓の上から見ていた

竜将軍である神楽が一度こちらを仰ぎ見た


仮面越しに神楽の様子は分からないが、離れていくことが身を裂かれるようだ

いつも傍にいて離れることがなかった二人が離れた


「うまいこといったなぁ・・・・」


「あぁ。三カ国に情報を伝えただけでこうもよく動いてくれるとはな・・・」


「竜将軍様にはよくよく敵を足止めして貰いたいものだ・・・」


「あぁ。我々のためにな・・・」



柱に陰に隠れて笑う声は二人には聞こえてはいなかった




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