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王の竜玉  作者: ito
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竜将軍VS三老③


「・・・わかりました・・・。あなたがそこまで言うのならばやってみなさい。」


「凱長官!!何を!!」


「張長官、燕長官。やらせてみようではないか。だが、一度だけだ。成果が出せないならば、すぐにでも貴方はこの城から出て行って貰うことになりますが、よろしいですか?」


「はい。全力で当たります。機会を頂きありがとうございます。」


腰を90度に曲げて頭を下げる竜将軍に無謀だと思うが、忘れていた希望を見いだせるような気がした


「だが、凱長官。予算はどうする?」


「そうだ!そんな予算はこの国にはない!」



「あります。」


あたふたと異議を唱える張長官と燕長官に向き合いきっぱりと言った


「何処にあるというのだ!!」


「ここ数日各部署を巡っていました。あることがどうしても気になったので・・・」


「何があったのだ?竜将軍」


今まで忘れ去られた王の声に誰もが王に目を向けた


「陛下。証拠がなかったのでお知らせするのが遅くなりました。神楽様のことです。」


「!!!神楽だと!!何があったというのだ竜将軍!」


声を荒げた王には怒気が含まれていた


「陛下。神楽様の衣装は城にあがってから月に1着ほど王から送られていると聞きました。しかし、その予算が異常に高いのです。衣装代が神楽様の好まれる衣装の20着分以上あり、神楽様がお悩みになっていました。質素倹約を好かれる方なのに、悲しまれておりました。そこで何にそこまで費用が使われているのかを調べてみますと、明らかに衣装とは関係のない物が買われていたり、1着しか貰っていないはずなのに、10着分になっていたりなど、どうも戸部の者達は計算が苦手のようです。」


「戸部か!!あいつら!!」



「陛下も陛下です。例え寵妃様であろうと、今は倹約をすべき時。寵妃様の衣装は質素に控えるべきと思います。」


今にも戸部に殴り込みに行きそうな王を止めて、竜将軍は言い放つ


神楽の名に反応した王は竜将軍を見ながら自信無さそうに


「神楽がそう望んでいるのか・・・・」


「はい陛下。」


「はぁ~。分かった。お前に神楽の衣装を見繕って欲しい。決めたらもってこい。」


溜息をつきゆっくりと椅子に座る王に三老達は呆然とした

アレだけの怒気を見せつけられながら涼しげに王を止めた

冷静さを取り戻させて、椅子にまで座らせた


「「「王の調教師だ!!」」」


三老の誰もがそう思ってしまった


その後、戸部には監査が入り神楽の衣装代を横領していた者は捕らえられ、全額の返済と官吏としての地位剥奪に家も取りつぶされた


都では王の寵妃の金を盗んで王の逆鱗に触れたと噂を呼んだ

王の寵妃への熱愛ぶりと寵妃の我が侭ぶりが王都では噂となった




お読みいただきありがとうございます。

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