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王の竜玉  作者: ito
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竜将軍VS三老②


「ではでは。この璉国での失業率の高さについてです。戦が続いたため怪我をした者の多くが職に就けず、またそれが一家の大黒柱であるため一家の破綻に繋がっています。幼い子供が一家を養っている場合もあります。あなたの部下と同様な状態です。この問題についてはどうお考えでしょうか?」


難題と分かる質問を一気にまくし立てるように話し、礼をとって笑みを浮かべる顔を隠す


「竜将軍ともあろう方ならこの問題をすぐさま解決出来るでしょうね?」


それに続けとばかりに残り二人も言ってくる

その雰囲気は明らかに竜将軍を馬鹿にした態度であった

平民上がりのキサマにこのような問題が解けるものかと、恥をさらせとばかりに三老達は詰め寄った

手を顎に置き、数分考えを巡らせた竜将軍は口を開き、


「・・・確かにそれについては難しい問題です。・・・・怪我をしている者達をお預かりしてもよろしいでしょうか?それと、出来れば学校を作ってはいただけないでしょうか?」


「兵達をどうするつもりだ?ましてや学校など!その予算など何処から出るのだ!!」


「兵につきましては仕事を与えます。世の中には多くの仕事があります。一人では出来ないのなら複数で力を合わせて一つのことをさせればよい。賃金は少し安くなりますが、安定した賃金が入ればよいでしょう。それと学校につきましては、この国を根底から栄えさせるためには子供達を育てなければいけません。予算は考えがあります。」


「その子供達が働いているのだ。誰が学校に行かせるものか!」


「そうだ!ましてや何を教える!」


「子供の性分は学ぶことです。学校にきた者は少しの賃金を与えます。そして、成績優秀者には官吏への道を与えます。学ばせることは語学と算数を中心に学ばせます。その後に医術、薬学、経済などの方面を学ばせる。」


「話にならん。その様なことが誰が教える!それに官吏には貴族の子息がなる者と決まっておる。」


「そうだ。平民が官吏など、平民は農村で畑を耕しておればよいのだ」


「では、私は何なのでしょう。私も元は平民の出です。ですが、今は竜将軍として近衛兵隊長の地位にいます。ただ、機会を与えるだけです。伸びる伸びないはその者次第。」


「話にならん!!平民など我々の言うとおりに動いておればよいのだ!!キサマを竜将軍と認めた覚えはない!!」


立ち上がって竜将軍を指さした三老達に


「では何故!私にこの問題を出された!!竜将軍と声をかけた時点であなた方は私を近衛兵隊長、竜将軍と認めているではないか!!私がただ王の慈悲によってこの地位を得たと思うのか!!武力だけではなく、知略でもこの国を支えたい。そのためにこの地位に就いた以上この責任を果たさなければいけない!!あなた方がそうやって人を見下している限りこの国は変わらない!!根底から変えようと思わない限りこの国は衰退する!!才能ある者は活用する!!この国のために!!あなた方はそれをしないのか!!」


ダンっと机を叩いて一気にまくし立てた竜将軍の覇気は三老を黙らせた

明らかに竜将軍の物の考え方はここにいる三老とは違っていた

貴族である以上誰からも礼をとられることが当たり前

貴族である以上平民などただの使い勝手の良い駒と同じ


見下し、自分たちが使う駒のような物だと思っていたが、確かにここにいる竜将軍は平民からのし上がり王の信頼を得て近衛兵隊長という軍の中で最高の栄誉を持っている。

自分たちが見下すべき駒の存在が自分たち三老より遥かに大きな存在となりその存在は日を増すごとに大きくなっている


脅威とも言える存在に三老達も反感を覚えるが何故か、この国を思う竜将軍の姿が眩しく感じられた

昔自分たちもこの国を支えたくて官吏を目指していた

だが、多くの暗躍や裏工作に煌びやかな世界の裏を見てしまうとその希望はいつの間にか消え去っていた

忘れていた夢や希望を竜将軍は掲げてこの国の権力者には向かっている

いやこの国と向き合っている

人ではなくこの璉国という大きな大国を変えようと立ち向かっている

自分より若き者が国を思い、行動を起こそうとしている



あれ?何故か長くなって3話に分かれました。

一応今度で三老との知恵勝負は終わります。

これである程度、竜将軍の地盤が出来てきます。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

感想などございましたらよろしくお願いします。

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