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王の竜玉  作者: ito
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王の凱旋


王都にたどり着いた璉国軍は王都での凱旋の行進は盛大に行われた

ほぼ全軍無事という状態で紗萄国との和睦、寀駕国での勝利

国民は熱狂的に王を迎えた

そしてもう一つ国民の目を引いたのが虎に跨る仮面を付けた竜将軍だった

二頭の虎を引き連れ、一番大きな虎に乗り王の傍を警護する姿は誰の目にも驚きを与えた

また、人づてに戦いの話はすでに王都に伝わっていた

話は大きくなり、竜将軍を雷を自在に操る竜の化身や山すら動かすことの出来る神の化身やその手にかかればどんな病すら治すことが出来るとまで言われ皆拝むような形で見ていた




王城につき協議の間に多くの平伏した官吏達が王と将軍達を迎えた

王が玉座に足を向けていると


「竜将軍ついて参れ」


普通であれば将軍達は官吏達と同じ下座に座るべきである

しかし王は新参者である竜将軍を上座へと呼んだ


「はっ」


王の一歩後ろを歩き、王が玉座に座ると玉座の斜め後ろに立った


「陛下先ずはこの度の戦の勝利おめでとうございます。」


「「「おめでとうございます。」」」


三老の凱長官の声と同時に官吏達は一斉に伏礼し、祝いの言葉を述べた


「そしてそれが戦の勝利の祝い品がその者でしょうか?陛下?」


祝いの言葉に続いて凱長官が新参者に噛み付く


「そうだ。皆に言うておく!この者こそ我が軍を勝利に導いたものだ!私の近衛兵隊長に命じた。」


「初めまして。皆様。私はこの度近衛兵隊長の任を頂きました竜と申します。皆に異論があると思いますが、異論があるならどうぞお受けいたします。」


不敵に口角のあがる竜将軍に不敬だと多くの官吏達が声を上げた


「静まれ!!」


閃王が手を挙げると誰もが静かになった


「この者を近衛兵隊長に推したのは私だと言うことは皆忘れるではない」


「なっ!!陛下は我々を脅されるのですか!」


「脅しはしていない。真実を言ったまでだ。以上だ。」


王は玉座から立ち上がった

その瞬間から官吏達は言い返すことは出来ない

王が協議の間から出るまで頭を上げるわけにはいかない

あげれば不敬罪だ

苦々しい思いで官吏達や将軍達は平伏した

王が出口である扉に向かう中で歩みを止めて振り返った


「そうだ。竜将軍。君に逢わせたい人がいる。我の妻、神楽にだ」


王は言った一言は将軍だけでなく官吏達を震撼させた


「ついてこい」


「陛下!!お待ちください!!無礼と承知で申し上げます!!それは我々に対する当てつけにございますか!!」


「当てつけではない。信頼に置ける者に我妻を逢わせることの何処が、当てつけとなる。お前達も信頼できる者達なら我が手の内をみせよう。竜将軍ついてこい。」


ただ主である王の命令の下竜将軍はついて行く


嫉妬と憎悪の眼差しが竜将軍に向けていた

翔大は怯えながら付いてくるが、虎と竜将軍は顔を前に向けしっかりと足取りで進む

恥じることは何一つとてない

奪えるものなら奪ってみる程の意気込みがなければ、負けるわけにはいかない

王が・・閃が信頼してくれる以上、その期待に応えたい

それだけが竜将軍の思いだった


後宮の扉の前で翔大と虎たちは入れずに、待つこととなり王と竜将軍は寵妃のいる後宮の最奥の楼閣を目指した



お読みいただきありがとうございます!!



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