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王の竜玉  作者: ito
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部下の初仕事


虎が置いてきた場所では多くの兵が遠巻きで見ている

珍しい虎が寝っ転がって大人しくしている

もしこいつらを生きたまま捕らえたらいい値で売れる

それも綱で繋がれた状態

絶好のチャンスなのだがやはり尻込みをしてしまう


「オイ、誰かいけよ!」


「お前が行けよ!お前が言い出したんだろ!」


「いけるわけ無いだろ!もし襲いかかってきたら一発でお陀仏だ!」


「だったら止めておけ」


明らかに違う声にギクリと振り返る


「その虎たちは近衛部隊だ。傷つけることは許さない。もしかして訓練の申し出ならいつでもその虎と戦うがよい。今綱を外そう。」


「「「いいです!!!すいませんでした!!!」」」


虎に近づき綱に手を伸ばす竜将軍にそこにいた兵達は逃げ出した

残された竜将軍と翔大に虎たちが尻尾を振りながら近づく


「フフ可愛いのに。翔大。恐れるな。お前を傷つけるような奴らではない」


腰を抜かしている翔大に虎が口を開けた


「ひぃぃぃ」


目をつぶって喰われることを覚悟した翔大は半泣きだ

ペロッ


「ぎゃぁぁ!!」


「目を開けろ翔大。よく目を開けろ!」


翔大が目を開けると確かに目の前に虎がいる

だが虎は翔大の頬を舐めるだけで一向にその牙を向けてこない


「見た目に惑わされるな。どんな姿をしていても心通わせれば、その者の考えを理解できる。その虎たちは翔大を傷つけはしない。」


「でも・・」


「大丈夫だ。手を伸ばせ。大丈夫だ。」


竜将軍の辛抱強い呼びかけに翔大は手を伸ばして虎に触れた

ごわごわした毛並みが手に触れる

その手に身を擦り付ける虎から伝わる体温


「温かいだろう。そいつも生きている。血が通い、今を生きている。虎だからと言って怯えるな。良いな?翔大」


ゴロゴロと鳴らす虎に生きている存在だと認識した翔大は大きく手を動かして虎を撫でた


「餌などは俺が森に行ってとってくる。時には翔大にもいって貰うことがあるかもしれないが、良いな。大抵することはこいつらの毛並みを整えることと、虎たちに馬鹿をする奴らの監視。それと出来れば薬作りもある程度覚えて欲しい。」


「ハイ!!俺、俺やります!!」


「翔大が武器を持たないですむように、誰もが武器を持たない世界を目指すぞ。」


「ハイ!!」


翔大は竜将軍について行くことを決意した

竜将軍について行けばそんな世界が出来るような気がする、いや出来る

竜将軍の考えは人だけではなく生きてる全ての者を平等に見る

誰もが平等な世界、そんな世界を翔大は見たくなった


たくさんの評価や登録ありがとうございます!!


拍手も設置してみましたので、ご気軽に感想などよろしくお願いします!!

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