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王の竜玉  作者: ito
31/87

部下が出来ました



虎たちを置いて竜将軍は治療室と向かった

治療室の天幕を開けて真っ正面に立っていたのは

般若のような顔の阿宗医師がいた


「何やってるんですか!!!」


治療室に大きな雷が落ちた



「全くもう!!何度ハラハラさせる気ですか!!あなたのせいで寿命が縮みましたよ!!私の寿命返してくださいよ!!全くもう!!」


プリプリ怒りながら竜将軍の左手の治療をする阿宗医師に不思議と竜将軍は笑みを浮かべた


「なんだい気色悪い笑み浮かべて?」


竜将軍の口角があがっていることに気づいた阿宗医師はすねたような声を上げる

それをクスクスと副官である医師達が笑っている


「今までの無礼をお許しください。将軍とは知らず、多くの無礼をいたしました。失礼した。」


「おやおや、王の前ではあれほど無礼なのに私の前では礼儀を示すのですか?」


「礼をとるべき相手は自分で決めます。王よりあなたに礼を尽くすべきだと思ったからです。それまでです。」


「それでは私には礼を尽くすべき相手ではないと言うことか?」


第三者の声が響いた

声の方を振り向くと閃王が立っていた


「阿宗医師。竜将軍の手は?」


「大丈夫ですよ。すぐに、とはいきませんが、傷跡が残らないようにきれいに治療しましたよ。まったく王といい、竜将軍といい人のいうこと全く聞かないんだ!!全くもう、老人の大切な寿命を使うなんて、なんと優しくない奴らだ!!」


畏怖を放つ王や竜将軍にこれほどふざけた口調が言えるとは、さすが阿宗医師だ


「そうか。それはすまんな。治療が終わったのなら用がある竜将軍。今すぐ付いてこい。」


「はい。阿宗医師、治療ありがとうございました。話が終わり次第また手伝いに来ます。」


「はいはい!無茶はしなさんな!」


天幕を出た二人は王の天幕に向かった陣の中央にあり、一番大きな天幕だ

天幕の中は床は大きな絨毯が敷いてあり、その上にまた動物の毛皮が敷いてある

上座には熊の毛皮の座椅子がありゆったりと王は座った

真っ正面から顔を合わせた二人は


「竜将軍・・かぐ」


「陛下!それ以上はご容赦をお願いします」


閃の視線を避けるかのように竜将軍は礼をとった


「っく・・」


平伏する竜将軍の姿が閃の心を苦しませた


「陛下。剣をありがとうございました。広場に置き忘れてしまいましたが、「その剣はそなたに与える。私を守る剣としてそなたが持つにふさわしい」


「陛下。私はまだ近衛兵隊長として認められてはいません。認められたとき、その剣をお貸しください。あなたが剣を持つことの無いようにあなたを守ります。今はまだ持てません。」


礼をとる竜将軍に苦い思いを感じる

彼女の言うことは正しい。何のために神楽を近衛兵隊長にした。

守るためだった。近衛兵隊長なら王の傍にいつもいて、一番安全な場所で目の届くところにいてくれる

なのに、神楽はいつも俺の思惑道理には動いてはくれない

彼女の行動は正しく、自分の行いが間違いのように感じる


「陛下。俺の兵に先ほどの少年と虎をください。私が望むのはそれだけです。」


「よい。そのことをふまえて話があった、入れ!」


王の声と共に天幕が開き先ほどの少年が入ってきた

王と竜将軍に見つめられた少年はガチガチに固まって突っ立ったままだ


「はい!あ、あの・・・」


「名を何という?」


「えっ、あ・・あの・・」


「恐れることはない。一度呼吸をしてみろ」


竜将軍の指示に大きく深呼吸した少年は


「お、俺の名は翔大しょうた。13になります」


「そうか。翔大か。良き名だ。私の名は竜。そなたの上司になる。我が軍はそなたの他は虎しかいない。そこでそなたには虎の面倒を見て貰いたい」


「はいっ!ってえぇぇぇぇ!!」


「?どうした?」


「と、虎ってあの?」


「たぶんその虎だ。大丈夫。少しお茶目だがいい奴だったぞ。」


「お、俺まだ喰われたくない!!」


「大丈夫だ!先ずは実践だ!ついてこい!」


少年の手を掴んで進む竜将軍

王はその姿を見つめるしかない

例え誰が止めようと彼女はとまらないだろう

彼女のすることはいつも誰かのための行動

いつもの彼女であった欲しいから閃は神楽を止めるわけにはいけなかった


多くの方に評価、お気に入り登録いただきました。

ありがとうございます!!


皆様の応援で頑張って書いていきます!!

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