表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王の竜玉  作者: ito
30/87

竜の試練~竜の武を見せつけよ~④


虎は3頭いた

この三頭は竜将軍が町で倒した虎だ

気絶された状態で見つかったため、牢に放り込まれただけだった


訳も分からず虎たちは閉じこめられたことに対して興奮し、暴れていた

これで牢の番人がきちんと見ていたなら良かっただろう

だが、広場の戦いが気になって番兵達はお互いに番を擦り付けあって試合を見に来ていた


竜将軍が虎の場所にたどり着くと

3匹の虎を円状に取り囲んだ状態で、それ以上虎に近づくことが出来ない

牙や爪が怖くて槍で牢の方へ追いやろうとするが、逃げ腰の状態では全く進展をみせない


「どけ」


声と同時に空から人、竜将軍が降ってきた

地面に着地すると持っていた棒を構えた



虎もいきなり現れた人に驚き、唸り声を上げる


「・・・怯えているな・・」


持っていた棒を地面に突きつけると一歩一歩無防備に近づいていった


「オイオイ!止めろって!喰われるぞ!」


「危ねぇって!!止めろって!!」


多くの者が引き留めようとしたが竜将軍の足は止まらない


ウーッと低い唸り声を上げる虎は竜将軍から微かに感じる血のにおいに本能的に怪我をした餌だという認識をもつ

舌なめずりをして襲いかかるタイミングを計っている

だがそれが出来ない

確かに竜将軍は無防備に近づいているように見えるが覇気が違う

一歩一歩近づく竜将軍からは動物の本能から恐怖いや、畏怖を感じる

虎たちは状態を低くし唸ることしかできない

その距離がゼロになったとき竜将軍の手は虎の頭を捕らえた


虎は完全に降伏を示し、伏せの状態で怯えていた


「ふっ」


少し口元の口角があがると虎の頭を撫でた

それが気持ちいいのか虎はゴロゴロと喉を鳴らす

それを見ていた二頭の虎も近づいてきた

その二頭の頭を撫でる

二頭も借りてきた猫のようにおとなしくなり、ゴロゴロと喉を鳴らす


「お前達もついてくるか?来るなら歓迎するよ」


虎たちは答えるかのように鳴いた


「ようこそ、我が部隊へ!歓迎しよう。この虎たちは我が部隊で引き受ける。何人たりともこの子らを傷つけることは許さん!」


そう言って竜将軍は歩き出した

その後を追従するように虎たちが続いた


陣の端に来ると竜将軍は歩むのを止めて虎たちに振り返った


「すまない。陣にお前達がいたら、人が怖がる。すまないが、ここで我慢してくれ。」


来る途中に貰った縄を虎たち一匹一匹の首に巻き付け端を地面に突き刺した棒に結びつけた


「日が沈む頃にまた来る。それまでここで大人しくしていろ。もし馬鹿なまねするような奴がいたら、脅かしてやれ!だが傷つけはするなよ!」


虎たちは竜将軍が言っている意味が分かるのか、一声鳴いた



お気に入り登録200件突破ありがとうございます。

評価、感想もお待ちしております。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ