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王の竜玉  作者: ito
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戦いは終わりを告げる

少しだけ流血表現や、気分を害する表現があります。

一切の責任は持てませんので、お気を付けてお読みください。


ダッ、ダッ、ダッ


規則正しく蹄の音が響く

荒れた大地に焼けた草の匂いに人の焦げる匂いが広がり

目を背けたくなるような光景が地平線の彼方まで広がっている


そんな大地を2頭の軍馬が駆ける


一頭にはひらりと長いマントをなびかせ、顔半分を覆う仮面をつけた軍服の竜将軍

その少し後ろを駆けるもう一頭には誇らしげに旗を待つ騎手


ひらめく旗には金の糸で縁取られた真っ赤な生地に剣を持つ黄金の竜の姿が刺繍されていた

その旗は焼けた荒野を駆ける

そこだけが切り離された世界のようにただ蹄だけの音が響いていた


これから始まる戦いに興奮と不安に包まれていた璉国の兵たちは

その旗を見た興奮を露わにする

剣を掲げる者、「将軍!」と叫ぶ者、各々を鼓舞する声が轟く


その声はドンドン広がり50万もの兵たちが声を上げ、地面を震わせ、反対側でにらみ合う敵に威圧感を与えていた


駆ける二頭の前には武器を抱えた兵達が敬意を込めた瞳で見つめながら道を空け始める

二頭は迷うことなく開いた道を走り、中央部辺りにポッカリと空いた場所で馬を止めた


スタッと降りた竜将軍は厩の番の者に手綱を任せ

目的の人物の前に跪いた


「ただ今戻りました。陛下。」


「よく戻った。竜将軍。報告を頼む。」


陛下と呼ばれた人物は他の鎧を纏う者達と比べ、線は細いように見えるが

その瞳は誰よりも力強く、迷いなき眼である


「はっ。露国は和睦の件につきましては全面的に破棄、最後まで戦う意志を示しております。」

竜将軍から淡々と出てくる言葉は一切の感情がこもらず、ただある真実を述べていた


「ったく!なんとういう、分からず屋の国だ!」

「滅ぶのが分かっているだろうに!!」

「陛下!奴らに私たちの力を見せつけましょう!!」


王の周りを固める将軍達は次々に声を上げる

その声に続けと兵の声がさらに大きくなる


王はサッと手を挙げる

その動作にピタリとその場に静寂が訪れる

1度目をつぶり、大きく息を吐いて目を開けた

その目に映るは敵国、露国の士気の低い兵達の姿

そして号令をあげた


「これより露国への最後の攻撃を仕掛ける。前線は黎将軍、李将軍!他の将軍達は足並みをそろえ竜将軍の合図を待て!これにて最後の戦いとする」

その声に伴い、兵達の鼓舞の声が広まり地面を揺らした


これが璉国で十年と続いた戦争の終焉となる




初めてのオリジナル小説です。気合いを入れて頑張りたいと思います。

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