エピローグ ーーその先へ
《ルイスの冒険譚・抜粋》
静かな朝だった。
砕けた瓦礫の隙間から、やわらかな陽が差し込んでいる。
魔王城の門を抜け、五人はしばらく無言で歩いていた。言葉にできない想いが、それぞれの胸にあった。
ふと、レオンが立ち止まる。
「……魔王という共通の脅威が消えたことで、今度は各国が互いに争うかもしれない」
その声には、先を見据える責任感が滲んでいた。
タクマが笑う。
「心配性だな、レオンは。ま、そういうとこ、嫌いじゃないけど」
その軽口に、皆の頬が少し緩んだ。
ドルナが盾をなでながら、前を見つめて言う。
「今度は、平和を守るために戦おう。私たちの力、まだ使える」
リアがうなずき、ルイスは静かにペンを走らせていた。
その背中に、確かな意志があった。
レオンが、まっすぐに歩き出す。
「……じゃあ、次の旅に出よう。まだ、やるべきことがある」
誰も反対はしなかった。
かつての彼らなら、悩み、立ち止まっていたかもしれない。だが今は違う。
仲間を信じて、一歩を踏み出すことができる。
空は晴れていた。風は、未来へと吹いていた。
――きみが、今どんな場所にいても。
――きみの中にも、きっと何かを変える力がある。
困難に直面することもある。その時、自分にできることを突き詰めること。
逃げ出したくなる日もある。その時、なんとか一歩を前に出すこと。
その小さな一歩がやがて大きな道になる。
その積み重ねが、きっと――きみ自身の物語になる。
僕が紡いだのは僕の物語。
きみが紡ぐのはきみの物語。
《抜粋ここまで》
完




