2 似たものどうし
「体調、悪くしましたか?」
免許センターの案内係のお姉さんが、床と心の会話をしている俺を心配して声をかけてくれる。
「いえ、取得したジョブが、その、友達に言えないようなものだったからショックで」
顔を上げて答えると、若くてかわいい人だった。思わず名札を見てしまった。今多さんだった。
大丈夫、ストーカーにはならないよ。親切な人は名前、見たいよね。
「もしよろしければ、同じように取得したジョブでショックを受けた人を保護しているので、悩みを共有されたらいかがでしょうか。気持ちの整理ができるかもしれません」
同じような人? 人に言えないようなジョブを持っているということ?
「ありがとうございます。相談してみます」
俺はそう言って、今多さんに案内してもらう。なんでもジョブ判定をした直後、動けなくなってしまって、特別室にいるとのことだ。
免許センターのその部屋に入ると、男の人が机に向かって書類を書いている。
奥にいるよ、と言う男の人のことばに従って、二人で、ついたての奥に行く。
その人はソファーに座ってうなだれていた。
今多さんが声をかける。
「あなたと同じように、思いがけないジョブに悩んでいる人がいたのでお連れしました。もしよろしければ、お二人でお話ししてみてはどうでしょう。ジョブとの折り合いがつくかもしれません」
「そうですね。二度と会わない人であれば、ジョブの相談もしやすいです。ありがとうございます」
ソファーの人が答える。
見ると、高校生っぽい女子だ。二度と会わないような知らない人でも、女子高生では違う意味で話しにくいんだが。
「それでは、少しの時間、お話しください。私たちはついたての向こうにいますので、安心してくださいね。私たちに聞かれたくない内容であれば、そこのメモをご利用ください」
そう言って今多さんは向こうに行ってしまった。
俺は、JKに初めまして、とあいさつしてソファーに座った。
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