目玉焼きが落ちてくる
冒険ストーリー小説『滝壺のダイダン』の登場人物が、もし現実世界で日常を送ったら?
今回は、トンボムシが果たして報われるのか?
「まさか」
ハナミズキは言った。
「何言ってんの?トンボムシ」
宣言した翌日の登校日、ハナミズキは疑問の表情を顔に浮かべていた。
「では朝礼をはじめm」
先生が言い終わる前にダイダン、メゴロ、トンボムシ、ケース、ハナミズキ、シズルの6人は、学校から外に出て行ってしまった
ハナミズキは、まだ疑っていた
「本当ですよ、本当に目玉焼きが降ってきたんですって」
トンボムシは言う
「嘘だったら逆立ちと鶏の真似しなさいよ」
6人は目玉焼きが落ちていたという道に来た
道の直線が途中で終わっている部分は地主が土地を譲らない家が建っていて曲がり角になっている
車道部分はともかく、歩道部分内側は狭かった
「あれ?ない」
「ほら、やっぱり嘘じゃない」
ハナミズキは安心したように言った
「なんだと!?ごらあ!
本当にあったんだぞ!」
メゴロは怒りながら拳を上げて言う
「暴力はよくありません
手を出すのはよくないですよ
手をあげるのはよくありま」
トンボムシは静止しようとしたが殴られてしまった
「八つ当たりはよくありません
よくありま」
トンボムシは、また殴られてしまった
「しっかし、なんで目玉焼きは消えちまったのかな?」
ダイダンは問いかけた
「だいたい非現実的よ
男の子ってすぐそういう非現実的なものに夢中 になるわよね」
ハナミズキは言う
「なんだと?」
メゴロはギロッと睨んだ
「ちょっとハナミズキちゃん」
シズルはハナミズキをなだめた後、問いかけた
「あの、その目玉焼きはこの道だけに落ちていたのかな?」
「あ」全員が声を出した
「確かに、ここだけとは限らないかもな」
ケースは言う
「さっすがシズル、文句ばっかり言ってるハナミズキとは違うな」
ダイダンは言った
「なんですって」
睨まれたハナミズキのグーパンチをくらうダイダン
ダイダンは吹っ飛び、停車中の車にぶつかった
ぶつかってどうなったかと言うと、車に跳ね返って再び歩道に戻ってきたのだ
ダイダンは特別な能力
水能力〈すいのうりょく〉
水石切り〈すいせきぎり〉
を発動したのだった
「おい、こんな小さい喧嘩に能力を使うな」
ケースは言う
「ああ、確かに少しもったいなかったかなって」
ダイダンは怪我がなかったものの、水能力水石切りを使ったので、ばててしまった
「サバー」
下水のマンホールからこんにちはをしたのはサバーだった
小さいうなぎに人間の手がはえた生き物だった
「なんだよサバーじゃないか」
メゴロは嬉しそうに挨拶をする
「おまえは相変わらずヌメっとしてるな」
メゴロはそう言うがサバーを歓迎した
サバーはメゴロの近くで跳ねた
そしてようやく跳ね終わるとマンホールの下へ潜って行った
「あれ?どうしたんだよ
何かするために現れたんじゃないのか?」
あっさりとした退場に思えた
次の瞬間
サバーは角を曲がった先の川で強く跳ねていた
音が聞こえた先の道にサバーはいるので、6人は誘導される
疑われたトンボムシは目玉焼きがそもそも落ちていたのが段々、自分でも嘘のように思えてきて悲しくなる
諦めずにいるダイダンとメゴロ
どうでも良さそうな表情のケース
不思議な状況に戸惑いを隠せないシズル
未だに信じないハナミズキ
それぞれは誘導された道へ向かった
そこには目玉焼きが落ちていた
「う・・・そ
言葉を失いそうだわ」
ハナミズキをはじめ驚く6人
そこらじゅうに散らばり落ちている目玉焼き、
中には汚れている目玉焼きもあった
「良かったね トンボムシ君」
シズルは祝うように言ってくれた
「本当だって言いましたでしょう
目玉焼きが落ちてきたんですよ」
トンボムシは報われ嬉しそうだった
それはダイダンも同じであろう
「さあ、謝ってもらおうか」
メゴロは鼻息を鳴らして言う
「そうだ、謝れ!
そしてゼリーおごれ!」
ダイダンは言う
「あーやまれ♪あーやまれ♪
ゼリーおごれ♪ゼリーおごれ♪」
「ぐっ・・・」
ハナミズキは認めたくない様子だった
認めたくないのだ
認めそうだから
「ハナミズキさんは謝るのが苦手ですからね」
「う、うるさいわね、トンボムシ」
ハナミズキは、そのあととうとう認め謝罪したのだった
「ごめんなさい」
「・・・よーし、それでいい」
メゴロは言った
「待て!ゼリーもおごれ!」
ダイダンは言う
「おまえ、そればっかだな」
ケースは呆れた表情で言った
肩の力を抜いて書いております
ミニストーリーです
小説の書き方を練習していきます
『滝壺のダイダン』のために
ですがしかし、読んでくれてありがとうございます
生きる楽しみを見つけて頑張って生きましょう
次回は 何故、目玉焼きが落ちてきたのか
もしかしたら、やるかもしれない