たびたち
お初にお目にかかります!サバヨミです!
稚拙な文章ではありますが頑張って書かせていただきます!
暖かい声援よろしくお願いします!
―シャリンガル王国 王都シャガル
ただいまより、魔王討伐を達成されし勇者ユリーヒ・デ・ルストラヒの戴冠式を執り行う。
式の始まりを告げる宣誓が読み上げられる。ついに,ついに俺はやったんだ。
俺は魔王討伐の任務を与えられ,見事討伐。そして今,この世界を救った大勇者として王宮で大々的に表彰されようとしている。あぁ,思えば色々なことがあったなぁ。いきなり王宮に呼び出され,「魔王を倒しに行ってくれるな?」って言われたり、いろいろな壺も壊しまくったし…まぁ,色々あったな。
そういえばこの国では一定の功績を残せば,国王が願いを叶えてくれるらしいと言う噂がある。本当なら叶えて欲しいことがひとつあるそれは…人にウザがれるようになることだ。そうなれば異世界転生でも転移でもなんでも良い。
そもそも俺は代々国王専属近衛剣士隊の司令官的な家系で,子供の頃からそれなりに有名で人望もあった。さらに,自分で言うのもなんだかそれなりに性格も悪くない。また,剣術も天賦の才を持っており、その腕前は父上を凌ぐほど。その上今は大勇者の称号付き…生まれてこの方一度も失敗も挫折もない俺をウザがってくれる人などなく,褒められ続ける毎日。今ではほんのちょっとでもウザがったような様子や,怒っている様子を見つければ,ポイントをつけてひとり優越している毎日だ。この状況を打破するには、もはや転生するしか道はないのではないな―
―ヒ…勇……勇者ユリーヒ!
はっ!いけない,完全に今戴冠式であることを忘れてしまっていた。と言うか今,俺怒られた!嬉しい!今のは3ポイントだな。ウフフ
「さぁ,勇者ユリーヒよ。戴冠も済んだ!何か願いは有るか?」
俺は王の発言に驚いてしまった。
「願いを叶えていただけるのですか?」
「あぁ,もちろんだ。なにせ,世界を救った英雄だからな。さぁ,なんでも良いぞ。」
あぁ,あの噂は本当だったんだ!よっしゃあ今日で俺の褒められ生活も終わりだ!とりあえず興奮を抑えて俺は,"あれ"を叶えてもらうことにした。ただし,ストレートに言うと変に思われるからちょっとオブラートに包んで
「私を,私の存在が知られていない世界に飛ばして下さい!」
きっと俺にとって最高の生活が今から始まるんだ!きっと―